インバウンド獲得対策の今─ vol.24
「ぐるなび外国語版」のメニューブックが活躍 オーダーシートで接客の効率化にも成功
年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。
炉ばた焼のパフォーマンスは海外のSNSでも好評
円安や東南アジア諸国に対するビザの緩和政策などを背景に、今年7月には訪日外国人が前年同月比51%増の191万8000人(日本政府観光局〈JNTO〉発表)となり、単月として過去最高を記録。大阪府では2014年のホテルの稼働率が8割を超えたという (観光庁/「観光白書」)。原色の看板が連なる道頓堀などの観光スポットや、飲食店・商業施設が集中する大阪のミナミ(なんば・心斎橋エリア)も近年、訪日観光客の増加が著しい。
そんなミナミに2009年12月オープンし、当初は40~50代の男性ビジネス層が中心だった「水かけ茶屋」も、現在は外国人客が全体の約4割を占める。店長の近藤紘志氏は「2年ほど前に、韓国のSNSに店の情報が掲載されて拡散し、話題になったようです。今は外国人客の約8割が韓国人ですね」と、インバウンド対策が不可欠であることを実感する日々だ。
店がある「法善寺横丁」の一帯は、石畳の露地に約60軒の店が並ぶ飲食店街。高級業態も多いが、同店では一部を除いて税別300円均一で料理を提供。カウンターにはホタテ、エビなど定番の魚介、鮎などの月替わりの旬魚がずらりと並び、炉ばたで豪快に焼き上げ、大きなしゃもじで提供する姿も外国人客の注目を集めている。
英語メニューについてはオープン当初から用意していたが、こうした現状を考慮し、2015年4月にはあらためて韓国語版メニューも導入した。「英語版、韓国語版のメニューブックは、両方とも『ぐるなび外国語版』の当店のメニューページをプリントアウトしたものです。特に韓国人のお客様はツアーで来日する方も多く、20時以降の来店で2~3軒目使いをされ、平均滞在時間は30~40分と短めの方が多いです」(近藤氏)。外国語版のメニューブック作りに当たっては、これまでのオーダーの統計から「活ホタテ貝のバター焼」「焼鳥」などの人気料理を中心に絞り込み、外国人客のオーダーの効率化を図るとともに、席料(お通し)の説明や持ち込み禁止などの注意書きも翻訳して掲載した。さらに5月にはメニューブックと連動して、注文数を書き込むだけの二カ国語(韓国語・英語)のオーダーシートも作り、各テーブルに配置。これにより、注文まちがいなどのトラブルを防ぐとともに、スタッフのオペレーションの劇的な軽減にもつながった。
「特に外国語が堪能なスタッフがいなくても、システムさえ作れば店にもお客様にも、余裕が生まれることがわかりました。おかげで、短い滞在時間ながら、外国人のお客様も、隣の日本人客と一緒に記念撮影をするなど、大いに楽しんでいる様子です」と話す近藤氏。今後は外国語版のドリンクメニューも随時ブラッシュアップする予定だ。
大阪府大阪市中央区難波1-1-20
http://r.gnavi.co.jp/k020610/
インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2014年には1,341万人に達した。政府が掲げる2020年の2,000万人実現に向け、今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。
Information
受講無料 ぐるなび大学にてセミナー好評開催中!「インバウンド対策セミナー&外国語版メニュー登録・更新会」
ぐるなび大学では、外国人観光客の受け入れ準備のための講座として、「インバウンド対策セミナー& 外国語版メニュー登録・更新会」を全国各地で開催。第一部の「インバウンド対策セミナー」は、訪日外国人の状況、ぐるなび外国語版の活用方法のほか、「外国人を集客するために何が必要か?」「来店時に戸惑わないための準備とは?」といった基本を学べる内容。また、第二部の「外国語版メニュー登録・更新会」では、実際に店舗IDでログインし、インストラクターの案内のもと、その場でぐるなび外国語版のメニュー登録ができる内容になっている。
ぐるなび外国語版では、日本語入力で4言語でのメニュー表示が可能(ページ下部の囲み参照)。ぜひこのセミナーを活用し、今後のインバウンド受け入れ準備につなげていただきたい。
※参加無料。対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。
※詳細はWebもしくは電話でお問い合わせを。
- 問い合わせ先:ぐるなび大学事務局
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0120-41-9672
受付/平日10:00 ~18:00 -
エリアごとの開催日はこちらで確認!
http://daigaku.gnavi.co.jp
メニュー情報を多言語で発信可能に「ぐるなび外国語版」の「メニュー情報一元変換システム」で食材から調味料、調理方法までメニュー内容を発信!
「ぐるなび外国語版」では、2015年4月1日より多言語変換機能である「メニュー情報一元変換システム」を付与。1つの料理に対して、食材から調味料、調理法までを、オリジナルに開発した「メニュー辞書」によって、「ぐるなびPRO for 飲食店」の管理画面から日本語を選択するだけで多言語(現在は英語、韓国語、中国語の繁体字・簡体字の4言語)に変換可能に(9月14日からは単品のドリンクメニューも登録可能)。
飲食店が、正確に詳細なメニュー情報を多言語で発信することにより、外国人にとっては飲食店選択の幅が大きく広がり、飲食店にとっては新たな集客の柱として、年々増加する訪日外国人の取り込みにつながることが期待される。また、メニューページをプリントアウトすれば、そのまま店で「外国語のメニューブック」として使えるほか、タブレットがあれば来店客の目の前で操作してすぐ見せることもできる。
ぜひ「ぐるなび外国語版」の「メニュー情報一元変換システム」を、外国人へのアピールおよび受け入れに活かしていただきたい。内容の詳細は担当営業またはサポートセンターまでお問い合わせを。
ぐるなびPRO for 飲食店 URL
http://pro.gnavi.co.jp
ぐるなび外国語版 URL
https://gurunavi.com
ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking
「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の情報を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客のさらなる拡大を目指している。
サイトでは、日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。また、会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能となる。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧も促進している。