インバウンド獲得対策の今─ vol.33
アジアや欧米から年々増加する外国人に向け、温泉と瀬戸内の旬の食材で「旅の癒し」を提供
年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。
英語のメニューブックを作成。接客英語も朝礼時に反復
大小の島々が点在する美しい瀬戸内海を望む、絶好のロケーションが魅力の和食レストラン「海廊」。温泉施設と併設だが、平日はレストランのみでも利用が可能。竹林のアプローチや、長い畳の廊下、囲炉裏などの日本らしい情緒も喜ばれ、2013年のオープン時から年々外国人の来店が増えているという。
「店のすぐそばの宇野港は、四国へのフェリー航路のほか、現代アートで注目され、3年ごとに開催されている『瀬戸内国際芸術祭』の舞台である直島など、離島の島々への拠点となっています。そのため、当店にも韓国や中国、台湾などのアジア系、オーストラリア人ら外国人のお客様が来店されます。また、宇野港には、定期的に外国籍の大型クルーズ船も寄港します」と話すのは、マネージャーの片山徹氏。メニューは、瀬戸内の魚介を使った和食を基本に、ご当地飯をアレンジした「海廊風たまの温玉めし~穴子の天婦羅のせ~」など豊富に用意。日本人には、前菜・造里・炊き合わせ・天ぷらなどを彩りよく提供する「玉乃膳」(1700円)が一番人気だが、外国人には「海老と季節の天麩羅重」(1900円)や岡山のブランド豚や牛を使った「岡山ピーチポークのヒレ肉天婦羅ご膳」(1500円)、「牛めし重」(2000円)が人気だという。
オープン当初から料理名のみを記載した英語メニューブックは用意していたが、ぐるなびの自店舗の外国語版ページにメニューを登録し、プリントアウトして活用。現在はそれを基に、料理写真・食材の説明・調理法を明記した独自のメニューブックを作成した。また、ハワイのホテルに勤務歴がある支配人が、毎日の朝礼で接客英語を伝授。外国人客への対応を実践的にトレーニングしている。「大切なのは、伝えようという気持ちだと思います。積極的に声をかけ、料理や温泉のみならず、おもてなしの笑顔でも『日本に、玉野市に、来てよかった』と感じていただければ」と片山氏。今後は、帰り際に日本を思い出してもらえるようなお土産を渡すことも検討している。
岡山県の平成27年度外国人旅行者宿泊者数は16万人強!
下の表は、岡山県が県内の旅館・ホテルの協力を得て実施した、平成27年度の外国人旅行者宿泊者数に関する調査結果。総数は前年度より約40%増えて16万2,344人。国・地域別にみると、台湾、中国、韓国、香港の順に多く、このTOP4で全体の約64%。また、どこも昨年度より大幅に人数が増えているのがわかる。日帰りを含めれば、さらに多くの外国人が岡山を訪れているだろう。
出典:岡山県「外国人旅行者宿泊者数」
岡山県玉野市築港1-1-11
http://r.gnavi.co.jp/cn6hfgmm0000/
インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2014年には1,341万人に達し、2015年は1,973万人を記録。2016年3月30日には政府より、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人という目標が発表された。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。
訪日外国人向けワンストップガイドサービス「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」が誕生!
2016年4月13日にグランドオープンとなった「LIVE JAPAN(ライブジャパン) PERFECT GUIDE TOKYO」。これは、株式会社ぐるなびを含め、参画企業21社局(4月13日現在)が力を結集して、東京の“食”を含めた「施設ガイド」などの各種情報を提供する訪日外国人向けワンストップガイドサービス。
飲食店や商業施設は「ぐるなび外国語版」における「メニュー情報一元変換システム」のノウハウを活かした「ライブ情報多言語変換システム」を利用可能。食材の入荷や空席状況などの今日の情報を、簡単な操作で多言語化して発信が可能に。訪日外国人が必要とする情報を提供することで、集客のチャンスを拡大できる。
メニュー情報を多言語で発信可能に「ぐるなび外国語版」の「メニュー情報一元変換システム」で食材から調味料、調理方法までメニュー内容を発信!
ドリンクやコースも登録可能!
「ぐるなび外国語版」では、2015年4月1日より多言語変換機能である「メニュー情報一元変換システム」を付与。1つの料理に対して、食材から調味料、調理法までを、オリジナルに開発した「メニュー辞書」によって、「ぐるなびPRO for 飲食店」の管理画面から日本語を選択するだけで多言語(現在は英語、韓国語、中国語の繁体字・簡体字の4言語)に変換可能に(単品のドリンクメニューやコースメニューも登録可能)。
飲食店が、正確に詳細なメニュー情報を多言語で発信することにより、外国人にとっては飲食店選択の幅が大きく広がり、飲食店にとっては新たな集客の柱として、年々増加する訪日外国人の取り込みにつながることが期待される。また、メニューページをプリントアウトすれば、そのまま店で「外国語のメニューブック」として使えるほか、タブレットがあれば来店客の目の前で操作してすぐ見せることもできる。
ぜひ「ぐるなび外国語版」の「メニュー情報一元変換システム」を、外国人へのアピールおよび受け入れに活かしていただきたい。内容の詳細は担当営業またはサポートセンターまでお問い合わせを。
ぐるなびPRO for 飲食店 URL
http://pro.gnavi.co.jp
ぐるなび外国語版 URL
https://gurunavi.com
ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking
「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の情報を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客のさらなる拡大を目指している。
サイトでは、日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。また、会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能となる。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧も促進している。
http://fr.sushiandsake.net/(フランス語版)
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