飲食店の店内で隔離された小空間、トイレ。絶対に必要なスペースであり、老若男女が使用するトイレは、お店の姿勢やこだわりがストレートに反映されやすく、個性を出しやすい場所でもある。その一方で、トイレの印象が悪いと、料理や接客のよさがすべて吹き飛ぶ可能性も。大切なのは来店客が「快適さ」を感じることだろう。それを体現してる5店舗のトイレを取材した。
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本棚の奥の快適空間! 子連れファミリーも安心
【岡山・岡山市】カフェレストラン ネモ
JR岡山駅から車で約10分の住宅街にあり、「チキンピタカ」などが売りの「ネモ」。「隠れ家」や「楽しさ」をキーワードに店を始めたオーナーシェフの德森綾氏は、「料理がおいしいことは当たり前。居心地を含め、“楽しかった”記憶がリピートにつながる」と話す。
その工夫の1つが、親子一緒に入れるよう、奥行きも幅も広くとったトイレだ。授乳用の椅子や古木で作ったおむつ交換台を備え、小さな子供が使用しても周囲に水が飛び散らない大きめの洗面ボウルは、子供の背丈を考慮して低い位置に設置した。こうしたアイデアは「開店準備時、施工会社の方にも、私にも、1歳の娘がいたことがヒントになりました」と德森氏。おむつ台の脇には取り替えたおむつを持ち帰るための袋も用意し、乳幼児連れにも配慮している。
来店客の8割を女性が占めるため、内装はやわらかな色調で統一。照明にはシャンデリア、窓には英字新聞や北欧のキャラクターのシートをブラインド代わりに貼ることで、女性好みの、おしゃれな空間を演出する。また、最大のサプライズがトイレの扉。実は店内の本棚を兼ねており、棚の横にある取っ手を手前に引くと、トイレが現れる仕組みだ。
そのトイレの扉の前の座席近くにはブランコを吊るし、壁の横いっぱいに落書きOKの黒板を設けるなど、敬遠されがちな席に付加価値を付けている。「今ではこの席を指定されるお客様もいらっしゃいます」(德森氏)と評判で、誰かに伝えたい!と思わせる仕掛けは、瞬く間に口コミで広がり、今や来店動機にもつながっている。
各階でイメージがガラリと変わるコンセプチュアルなトイレ
【東京・池袋】お好み焼 もんじゃ 鉄板焼 なみ 池袋店
池袋駅に程近く、「海」や「ハワイ」を内装や外観のビジュアルテーマにした「なみ池袋店」。店内には海好きでハワイを愛するオーナーの一色真氏が集めてきた、ハワイを彷彿させる小物が溢れている。
トイレは2フロアに各1つあり、カップルや少人数のグループ客が多い1階は、「ハワイのラグジュアリーホテル」をイメージ。白で統一された空間は開放感があり、店内とは一線を画した雰囲気だ。生花のカサブランカを飾り、ランプや特注の浮輪のほか、ダミーのシャワーヘッドなど、遊び心を感じさせる小物も配され、センスある空間を作り出している。一方、団体客が多く、掘りごたつ式の座敷席が広がる地下1階のトイレは、「外国人が日本に建てた家」というフロアコンセプトを意識し、フロア同様、赤と黒を大胆に使った。特注の九谷焼のシンクやランプを置き、和モダンなスタイルになっている。
また、2つのトイレに共通しているのは、「なみ(波)」の音のBGM。店がオープンした20年以上前から採用しており、店内の音楽とは別に、トイレと階段には波の音を流している。「トイレと店内が近いと、音を気にされる方もいる。そのため、ボリュームをやや大きめにして、トイレの音消し効果も狙っています」と一色氏。「トイレを常時、清潔な空間として保てば、お客様にもきれいに使ってもらえます。オープン以来、トイレにこだわっているのはそのためでもあります」と語るように、並々ならぬこだわりのトイレは、そのまま店の意識の高さを写す鏡となっている。
小原真世 氏オーナー・一色氏の娘。ホールだけでなく、SNSなども担当。「女性目線で気持ちよく使えるトイレを意識し、営業時間中はトイレのチェックをマメに行っています」。
東京都豊島区南池袋2-24-3
http://r.gnavi.co.jp/gceu300/お好み焼などの料理とハワイアンテイストの空間が融合。海外からの来店客も多いが、日本ならではの空気を楽しんでもらおうと、英語メニューはあえて用意していない。
女性料理長が女性目線で演出。シンプルで快適なトイレを実現
【沖縄・名護】Ryukyu Dining 家守家 YAMORIYA
女性が来店客の7割を占め、リピーターが多い琉球創作ダイニング「家守家」。落ち着いた雰囲気や料理に加え、トイレの快適さも人気の要因の1つだ。オーナーの広瀬健吾氏は、「メインターゲットが女性なので、トイレは男女を分け、女性用パウダールームを広くしました」と語る。リゾートホテルでの勤務が長かった広瀬氏がイメージしたのは、シンプルさと快適さを兼ね備えたホテルのトイレ。だが、飲食店なので居心地が“よすぎる”のも違う――という想いを汲み、その空間づくりを担当しているのが、女性料理長だ。アメニティなどを女性目線で考え、季節やイベントに合わせた小物をディスプレイ。「僕では、あれもこれも置きたいとなるところを、必要最低限に留め、センスよく演出してくれます。女性のお客様から、『トイレが気持ちよい』という言葉をいただくこともありますよ」と広瀬氏。鍵がかかる部分を個室のみにしているのも、「個室は用足しの場」「化粧直しなどはパウダールーム」と分けることで、待ち時間短縮につなげている。トイレはあくまでシンプルに。驚きもない代わりに不満もなく、普通に入って、普通に出てくることが『快適さ』だと捉えている。
手洗い場がバスタブ&シャワー! 抜群の意外性で店を印象付け
【岡山・岡山市】caf+ Dining Bar
豪華な女性用パウダールーム。アメニティ・化粧用品も充実!
【沖縄・那覇】すみたけ/ラボラトリオ
1階と2階で業態が変わる個性的な「すみたけ/ラボラトリオ」は、トイレも斬新で革新的。店長の川浦大輔氏は、「以前、姉妹店でアメニティを充実させたところ、お客様に好評でした。当店ではもう一歩先をいき、女性が美しく輝くための空間として、パウダールームに力を入れました」と語る。東京のスパイスワークス社の協力もあって完成した空間は唯一無二。2階の「ラボラトリオ」には化粧台を2席設け、一般的なアメニティはもちろん、ヘアスタイリング剤からローション、クリーム、アイメイク用品、ドライヤーまで用意されている。アメニティ類や化粧用品は衛生面を重視して可能な範囲でアンケートの声にも応えており、女性スタッフも「これだけあればいいのでは」と大満足の充実度だ。
掃除は営業後に専門スタッフが毎日行い、開店前にあらためて備品をチェックする。「お客様にはトイレで気兼ねなく、ゆっくり身だしなみを整えていただきたいと思っています。席でトイレの話をしている声も耳に入りますし、私たちに『トイレ、すごいですね』と声をかけてくださる方も多いです」と川浦氏。トイレが店の個性を決定づけ、会話の糸口にもなっている。
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