折り鶴を教えるサービスでプラスαの印象づけ

福岡有数の繁華街・天神近くに立地する「百花繚乱」は現在、来店客の半数が外国人。オープンから韓国語のメニューブックを用意し、電話の英語応対などのロールプレイングも定期的に行ってきた。

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インバウンド獲得対策の今─ vol.44

厳選した九州産の食材で正統派の和食を提供。折り鶴を教えるサービスでプラスαの印象づけ

年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。

リニューアルした日本語メニューブック(写真上/奥)にあわせて、韓国語のメニューブックも写真を増やすなど現在リニューアル中

和食への認知が高まり、100名単位の団体客も獲得

福岡有数の繁華街・天神にほど近い場所に昨年6月オープンした「百花繚乱」。周辺は宿泊施設や雑貨店なども多く、昨今、外国人観光客が増えているエリアだ。経営母体は、OA機器の総合商社である株式会社トータルオフィスネットワーク。2年ほど前から宿泊・レンタカー・飲食を三本柱とするインバウンド事業を開始し、飲食では長崎・ハウステンボス内の「グランキャフェ」とともに「百花繚乱」を運営。営業統括の田代孝信氏は「この1年で急激に利用者数が増えた」実感を得ている。

外国人の集客がメインながらも「日本人で賑わう店こそ、外国人には魅力的なはず」と田代氏。「食材には契約農家の野菜、長崎県産の特別栽培米、大分県産の「白水鉱泉」の水など、九州を意識し、ホテルや料亭で修業を重ねた料理長が“正統派の和食”を提供しています。現在、来店客の半数が外国人のお客様です」。

博多港と韓国・釜山は定期船の航路が結ばれているため、オープン時から韓国語のメニューブックを用意し、電話予約の英語応対などのロールプレイングも定期的に行ってきた。「近年は和食の認知がより高まっており、韓国の方は日本酒を非常に好むなど、オーダースタイルは日本人と変わりません」と田代氏。人気は「博多もつ鍋」(一人前1200円)をはじめ、「特製神唐揚げ」などの肉料理、「明太子出し巻き」「焼鯖寿司」などで、中華圏のアッパー層は日本人よりも高単価だという。

販促面では、中国と韓国を合わせて15の旅行会社と提携。日常的に外国人が来店し、時には100名単位の貸切宴会もある。「中国からのお客様はSNSを、韓国のお客様は紙媒体を見ての来店が多いと感じます。また、『ぐるなび外国語版』にも全メニューを掲載し、来店の導線づくりを強化しています」。それに伴い、クレジットカードはもちろん、銀聯(ぎんれん)カードにも対応。要望があればWi-Fiのパスワードを教えるなど、外国語が堪能な3名のスタッフを中心に質の高い接客を心がけている。

さらに外国人客には、サービスで何かしら一品を提供したり、時間が許す範囲でスタッフが折り鶴を教えながら店を選んだ理由を聞き取りするなど、積極的にコミュニケーションを図り、飲食プラスαの“心に残る店”であることに努めている。

スタッフが一丸となり、外国語でのスムーズな接客対応、心に残るおもてなしを実践。写真左から海外事業部営業・李 恵氏、マネージャー・徳永真理氏、女将・廣松由美子氏、 田代氏)
外国人客には折り紙の鶴をプレゼント。デザートの時間などに折り方を教えることも
和食情緒食事処 百花繚乱(福岡・今泉)
福岡県福岡市中央区今泉1-4-11
https://r.gnavi.co.jp/he4jw7jg0000/
西鉄薬院駅から徒歩5分。古民家風の趣ある路面店で、九州産の米や野菜など食材にこだわった正統派の和食が好評。訪日外国人観光客や地元のビジネス層の宴会や接待など、幅広い層が訪れる。
株式会社 トータルオフィスネットワーク執行役員 海外事業部 営業統括田代 孝信 氏
4年前にアパレル業界から転身。海外事業部が展開するインバウンド事業の一環として、飲食店を2店舗運営する。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2015年には1,973万人に達し、2016年は過去最高の2,403万9,000人を記録した。政府が2016年3月に発表した目標数は、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。

訪日外国人観光客の人気を集めた飲食店や観光スポットをランキング形式で発表

「LIVE JAPAN」サイト開設1周年を記念し、東京メトロ新宿駅で「LIVE JAPAN Awards 2017」を開催!

各部門のランキング第1位に輝いた飲食店やサービスの代表者と、プレゼンターの厚切りジェイソン氏(中央)

2017年4月13日、訪日外国人向けワンストップガイドサービス「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」(以下、LIVE JAPAN)がサイトの開設1周年を迎えたのを記念し、東京メトロ新宿駅のメトロプロムナードで「LIVE JAPAN Awards2017」が開催。会場には多くの報道陣が詰めかけ、熱気に包まれた。

「LIVE JAPAN」は、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)、東京急行電鉄株式会社、株式会社ぐるなびの事務局企業3社を含めた27社局が参画するワンストップ型観光情報サイト。飲食店・観光名所・季節のイベントや道案内などの情報を8言語で提供し、外国人観光客の利便性向上を図っている。

「LIVE JAPAN Awards 2017」では、外国人ユーザーによるアクセスを分析し、「グルメ部門」や「体験部門」など、5つの部門で閲覧数の多い店舗やサービスなどをランキング形式で発表。プレゼンターにはIT関連会社役員でお笑いタレントの厚切りジェイソン氏が起用され、実際に端末を操作しながら「『LIVE JAPAN』は検索の目的以外にも、使うたびに新しい発見があり楽しいですね。おすすめはやっぱりグルメで、日本のおいしい飲食店を食べ歩いて、味を比較してほしい」とコメント。その後、各部門第1位の店舗に厚切りジェイソン氏から記念の盾が手渡された。

グルメ部門では、“飲食と体験”を結びつけた「マグロの解体ショー」が特に人気の「板前寿司 新宿東宝ビル店」が第1位を獲得。経営母体である株式会社 板前寿司ジャパンの近藤 誠氏は「本マグロの中落ちを自ら掻き出して食べる、無料の中落ち丼が外国人にも大好評。見て、食べて、楽しめる『体験』が喜ばれた」と受賞の喜びを述べ、今後も「LIVE JAPAN」のLIVE情報を活用し、日本の食の魅力を広くアピールしていくと語った。

除幕の後、メトロプロムナード(東京メトロ新宿駅)に5部門の人気ランキングが期間限定で展示された
グルメ部門第1位の「板前寿司 新宿東宝ビル店」(新宿)には、記念の盾が渡された

■各部門の第1位

ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking

「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の情報を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客のさらなる拡大を目指している。

サイトでは、日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。また、会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能となる。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧も促進している。

フランス語版トップページ

http://fr.sushiandsake.net/(フランス語版)
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http://hk.sushiandsake.net/(香港版)
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