すべてのメニュー名を外国語に翻訳し、歓迎姿勢をアピール

金沢の近江町市場内にある「旬彩和食 口福」では、徹底的に「外国人のお客様歓迎」をアピールし、メニューはすべて翻訳。土・日曜日・祝日は外国人を含む観光客のほうが多く来店している。

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インバウンド獲得対策の今─ vol.46

すべてのメニュー名を外国語に翻訳! 外国人歓迎の姿勢を店外でもアピール

年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。

「外国語メニュー」があることを示すステッカー。店の入口周辺に貼っており、外国人客の不安要素のひとつを解消

一部のメニューは食べ方を外国語でも表記して好評

170ほどの海産物店・青果店・飲食店などが軒を連ね賑わう、金沢の近江町市場。以前から人気の観光地だが、2015年春の北陸新幹線開業にともない、外国人観光客も急増している。

「旬彩和食 口福」が店を構えるのは、2009年4月、市場内にオープンした「近江町いちば館」だ。「市場は“店の冷蔵庫”のようなものですね。飲食店激戦区で、多くの店が『海鮮丼』を売りにするなか、技術が身上の『日本料理』で勝負しています」と話すのは、店主の中里 知氏。中里氏は2007年、石川県知事 顕功賞(石川県名工)を受賞。その卓越した調理技術を活かし、会席料理、フグ、天ぷら、郷土料理、カニのシーズンには各種カニ料理など豊富なメニューを提供する。「外国人のお客様はウニ、うなぎ、トロなどの高級食材を好む傾向にありますね。グループ内に魚や生ものが苦手な方がいても、全員が満足できるようなメニュー構成です」と中里氏。また、外国人のリクエストの多さから、近年は寿司も追加した。

同店では2014年頃から、徹底的に「外国人のお客様歓迎」をアピールしてきた。中国の旅行雑誌などに広告を出すほか、メニューブックは「ぐるなび外国語版」を活用。「おすすめメニュー」やドリンクなどもすべて外国語に変換してプリントアウトし、店内で使用している。特に看板料理の「海鮮ひつまぶし御膳」(2592円)、「釡めし御膳」などは、食べ方の手順も翻訳しており、好評だ。「現在、地元の大学に通う留学生の中国人スタッフが8名います。ランチもディナーも必ず1名は店に出ていますし、翻訳も手伝ってくれて助かります」(中里氏)。

店頭では、クレジットカードや銀聯カードが使えること、Wi-Fiが利用できることを掲示し、二次元バーコードを読み取ることで、店内でも自身のスマホやタブレット端末で外国語メニュー(5カ国語)を見られることも説明し、気軽な来店を促している。

現在、平日は地元客が7~8割だが、土・日曜日・祝日は外国人を含む観光客のほうが多くなり、旅行期間中に複数回来店する外国人もいるという。「中国からのお客様を中心に、時には席の8割が外国人で埋まることがあり、今年は欧米の観光客も増えています。母国に帰ったときに『いい店があった』と話してほしいですね」と中里氏。今後も“感動が続く店”づくりを追求していく。

「旬彩和食 口福」の 店頭地上5階・地下1階建ての商業ビル「近江町いちば館」2Fに入る
横断幕には、英語と中国語で「近江町へようこそ」と大きく記す
入口のスタンドでは、公式HPの案内や銀聯カードが使えることをアピール
公式HPの案内は、英語・フランス語・中国語で表記。店の前でチェックする外国人も多い
「消費税8%」「他店で購入した飲食物不可」などの注意事項を貼付し、トラブルを回避
アワビが入る「口福 海鮮丼スペシャル(3,240円)」は人気メニューのひとつ
「ぐるなび外国語版」のメニューページをプリントアウトしたメニューブックは3カ語を用意
メニューはすべて翻訳。人気の「海鮮ひつまぶし御膳」は食べ方も翻訳し(写真右)、オペレーションが向上した
旬彩和食 口福(石川・金沢)
石川県金沢市青草町88 近江町いちば館2F
https://r.gnavi.co.jp/r179100/

JR金沢駅からバスで約3分。近江町市場内の商業ビル2Fに店を構え、旬の食材で正統派の和食を提供。テーブル席のほか、掘りごたつ席を備え、観光客はもちろん、会食・接待の利用も多い。
店主 中里 知 氏
横浜市出身。うなぎ料理店のほか、フグ・天ぷら割烹などで研鑽を重ね、食材と人のよさに惚れこんだ金沢で起業。2007年に石川県知事 顕功賞(石川県名工)を受賞。調理師学校の講師として若手育成にも尽力する。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2015年には1,973万人に達し、2016年は過去最高の2,403万9,000人を記録した。政府が2016年3月に発表した目標数は、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。

注意事項や会話集をプリントアウト!「おもてなしツール」で外国人とのコミュニケーションを円滑に

「お通し」について説明したもの
(注意事項内の1ページ)

ぐるなびでは、外国人客との円滑なコミュニケーションをサポートする、「おもてなしツール」を用意している。これは、外国人客の来店時に、飲食店と外国人客の双方がストレスなく接することができるように、店に関する注意事項や会話集をまとめたもの。注意事項は、「お通し」「クレジットカード」「禁煙・喫煙」などに関する37の項目をピックアップ。プリントアウトして来店客に渡したり、壁に貼って使用できる。一方、会話集は、注文前から会計時まで想定される簡単な会話をそろえ、こちらもプリントアウトして使用することで「指差し会話集」として使える。「おもてなしツール」は「ぐるなびPRO for 飲食店」(要ログイン)の管理画面「外国語ページ編集」からダウンロードできるので、ぜひ活用したい。

ぐるなびPRO for 飲食店
http://pro.gnavi.co.jp

施設情報から口コミまで、ワンストップでの情報提供がさらに充実!6月12日より、「LIVE JAPAN」の施設紹介ページにトリップアドバイザーの口コミを表示!

LIVE JAPAN
URLhttp://livejapan.com

「LIVE JAPAN(ライブジャパン)PERFECT GUIDE TOKYO」(以下、LIVE JAPAN)は、株式会社ぐるなびを含めた参画企業27社局が力を結集して、東京の“食”を含めた各種情報を提供する訪日外国人向けワンストップサービス。そのLIVE JAPANでは、世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」と連携し、LIVEJAPANの施設紹介(飲食店を含む)ページに、トリップアドバイザーの口コミ(5言語対応)が表示されるサービスを6月12日(月)よりスタートした(対象施設は約2,800施設)。

観光庁が2017年3月に発表した「平成28年訪日外国人消費動向調査」によると、訪日外国人は個人のブログをはじめ、口コミなど、旅行前の観光場所探しにインターネットを利用しており、特にトリップアドバイザーが重要な情報源としてあげられている。LIVE JAPANは今後も新たなサービスを導入することで、ワンストップで提供する情報をさらに充実させ、訪日外国人にとって利便性の高いサイト運営に努めていく。

ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking

「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の情報を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客のさらなる拡大を目指している。

サイトでは、日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。また、会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能となる。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧も促進している。

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※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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