更新日:2025.2.7
インバウンドのプロフェッショナルに聞く、これからの訪日外国人
インバウンド(訪日外国人)の勢いが止まらない! マーケットは都市から地方へ、モノからコトヘと広がりながら、ますます拡大する見通しだ。好調が続くインバウンドの現況と今後を展望し、すぐに始められる対応を考察する。
https://www.yamatogokoro.jp
“打てば響く”、好調マーケット。日本の食への期待値も高い!
極めて順調な伸び率。国や自治体の施策も活発
株式会社やまとごころ代表取締役・インバウンド戦略アドバイザーの村山慶輔氏は、「打てば響くマーケット、それがインバウンド」と断言する。国が施策を打つと、それに反応して、着実に成果が表れてきた。実際、ビザの緩和、免税品目の拡大、LCCやクルーズ船など交通インフラの整備、海外での活発なプロモーションなどの政策が、市場を刺激してきたのだ。
しかも、こうした施策は地方にも波及。多くの自治体が予算をつけて外国人客の誘致に乗り出しており、今後の成長に大きな期待がかかっている。
2020年以降も伸び、国内旅行消費額を上回る
「2040年には、消費額でも外国人が日本人を抜くかもしれません」と村山氏。インバウンドが、飲食店としても無視できない規模に成長していることは明白で、日本の人口が減少していることを考えればなおさらだ。
では、なぜインバウンド市場はこんなに拡大すると考えられているのだろう。「それは海外旅行が世界のトレンドだからです」と村山氏。実際、世界中の人々が積極的に海外旅行に出かけていることを表すデータがある。国連世界観光機関(UNWTO)の調査では、2010年の海外旅行者数が9.4億人だったのに対し、2020年には14億人、2030年には18億人になると予想。なかでも特筆すべきは、中国、香港、韓国、台湾などアジアからの出国者数の増加。村山氏は「所得水準の上昇にともなって、アジアの人たちの海外旅行ニーズの伸びが顕著です。地理的に近い日本が選ばれやすく、日本の観光政策も功を奏して、訪日というアクションにつながっています」と分析する。
確かに、現在の訪日客の8割はアジアからだ。直近では韓国が前年比40%増と高い伸び率を見せる。一方、アジア以外の地域について村山氏は、「欧米やオーストラリアには伸び代があります。観光庁も国別に推進室を作り、予算とともに体制を整えていますから、今後のインバウンドの重要なポイントとなるでしょう」と指摘する。
リピーターは6割を維持。地方の飲食店にも注目!
現在、訪日外国人のリピーターは6割。政府は、人数の増加とともにリピーター6割の維持も目標に掲げる。「リピーターを継続的に獲得していくと、様々な変化が起きます」と村山氏。例えば買い物は、おみやげの爆買いから自分が日常的に使うものが好まれるようになり、購入品目が拡大する。そのため、有名百貨店だけでなく、様々な小売店へも足を運ぶように。行き先や宿も多様化し、都市部の高級ホテルだけでなく、地方での民泊や農泊(農家の宿)など、体験的な要素も多くなる。
さらに、食へのニーズも拡大するという。「1日3回の食事は、旅の関心として必然的に上位にきます。特に日本食はヘルシーで高級というイメージがあり、日本食を食べることへの期待値は高い」と村山氏。「和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたこと、世界のトップシェフが、旨みや発酵など和食の技法を学び、取り入れていることも、外国人の和食人気の要因の1つでしょう。なかでも寿司は強い」(村山氏)。日本の寿司職人を追った米国のドキュメンタリー映画「二郎は鮨の夢を見る」も、寿司人気に拍車をかけている。
「和食だけでなく、フレンチやB級グルメへの評価が高いのも、日本の特徴」と村山氏は言う。さらに、食材や日本酒への視線も熱く、「東北のアワビの価格が、香港のレストランでは日本の20倍以上することも。日本酒では『獺祭』や『十四代』など、海外で注目されているブランドも多数あります」(村山氏)。こうした日本の食への注目が、訪日を後押ししている。
「外国人目線」の店づくりを前向きに!
外国人の来店しやすさが飲食店の可能性を広げる
インバウンド市場において、日本の食が占める役割が小さくないのと同様に、飲食店にとっても、インバウンドは一過性ではなく、中長期的な成長が見込める市場だ。「地方の個店にもビジネスチャンスがあります。今後の店づくりで“外国人の来店しやすさ”も意識することで、店の可能性を広げることができる」と村山氏。リピーターほど宿代などを節約し、食事や体験型アクティビティにつぎ込むという。
なかでも特に注目度が高いのが、「目の前で料理を作る」スタイル。「外国人は、修業を積んだ職人が、眼前で自分のために作る料理に価値を感じる傾向が強い」(村山氏)。同時に、お好み焼や焼肉など、自分で作る業態の人気も根強い。ともに日本的な食体験の典型として、念頭に置いておきたい。
集客と接客の2本柱で外国人にアプローチ
では、外国人へのアプローチをゼロから始める方法を、村山氏の話をもとに紹介する。「店を外国人に知ってもらう集客の方法」と、「来店した外国人への接し方」の2本柱で考えるとわかりやすい。まず、集客については、それぞれの国の人が、母国でも海外でも利用するであろうサイトやアプリをチェックすることが「最初の接点」として重要だ。世界最大の旅行サイト・トリップアドバイザーをはじめ、各国の主要なグルメサイトやSNSでは、飲食店や料理がどう紹介されているかを確認し、露出の方法を考えるとよい。
一方、母国を出発する前に予約が入る飲食店は一部に限られるはずで、訪日外国人の多くは、来日してから飲食店を探すのが一般的。彼らが探すタイミングで、自店が候補となる方法を見極めることが大事だ。例えば、外国人が利用するホテルのスタッフやコンシェルジュ。彼らに店を知ってもらい、紹介してもらったり、外国人がよく見るサイトや冊子などで露出することなども効果的だ。
さらに、“接近戦”として、店頭を上手に使うことを考えよう。英語や中国語、韓国語で「外国語メニューブックあります」などと貼り出すだけでも、効果はてきめん。すぐにできるし、あまりお金もかからないのでおすすめだ。
口コミを増やすには、「外国人目線」が不可欠
2本目の柱である「来店した外国人への対応」では、店のファンになってもらい、よい口コミを発信してもらうことが大切だ。そのカギは「外国人目線」。料理がおいしいのは大前提。そのうえで、外国人にとってトラブルになりそうなこと、例えば「お通し」は最初に説明をして、クレームを避ける工夫をしたい。テーブルチャージは海外にもあるので、きちんと説明すれば納得してもらえるはずだ。
同時に、「口コミしやすい場面」を意識的に提供するのもひとつの方策。大盛りの丼、提供時のパフォーマンスなど、外国人目線でシャッターチャンスを演出しよう。ちなみに、一般的にホールスタッフよりも、調理場の職人との記念撮影のほうが、外国人にはより好まれることが多いようだ。
さらに“自慢できる体験”の提供も一考の価値がある。村山氏が例にあげたのは、握り寿司体験の「うめもり寿司学校」(京都、奈良)と、うどん打ち体験の「中野うどん学校」(香川)。両校とも「卒業証書」を授与するところがポイントで、“自慢できる楽しい体験の証”として、写真が拡散されている。また、口コミの拡散に関して意外に効果的なのが、「素直にお願いする」こと。躊躇してしまうかもしれないが、満足感が高ければ気軽に応じてくれる外国人は少なくないので試してみよう。
そのほか「言葉の問題」は、外国語メニューブックなどがあれば、片言でも大丈夫。よほどの高級店でない限り、日本人が思うほど語学能力は期待されていない。ただ、今後はベジタリアンやムスリムらに対し、どこまで対応できるのかを正確に伝えるツールは必要性が増してくるだろう。逆に言えば、対応力のある店が選ばれやすくなるということだ。また、発信の手段として、動画でのアピールも視野に入れよう。WiFiのほか、クレジットカード対応などのキャッシュレス環境の整備も大切。自治体によっては補助金制度もあるので、これらも利用して体制を整えることをおすすめしたい。
最後に、村山氏は「外国人対応は面倒なことも多いのですが、やめてしまうと大きな市場を自ら逃すことになりかねません。外国人スタッフがいる店も多くなっていますから、まずは従業員の母国に関心を持ち、受け入れ方法を前向きに考えていくことが大切」と呼びかける。そうした足元からの国際交流が、知識や経験の蓄積となり、将来的に海外進出を目指すのであれば、その足がかりとなる可能性は大きい。インバウンドは、世界と未来につながる魅力的な市場なのである。
ぐるなび活用術「楽天ぐるなび外国語版」
日本語選択のみで、簡単に外国人用メニューブックを作れる!
インバウンド市場の拡大を受け、外国人ユーザーのさらなる利便性向上を目的として、「楽天ぐるなび外国語版」を2024年9月2日にリニューアル。訪日外国人が普段から自国で親しんでいるサイトを分析し、日本で“間違いない店”を、手間をかけずに知りたいという外国人のニーズに応えるため、見やすさや使い勝手を反映したつくりになっている。
外国人ユーザーには飲食店検索サイトとして、飲食店にとっては外国人客が来店した際にメニューブックの代わりになる。日本語で入力したメニューが4言語(英語・韓国語・中国語簡体字・中国語繫体字)に自動翻訳される。
「ぐるなび外国語版 ネット予約」の2大ポイント
事前決済型予約なので、ノーショー(無断キャンセル)のリスク回避
予約の際は事前決済となるため、近年問題になっている「ノーショー(無断キャンセル)」のリスクを回避。予約客が当日無断で来店しなくても、キャンセル料として事前に設定したコース料金が店舗へ支払われる。
ぐるなびが提携する、大手海外旅行サイトへも掲載
「ぐるなび外国語版ネット予約」を申し込んだ店舗は、中国や台湾などの、ぐるなびが提携する大手海外サイトへの掲載により、様々な媒体からの集客も期待できる。※各提携先サイトにて事前確認があり、審査を通過した店舗のみ掲載
受講無料!ぐるなび大学「オンライン対策セミナー」好評開催中!
訪日外国人の集客・対応策が基本からわかる!
ぐるなび大学では、外国人観光客の受け入れ準備のための講座として、「インバウンド対策セミナー」をオンラインで開催。「インバウンド対策セミナー」は、訪日外国人の状況、「ぐるなび外国語版」の活用方法のほか、「外国人を集客するために何が必要か?」「来店時に戸惑わないための準備とは?」といった基本を学べる内容。このセミナーを活用し、今後の訪日外国人受け入れ体制の充実を。
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【訪日外国人】集客・対応事例
CASE:1 外国人用セットメニューで客単価&満足度アップ!
【東京・新宿】 慶 -KEI-
接客は日本人同様に「当たり前の対応」で迎える
「和牛の高級感」や「自分で焼く」スタイルで、訪日外国人に根強い人気がある日本の焼肉店。新宿駅近くの「慶」も、店頭に外国語メニューブックを置き、「LIVEJAPAN」などでもアピールして多くの外国人客を獲得している。その半数は中国人で、SNSや友人の勧めで店を知り、「『慶』に行きたいから、新宿に宿をとった」という人もいる。リピーターも多く、来日のたびに足を運ぶファンも少なくない。
「外国人のお客様が目立つようになったのは10年ほど前から」と話すのは、専務の木島秀明氏。近隣に新たな商業施設ができ、店の前を通る外国人が増加。また近くのホテルに紹介されて来店する外国人も増えてきた。そこで、木島氏が考えたのが、外国人向けのセットメニューだった。「日本人と違って、海外の方は“1人ずつ”のニーズが高い。そこで、ご飯・サラダ・キムチ・肉をセットにし、肉の追加オーダーもできる基本スタイルを作りました」(木島氏)。また、英語と中国語のメニューブックも作成。最初は文字のみでセットメニューも3種だったが、まもなく写真を入れ、「慶セット」など様々なメニューを追加して、選択肢を充実させていった。それが「わかりやすく、味や量も満足」と好評を博し、メニューブックや肉の画像がSNSで拡散。画像をスタッフに示してオーダーする人もいて、客単価もアップした。
一方、接客では「日本人と同じように、普段と同じサービスでもてなすことを徹底しています」と木島氏。笑顔で迎え、必ず席まで案内すること、ドリンクは1人ひとりにきちんとサーブすること、オーダーミスを防ぐために外国語メニューブックを指差して復唱することなどを欠かさず、楽しい時間の提供を心がけている。「日本の文化とは違うので、困ることもありますが、今では外国人客は欠かせない存在です。滞在時間が短いこと、日本人のピークと重ならないことが多いのも大きなメリット」と木島氏。今後も、絆や縁を大切に、集客に力を入れていく。
東京都渋谷区代々木2-6-8 B1
https://r.gnavi.co.jp/e656200/
新宿駅南口から徒歩約1分の好立地にある、創業30年の焼肉店。国産和牛のみをリーズナブルに提供し、ランチや宴会の利用で好評。周辺にはホテルやオフィスも多く、ビジネス層はもちろん、観光客からも人気。
【訪日外国人】集客・対応事例
CASE:2 海外へ積極的に情報発信! 「わざわざ来てもらえる店」に
【大阪・難波】鶏ダイニング 月のおどり
トリップアドバイザーの活用も集客増へ直結!
飲食店が密集する大阪・道頓堀のビル2階に、2011年オープンした「鶏ダイニング 月のおどり」。オーナーシェフの徳永高弘氏は「当時は今ほど海外の方はいなかったのですが、ここ数年は日本人を探すのが難しいくらい」と、インバウンドの爆発的な伸びを語る。それに応じて3年ほど前から始めたのが、Facebookでの情報発信だ。日本語だけではなく、英語でも発信し、トリップアドバイザーの活用にも注力。「繁華街とはいえ、店へ続く階段への間口が狭く、2階なので場所がわかりにくい。それまでほとんど海外からのお客様はいなかったのですが、ほどなくして増え始め、今では全体の8割を占めるまでになりました」(徳永氏)。海外からの観光客が多いシーズンには1日平均3~4組の予約がFacebookから入ることもある。国籍は様々で、「NOPORK」のほか、ムスリム用食材の使用を打ち出していることから、1年を通じてムスリムの来店もある。
外国語メニューブックは、英語・中国語・韓国語をまとめたものと、ムスリム用の2種を作成。また、それとは別に、人気の焼鳥とアラカルトをまとめた「焼鳥ベスト5」「フードメニューベスト7」シートも準備した。「注文までに20分以上じっくりと考える方もいましたが、おすすめシートによって注文までの時間が短縮されました」と徳永氏。接客面では、スタッフの約半数は英語を話せるものの、いつでも誰でも対応できるよう、手のひらサイズの翻訳機も導入。できるだけコミュニケーションを取り、店の印象アップにつなげている。
そのほか、入口脇の壁には世界地図を貼り、どこから来たのかを書いてもらったり、季節に応じた装飾をしたり、会話のきっかけになる工夫が盛りだくさん。「祝箸」もそのひとつで、これは以前、海外から来店したファミリーの子供にプレゼントした時に喜ばれたのを機に取り入れたものだ。今後はさらに満足度を高めるため、人気メニューで構成したコースの開発を予定している。
大阪府大阪市中央区道頓堀1-1-11 24Kビル2F
徳永氏の祖父が80年前に創業した焼鳥店の味を継承。高知県や兵庫県産の朝引き鶏を使った焼鳥が好評で、なかでも、祖父の代から提供する名物「ずり(砂肝)」は1本162円から提供。宴会は最大70 名まで対応する。
【訪日外国人】集客・対応事例
CASE:3 アジア・欧米系のほか、ムスリムの集客にも成功!
【岡山・岡山市北区】しゃぶしゃぶ すきやきひとり鍋 恵(めぐ)
常にニーズをキャッチし、外国人の集客に尽力
1人に1つずつ鍋をセットするスタイルでしゃぶしゃぶとすき焼きを提供する「恵」。オーナーの藤田瑞恵氏は、同業態の前店舗に勤務していた頃からインバウンドへの意識が高く、情報収集を重ね、出店を決めた直後からムスリム対応の体制も整えていった。そして、オープン1カ月後には「ピーチマークⅠ」認証を取得。これは、ムスリム対応について岡山県3自治体(岡山市・吉備中央町・真庭市)が独自の基準を設けたもので、ムスリム観光客に対応できるレベルを満たす場合、2段階(ピーチマークⅠ・Ⅱ)でマークを表示できるというものだ。
実際に来店する外国人は、アジア圏が中心。岡山市が招いた台湾のブロガーの来店と、そのSNSでの発信などを機に、客足は少しずつ伸びている。「当店に来る外国人は和牛が目的。黒豚も売りですが、『ノーポーク』とおっしゃる方も多いです」と、藤田氏。和牛は地元産のブランドの千屋(ちや)牛のほか、近江牛やスペシャルビーフとして佐賀牛を用意。9割がコースを利用し、日本人はほぼ予約を入れるのに対し、外国人のほとんどがフリー客だという。
「会話は簡単な英語ですが、メニューを選んでもらう際は『ぐるなび外国語版』で作成したメニューブックが伝わりやすく、役立っています。アジアからのお客様は濃い味を好む方が多いので、しゃぶしゃぶよりも断然、すき焼きが人気です」(藤田氏)。また、ムスリムへの対応としてハラル認証の牛肉や調味料も用意。オーストラリア・アンガスビーフのハラル認証ビーフを常備し、最近リクエストが増えたという神戸牛の仕入れルートも開拓。ただし、ハラル認証の神戸牛は入手できるタイミングが不確定のため、予約制を取っている。
「ハラル対応は大変ですが、100%でなくても十分対応できます。意外とハードルは高くないと感じています」と、藤田氏。次なる夢は海外出店。今、すべての経験が、その予行演習になっている。
岡山県岡山市北区天神町2-1 天神町ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/1fwfzek00000/
文教エリアの"城下"に2017年6月オープン。客層は40代以上が中心で男女比は半々、客単価は5,000円。カウンター5席、個室4部屋があり、外国人には個室が人気だ。近隣に病院も多く、接待や宴会にも重宝されている。
【訪日外国人】集客・対応事例
CASE:4 日本文化の“体験”も好評! 心に残る旅の思い出作り
【沖縄・那覇】炙るチェリチェリ
外国人のニーズを見極め、ランチをスタート!
沖縄随一の繁華街・国際通りに近い、「炙るチェリチェリ」。築60年超の古民家を改装し、沖縄食材を活かした“炙りメニュー”を提供しており、観光客はもちろん、地元客も多い人気店だ。「外国人客は、ここ1~2年で急激に増えました。近くのクルーズターミナルには毎週のように、韓国や台湾などからクルーズ船が来ますし、LCCの便数も多くなりましたね」と、語るのは代表の本多毅氏。「来店客の2割が外国人のお客様。中国人は大人数で来店し、注文は1人1皿とお水という食堂使い。韓国人は少人数で来店して、1皿とワンドリンクで、はしご酒を楽しむ。台湾人や香港人は前菜やメインなどを満遍なく頼む、というようにオーダーの傾向もわかってきました」(本多氏)。
沖縄料理と風情のある店構えに加え、日本らしさを体験できると好評なのが、絵馬だ。これはもともと、来店の思い出を書き込んでもらおうと、ノートの代わりになるものを考えていたときにひらめいたもので、「絵馬、書きたいです」のリクエストでグループに1枚提供。内装のコンセプトが「寺社仏閣」である同店にぴったりとSNSでも拡散され、リピーター獲得につながっているという。
そして、何よりも同店を訪れる楽しみは、コミュニケーションにある。「外国に行ったときは、現地の人との交流が特に楽しく、それが旅の印象を大きく左右します」と、本多氏。それを踏まえ、接客ではスタッフが空気を読みつつ積極的に話しかけ、時には外国人客と日本人客が一緒に飲めるように水を向けることも。「僕は沖縄代表、日本代表のつもり。この仕事は飲食業ではなく、観光業だと思っています。近くに連泊する外国人が毎晩来てくれることもよくありますよ」(本多氏)。
オープン以来、営業は夜のみだったが、外国人をはじめ、昼にふらっとやってくる人が少なくないことから、今年4月からはランチもスタート。メニューは「沖縄まぜめん」のみに絞り、沖縄そばの新ジャンル確立を狙っている。
沖縄県那覇市久茂地3-8-19
https://r.gnavi.co.jp/f384800/
観光客でにぎわう国際通りと、オフィスビルが建ち並ぶ国道58号の間の、飲食店が多い繁華街。周辺では古民家を改装した店舗は非常に珍しく、神社仏閣が内装のコンセプトとなっている。海外の口コミサイトでも高い人気。
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