2020/09/15 特集

「SNS」をフル活用! 投稿のクオリティを上げ顧客をつかむ

新型コロナの収束がなかなか見通せない中、店の変化をスピーディにお客に伝えるため、また新たな客層を獲得するために、SNS は欠かせないツールの1つとなっている。そこで、SNS の効果的な運用術を紹介する。

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今回、話を聞いたのは…株式会社ROC 代表取締役CEO 坂本翔氏
神戸市出身。23歳のとき、兵庫県内最年少の行政書士として起業。士業の認知度向上を目的としたイベントを主催した際、SNSを使い費用をかけずに集客したことをきっかけに、SNSコンサルティング事業を創業。現在は、SNSプロモーション事業や、Instagramの運用を効率化するツール「Reposta(レポスタ)」を提供する株式会社ROCの代表として、さまざまな業界のSNS施策をサポート。また、SNSに詳しいITジャーナリストとしても活動。著書に「Instagramでビジネスを変える最強の思考法」(技術評論社)などがある。

【なぜ今、SNSを使うべきなのか?】コロナ禍で利用時間が増加! 広く効果的に情報発信できる

飲食店は、特にインスタとLINEに注力するべき

 新型コロナウイルス感染症の影響で客数や売上が落ち込む中、これまで以上に顧客へのアピールに力を入れたいと考える飲食店は少なくないだろう。そこで活用したいのが、効果的に情報発信ができるSNSだ。SNSの運用支援やコンサルティングを行う株式会社ROC代表取締役CEOの坂本翔氏によると、「ここ数年で、SNSは世代を問わず多くの人の生活に浸透してきましたが、リモートワークなどが増え、外出する人が減っている現状においては、さらに利用時間が増加傾向にあります」と話す。

 そもそもSNSとは、「Social Networking Service」の略で、インターネット上で利用者同士が交流できるサービス。中でも代表的なものが、Facebook、Instagram、Twitter、そしてLINEだ。

■日本のSNS利用者数ランキング

各SNSの利用者数はすべて、月間アクティブ利用者数(MAU)を記載。MAU は、そのサービスを月に一度以上利用する人の数 ※株式会社ROC調べ

 Facebookは約27億人が利用する世界最大のSNSで、日本では2600万人以上が使っている。実名での登録が必要で、写真や文章の投稿、さらにそれらの「シェア」機能があり、投稿が拡散していくことも特徴だ。

 Instagramは世界で10億人以上、日本で3300万人以上の利用者がおり、写真と文章を合わせた投稿のほかに、投稿から24時間で消える「ストーリーズ」や、「#」を付けて投稿をカテゴライズし、検索できるようにする「ハッシュタグ」、投稿に位置情報を付ける「スポット」機能などがある。

Facebookの投稿例。Twitterのリツイートと同じく、投稿がシェアされることで情報拡散につながる
Instagramのアカウントページ例。投稿した写真は、プロフィールの下に3列に並んで表示される
Instagramの特徴の1つが、24時間で消える「ストーリーズ」。「ハイライト」機能で、プロフィールページに常時表示することも可能

 Twitterは世界に約3億2600万人のユーザーがおり、日本の利用者は4500万人以上。自分やほかのアカウントの「ツイート(投稿)」を再び投稿する「リツイート」が多く利用されており、情報の拡散力が強い。

 一方LINEは、ほかのSNSと同様に写真や文章の投稿機能もあるが、「トーク」機能を使ったコミュニケーションツールという側面が強い。ユーザー数は世界で約2億人だが、日本では8400万人以上(人口の66%以上が利用している計算)となっており、最も幅広い世代に広まっている。

Twitterの投稿例。140文字以内の文章や写真を投稿できる。投稿がリツイートされると、自分のフォロワー以外の人にも情報が届く
LINE公式アカウントでの配信例。自店のアカウントを友達として登録したユーザーにメッセージを一斉配信できる

 「世界的に見ると、全人口の3人に1人が利用しているFacebookがSNS界をリードしています」と坂本氏。しかし最近の日本では、LINE、Twitter、Instagramの利用者が多く、Facebookの影響力は海外ほど大きくない。「手を広げすぎて管理が行き届かなくなるのであれば、注力するSNSを絞ったほうが効果的。各SNSの状況をチェックした上で、自分に合うものを選ぶとよいでしょう」と坂本氏は呼びかける。

 では、飲食店はどういった視点で活用するSNSを選べばよいだろうか。「Facebookは利用者の年齢層が高めで、ビジネス利用も多いため、40代以上やビジネス層へのアピールに向いています。Instagramはユーザーが年々増えており、女性ユーザーが6割弱で、頻繁に利用される傾向があります。最近では“タグる”という言葉も一般的になるほど、ハッシュタグでの検索が定着しており、『♯神戸カフェ』など、立地での検索にも使われます。飲食店のように、場所が決まっている業種には向いているでしょう」(坂本氏)。また、「LINEの『LINE公式アカウント』という企業や店舗向けのサービスには、登録者に情報を一斉配信できる機能があり、メッセージが届きやすい。これも飲食店として使い勝手がよいでしょう」と話す。

 一方でTwitterは、「ツイートが日々大量に投稿されており、ユーザーの閲覧するツイートの流れが速いため、たくさん投稿できなければ情報が届きません。専任の担当者を置くなどの環境が整っていなければ、高い効果を出すのが難しい」(坂本氏)。こうした背景から坂本氏は、飲食店ではInstagramとLINEをメインに活用するのがおすすめだという。

SNSでは宣伝色を抑え“入口商品”をアピール

 SNSがほかのWebメディアと異なる点は、「ユーザーのほとんどが〝潜在層〟であること」だと、坂本氏は指摘する。「SNSユーザーは、何かを買おうと思って見ているわけではなく、暇つぶしや友だちの近況を知る目的で利用している人が大多数。そのため、直接的な宣伝投稿は敬遠される傾向があり、いかに宣伝色を抑えるかが重要になってきます」(坂本氏)。

 ただ、SNSの中でもLINEは特別で、「コミュニケーションツールとして利用されているLINEは、お店側からの直接的な発信にも適しています。潜在層ではなく、来店経験のあるお客様に登録してもらうことが多いので、次回来店を促進する情報やクーポンなどを送る際に有効です」と坂本氏は言う。

 また、気をつけたいのが「LINE以外のSNSでは、いきなり売りたいものを発信して売ってはいけない」(坂本氏)ということ。「潜在層へ向けたアピールにおいては、気軽に利用しやすい“入口商品”を見せることが大切です。例えば、ディナーに来店してほしい場合、ランチやデリバリー、テイクアウトのメニューなどに絡めて投稿することで、まずは来店を促進。そのうえでLINE会員への登録など、次回来店につなげる働きかけをするのがよいでしょう」とアドバイスする。

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