2021/09/21 特集

飲食店のためのLINE活用講座~効果的に友だち獲得&リピート促進!~

飲食店の集客やリピートにつなげるツールとして活用されているLINE。LINE公式アカウントで友だちを獲得したり、再来店につなげるにはどんな運用が効果的か。LINE株式会社の坪内裕朗氏に話を聞いた。

URLコピー
お話をうかがったのは・・・ LINE株式会社 広告事業本部 バーティカルビジネス事業部 坪内裕朗(ゆうろ)氏
広告代理店勤務を経て2019年にLINE株式会社に入社。日本全国の中小企業向けの施策を担当。2020年11月から飲食店向けにLINE公式アカウントの導入・運用に関する推進事業を担当している。

LINE公式アカウントとは?

来店客への情報発信でリピートを促進! 飲食業との相性も◎

 連絡・情報発信ツールとして、世界的に利用者が多いLINE。日本国内でも月間でおよそ8,900万人(2021年6月時点)が利用しており、今やスマートフォンを持っている人の大多数が使っている状況だ。こうした中、LINE公式アカウント(旧・LINE@)を活用して、ファンの囲い込みを行う飲食店が増えている。「LINE公式アカウントは、友だち登録をしてくれたユーザーに企業やお店からお得な情報やクーポンなどを発信できるビジネス向けツール。個人のアカウントとは違い、友だちに一斉送信した際にメールのBCC送信のように、ほかの受信者の情報を知られずに配信でき、『ショップカード』などの特別な機能も使えます」と語るのは、LINE株式会社広告事業本部バーティカルビジネス事業部の坪内裕朗氏。

 現在、日本国内でアクティブな状態のLINE公式アカウント(認証済みアカウントのうち、月に1度以上機能を利用しているアカウント数)は27万以上(2021年3月時点)あり、その業種別の内訳では飲食店が18%と最も多い。「これだけ飲食店の利用率が高いのは、業種的にLINEとの相性がいいから。食事は必ず毎日摂るものなので、飲食店からダイレクトに情報が届くことはユーザーにとってもメリットが多く、飲食店にとっても集客面で大きな効果が期待できます。また、飲食業はお客様の滞在時間が比較的長く、入店から退店の間に注文、料理提供、会計など何度も接触機会があるため、関係性も深まりやすく、登録を促すタイミングも多いはずです」と坪内氏は推測する。

 LINE公式アカウントは、専用サイトから開設が可能だが、実際に運用するには、どんなことに気を付けたらよいのか。具体的なノウハウやテクニックを坪内氏に解説してもらおう。

運用を始める前にしておくべきことは?

プロフィール&友だち登録時のあいさつメッセージを設定し、第一印象をアップ!

 LINE公式アカウントの運用を始める前の準備として、坪内氏は初期設定の重要性を指摘する。「最初にしっかり設定しておきたいのが、LINE内のホームページともいえる①プロフィールと、友だち登録したユーザーに自動的に配信する②あいさつメッセージです。①は、友だち登録をする際に必ずユーザーが目にする情報で、②は登録後のお店とユーザーのファーストコンタクト。いずれも友だち登録への不安感を払しょくし、期待感を高めるためにも必ず入力しておきましょう」と坪内氏。

  • プロフィール画面。画像、アカウント名、ステータスメッセージの3つは必ず入力したい
  • あいさつメッセージの一例。友だちに登録したユーザーに自動的に送られる

 まず、①のプロフィールの設定で特に重要と坪内氏が指摘するのが、プロフィール画像とアカウント名、ステータスメッセージの3つだ。「飲食店の場合、プロフィール画像は、店舗の内外観、名物料理などにすると業態や売りが伝わりやすいです。アカウント名は店名に設定し、ステータスメッセージには、お店の売りについての簡単な説明や営業時間・定休日などを入れておくことをおすすめします」(坪内氏)。

 ②のあいさつメッセージについては、登録へのお礼、店の紹介、これから発信する予定の情報などを盛り込みたい。「メッセージの最後に、『通知オフ』の方法を入れているお店もあります。通常のメッセージの場合、ユーザーには配信のたびに通知が届くので、煩わしく感じてブロック(ユーザー側がメッセージの受信を拒否すること)をされてしまうのを防ぐために、あえて通知を消す方法を紹介しているのです。これはブロック防止には一定の効果があると思いますが、通知が表示されないとメッセージの開封率が下がってしまうので、メリットばかりではありません。それよりも、ユーザーがブロックしたくならないように、配信の頻度や内容に気を配ることが重要です」と、坪内氏は指摘する。

 このほかに初期段階で設定できる無料のツールがいくつかある。その中でも「飲食店における集客・販促に効果を発揮する」と坪内氏が語るのが、③クーポン④ショップカード⑤LINEで予約⑥リッチメニューだ。

  • LINE公式アカウントで配信できるクーポンの例。特典対象になる商品の写真を付けることで訴求力もアップ
  • ショップカード。特典の内容はもちろん、付与されるポイント数や、特典がもらえるポイント数などをカスタマイズできるので自由度が高い
  • ワンタッチでネット予約に遷移させる「LINEで予約」。メッセージで予約フォームを送信したり、リッチメニューに表示したりして動線を強化できる。写真は「海湘丸」(神奈川)の配信画面
  • リッチメニュー。外部サイトなどにリンクさせてサービスを訴求できる。最大6枠あり、フォーマットも大小さまざま

 まず、③クーポンと④ショップカード(ポイントカード)は、リピート促進に直結することから利用率が高いツール。紙などで作ったクーポンやポイントカードを発行しなくてもスマートフォンを持っていれば使用できるので、来店客にとっても使いやすく、紛失などの心配もない。また、クーポンの使用率や使用回数、ショップカードの発行数などを管理画面で簡単に把握できるのも特徴だ。「ショップカードのポイントはユーザーにQRコードを読み込んでもらって付与します。付与するポイント別にQRコードを変えることができるため、例えばランチとディナーで付与ポイントを変えたい場合も、店舗側がQRコードを差し替えるだけで対応が可能です」(坪内氏)。

 ⑤の「LINEで予約」は、LINE上でネット予約やトークによる予約を受け付ける機能(2021年9月現在、「LINEで予約」のネット予約が利用できるのは、ぐるなびで席のみ指定でのオンライン即予約に対応している店舗のみ)。配信されたメッセージを見て「来店したい」と思ったユーザーが、そのままアプリを切り替えずに予約できるのがメリット。店にとっては、予約獲得の動線を強化することができる。

 最後に⑥リッチメニューとは、ユーザーがLINE公式アカウントのメッセージ画面を開いたときに画面下に固定で表示される枠のこと。最大6枠まで設定が可能で、それぞれ外部サイトなどにリンクさせることができる。「ホームページやInstagram、Twitter、通販サイトなど、リンク先はお店ごとにさまざまですが、『LINEで予約』や『ショップカード』にリンクさせているお店が多いです」と坪内氏は語る。加えて、6枠のリッチメニューの配置について知っておきたいのが“押されやすい場所がある”ということ。「ユーザーの多くが右手の親指でスマートフォンを操作するため、6枠のうち親指が届きやすい画面の右側にアクセスが集中する傾向があります。そのため、誘導したいものを右側に配置するのもテクニックの1つです」と坪内氏はアドバイスする。

 いずれにしても、まずはプロフィールやあいさつメッセージなどでしっかり店の情報が伝わるようにし、ユーザーが「友だち登録する意味やメリット」を感じられるようにカスタマイズしておくことが重要。その上で、ショップカードやリッチメニューなど、ユーザーの利便性や来店動機を高めるツールを必要に応じて活用していくことが、効果的な運用のポイントといえそうだ。

全3ページ