2021/12/16 特集

今こそ、予約獲得大作戦!~選ばれている店の必勝法~

全国的に通常営業ができるようになり、飲食店にとっては集客のチャンス。今、予約獲得に成功している店はどんな取り組みをしているのだろうか。その準備や工夫、実際の効果について紹介する。

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目次
1.酒類提供を控えた間の我慢を労う「労いの1杯1円~」企画が予約獲得の起爆剤に
2.LINEやインスタでの発信&クーポン配布で、週末は予約で満席に!

 全国的に通常営業が可能になった今は、飲食店にとって集客のチャンス。今、予約獲得に成功している店はどんなことに取り組んでいるのか。緊急事態宣言解除に合わせてお得感のあるアルコール1杯1円のイベントを実施して、予約しないと入れない人気を獲得した「山形料理と地酒 まら」。さらに、Instagramでの投稿のタイミングや投稿内容を工夫するなど、SNSでの効果的な情報発信で以前予約した人などから多数の予約を獲得している「名古屋めしダイニング 眺座 名駅4丁目ミッドランド裏店」の取り組みを紹介する。

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酒類提供を控えた間の我慢を労う「労いの1杯1円~」企画が予約獲得の起爆剤に

山形料理と地酒 まら(東京・高円寺)
東京都杉並区高円寺南4-30-8
https://r.gnavi.co.jp/ju5kz7gc0000/
JR線高円寺駅から徒歩3分。木の温もりが感じられる居心地の良い空間で、山形県産の食材を使った郷土料理と地酒を楽しめる。来店客は40~50代が中心で、6~7割が女性。

周辺住民に絞って集めたLINE会員に、店舗の今を伝える情報を発信

 東京・JR高円寺駅から徒歩3分の場所にある「山形料理と地酒 まら」は地元の人たちに愛され、連日予約で席が埋まる居酒屋だ。2021年10月時点で、売上はコロナ禍前の平均月商を超え、11月には過去最高を記録した。その背景には、地元密着型の経営に軸足を置き、店の思いをこまめにLINE公式アカウントなどのSNSで発信して、地元客との関係性を深めてきた経緯がある。

 店の前身は、同じ高円寺エリアにあった創作料理店「音飯(おとめし)」。2017年に現在の場所に移転した際に、店名も変更して山形の郷土料理と地酒を前面に打ち出すようになった。「高円寺で飲食店を運営して感じたのが、お客様の7~8割が地元住民だということ。『音飯』では自分たちのやりたい料理やサービスを前面に押し出していましたが、地域の人のニーズを大事にしなければいけないと考え、移転・リニューアル後は地元住民とのつながりを大切に店づくりを進めました」と、株式会社どりーむすかむとぅるーの取締役副社長・高橋勇氏は振り返る。その思いはコロナ禍で一層強くなり、街のためにも店が安全・安心な場でなくてはならないと、営業時間の短縮、酒類の提供を控えるなどの要請を厳守し、最低限のスタッフで営業を続けた。

山形の郷土料理で、サトイモ、コンニャク、牛肉などを煮込んだ「芋煮鍋」(1,100円、2~3人分)が店の売り。シメにはプラス440円でカレーうどんにすることも可能だ

 こうした状況の中、今年の夏、地元住民との関係をより深めるためにLINE公式アカウントを開設。店から半径300メートル以内に住む人や会社勤務の人を会員にすべく、テイクアウトで来店した人を中心に登録を促すほか、エリア内の住宅や企業へ登録促進のチラシをポスティングし、約800人の会員を獲得した。会員には、お得な情報だけでなく、街に対する思いやコロナ禍で感じていることなどをつづったメーセージも配信。会員からは応援や激励のメッセージが届き、毎日、弁当や総菜をテイクアウトで購入してくれる常連客も現れた。このほか、数年前から始めたInstagramでは、情報発信を続けたところフォロワーが3,000人以上となり、予約や集客に一役買ったという。

  • LINE公式アカウントでは、グループ各店の最新情報や会員限定のクーポンを、月に1~2回程度配信している
  • InstagramやTwitterのSNSを店内で告知して、フォローを促している

 そして、緊急事態宣言が解除された直後の10月1日から10日間、「みんながんばった!労いの1杯1円」と題した企画を実施。「コロナ禍で取り引きの減った業者さんから少しでも多く酒を仕入れて、外食を自粛していたお客様と喜びを分かち合いたいという思いから発案しました」と高橋氏は語る。この期間中は、生ビール、サワー各種、ハイボール、山形産の日本酒とワインを対象に、1杯目は「我慢していた皆さんに乾杯!」という思いを込めて一律1円で提供。2杯目は「酒屋さん・生産者さんに乾杯!」という思いで一律300円、3杯目は「頑張ってきた店に乾杯!」で500円、4杯目以降は「コロナを完敗!(させる)」として700円に設定した。もともと酒類の単価は平均500円前後なので、4杯目以降は通常より高くなる仕組み。この価格設定について「まだ完全に収束したわけではないので、飲食するにも節度が必要。3杯程度に抑えましょうという思いを込めて、4杯目以降はあえて通常より高く設定しました」と話す高橋氏。SNSの告知や店内での接客時に、価格設定の意図を伝えており、来店客はみな3杯くらいで抑えるケースが多かったという。

酒類を控えた間の我慢を労う意味で、10日間限定で開催したイベント(写真はInstagramの投稿画面)。1~3杯目はお得な価格で提供し、4杯目以降はあえて通常より高めに価格を設定。集客を図りつつも羽目を外さないようにと価格設定も工夫した

 このお得な企画が起爆剤となり、1日80人が来店するなど、予約なしでは入店できない状況に。満席で入店や予約を断る場合は、電話番号を聞いて席が空き次第、連絡をしたり、近くの系列店を案内したりした。「お断りせざるを得ない状況になったとき、どんなコミュニケーションを取るかで店の印象はガラッと変わります。ファンやリピーターを増やすためには重要なアプローチ」と高橋氏は語る。

従来、公園を借りて開催していた恒例行事の「芋煮会」は、店の前にテントを張って実施。LINE会員で定員はすぐに埋まるなど、ファンの囲い込みに一役買っている

 また、11月には、20人限定で芋煮食べ放題・ドリンク飲み放題の「芋煮会」(3時間5,000円/2部制)を2回開催するなどして、集客につなげている。「地元のお客様との相思相愛がファンづくりのキーワードです」と話す高橋氏。今後も、地元に根付いた取り組みに注力していく。

株式会社どりーむずかむとぅるー取締役副社長 高橋 勇 氏
名古屋出身。バンド活動をしつつ飲食店でアルバイトをしていたのがきっかけで、2009年にバンド仲間と居酒屋「音飯」を出店。2017年に現在の場所に移転し、地元密着の店づくりを進めている。高円寺を中心に山形料理屋、カレー屋、ラーメン屋を数店舗を展開中。

LINEやInstagramでの発信&クーポン配布で、週末は予約で満席に!

名古屋めしダイニング 眺座 名駅4丁目ミッドランド裏店(愛知・名古屋)
愛知県名古屋市中村区名駅4-4-34 タクトビル5F
https://r.gnavi.co.jp/n233500/
全105席。炙り焼きを眺められるカウンター席、完全個室の掘りごたつ席、ロフトの座敷席などがあり、さまざまな用途で利用される。一面がガラス張りで名古屋駅の夜景が楽しめる。

「ワクチン予防接種済証」提示でのお得なサービスも好評

 JR名古屋駅から徒歩1分のビル5階にある「名古屋めしダイニング 眺座 名駅4丁目ミッドランド裏」。LINE公式アカウントやInstagramを活用して積極的に店の情報を発信し、コロナ禍での休業により店都合でキャンセルした人には再来店時に使えるクーポンを発行。こうした取り組みが功を奏し、11月以降の週末は予約で満席になるなど、確実な集客につながっている。

 オープンは2004年。当初は「炙り焼き」が売りだったが、名古屋駅前という立地を考慮して2年半前から県外客のニーズの高い「名古屋めし」を前面に打ち出した。「それまで、お客様の中心は40~50代のビジネス層でしたが、売りを変更してからは県外から出張や観光で来た方やファミリーの来店が増えました」と店長の渡辺雅之氏は振り返る。

 一番人気の名古屋めしは「和牛すじと根菜のどて煮」(800円)。ほかにも「国産鶏の手羽先炙り」(2本420円)、「奥三河鶏の味噌串カツ」(2本500円)や、愛知県の地酒を豊富に取りそろえている。

LINE会員には、限定クーポンなどを配信。加盟特典として日本酒半合、またはミニ肉味噌豆腐か自家製鶏ハムをサービス
  • 卓上にPOPを置いてLINE公式アカウントの登録やInstagramのフォローを促している。その場で登録してLINE登録特典を受ける人も多い
  • LINE公式アカウントのリッチメニューにInstagramへのリンクを用意。「LINEで予約」(ぐるなびのネット予約と連携)も利用して予約獲得につなげる

 今年夏は緊急事態宣言により休業を余儀なくされたが、休業中も含めて集客や予約獲得のためにさまざまな施策を実施してきた。その一つが、5月から開始したLINE公式アカウント。約半年で100人以上のLINE会員を獲得しており、月2~3回のペースで、新メニューの情報や店舗の雰囲気が分かる動画などを配信している。この秋には、店が休業した都合で予約をキャンセルしてもらった人を対象にしたクーポンをLINEで配信。同じ人が再度予約をした際に、日本酒か焼酎のボトルをプレセントする内容で、「このクーポンを使った予約が12件入り、予約獲得に効果があったと感じています」と渡辺氏。ぐるなびなどにも同じクーポンを掲載して再来店につなげている。

過去に店から予約キャンセルをお願いした人へのクーポンをLINEで配信するほか、ぐるなびでも発行。再来店に効果を発揮している

 また、3年前に開始したInstagramも予約獲得に貢献。もともと更新頻度は低く、それほど熱心ではなかったが、今夏の休業中にアルバイトスタッフが自主的にInstagramの講習を受けて、運用の仕方を学んだことをきっかけに頻繁に更新するように。「アクセス数が多い時間に投稿したり、投稿の際は画像を加工して興味を引く情報と組み合わせるなど、ノウハウを活かした運用をした結果、休業中にもかかわらず、フォロワーが300人ほど増加しました」と渡辺氏は笑顔を見せる。来店役が店舗名のハッシュタグをつけて名古屋めしの写真を投稿することも多く、情報が拡散。合わせて、Instagramとぐるなびのネット予約を連携することで、スムーズな予約獲得につなげている。

  • Instagramの投稿では、最初の1枚目で何を伝えたいか一目で分かるように、文章を加えるなど、工夫したことでフォロワー獲得に成功した
  • Instagramをぐるなびのネット予約と連携。投稿を見た人がスムーズに予約できるように導線を確立している

 さらに、定期的に約5,000人の顧客にメールで料理やコースなどの情報を発信するほか、Googleマイビジネスの情報も充実させ、ぐるなびネット予約などとも連携して予約につなげている。これらの取り組みによってネット予約が予約全体の約8割を占め、すでに来年夏の予約も入り始めているという。

 このほか、10月から新型コロナウイルスワクチンの接種証明書を提示すればドリンク1杯をメガサイズにサイズアップ(または日本酒半合をサービス)するクーポンをぐるなび限定で掲載。「接種証明書の画像を保存している人も多く、主に年配の方が利用されています。特にレモンサワーのサイズアップが人気ですね」と渡辺氏は効果を語る。

 加えて、緊急事態宣言解除を受けて、県外からの出張や観光に備えて、手羽先や味噌串カツ、どて煮など代表的な名古屋めしが楽しめる全8品の「秀(しょう)」コース(5,000円、90分飲み放題付き)を用意。名古屋めし目的の県外客からの予約獲得につながっている。「地元のお客様からはゆっくりお酒を楽しみながらおいしい海鮮料理を食べたいという要望も多いため、12月から同じ価格帯の平日限定コースも始めました」と渡辺氏。全6品、日本酒ボトルと120分飲み放題付きのコースで地元客にアピールし、平日の予約増を狙っていく。

名古屋めしダイニング 眺座 名駅4丁目ミッドランド裏店 店長 渡辺 雅之氏
調理師専門学校を卒業後、フランス料理店などでの修業を経て「名古屋めしダイニング 眺座」の料理人になり、4年前から現職。「地元民にも愛される名古屋めしの提供」がモットー。

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