2022/07/14 特集

ニーズが上昇中!テラス&ビアガーデンプラン

2022年は、3年ぶりにコロナによる制限のない夏を迎え、テラス席のある店やビアガーデンが活況。そこで、トレンドやニーズを捉えたテラスやビアガーデンのコース・料理・ドリンクなど、事例をもとに紹介する。

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目次
韓国料理のビアガーデンがヒット!選べるメインとビュッフェで、集客が昨年比6倍に
 「韓国ビアガーデン nyam nyam」(大阪・曽根崎)

店舗前にテラス席を設置し、週末は2回転!店先のにぎわいが来店を促進
 「BARBARA market place Grand Royal 中崎本店」(大阪・梅田)

売りを前面に打ち出した「抹茶ビアガーデン」。お茶を使ったノンアルカクテルも初登場!
 「RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」(東京・御茶ノ水)

 本格的な夏を迎え、ニーズが高くなるのがテラス席やビアガーデン。2022年は3年ぶりにコロナによる制限のない夏となり、テラス席がある店やビアガーデンはニーズが高く、活況を呈している。そこで、トレンドやニーズを捉えたテラスやビアガーデンのコース・料理・ドリンクなどを紹介。人気の韓国料理に特化したビアガーデン、路上のテラス席で店のにぎわいを作り出しているバル、お茶を使ったオリジナルドリンクや料理を前面に打ち出してビアガーデンを開催しているレストランの事例を紹介する。

韓国料理のビアガーデンがヒット!選べるメインとビュッフェで、予約が昨年比6倍に

韓国ビアガーデン nyam nyam(大阪・曽根崎)
大阪府大阪市北区曽根崎2-8-15 K’sスクエアビル4F
https://r.gnavi.co.jp/5rd8mnrk0000/
人気の韓国料理を提供するビアガーデン。2021年に夏季限定でオープンし、2022年は5~9月で開催。20~30代の女性を中心に集客するほか、屋外でありながら約500人を収容できるため、大規模宴会も獲得する。

韓国旅行の気分が気軽に楽しめ、リピーターや大規模宴会を獲得

 地下鉄東梅田駅の東に位置する「曽根崎お初天神通り商店街」の商業ビル4階にある「韓国ビアガーデン nyam nyam(ニャムニャム)」は、“韓国料理が楽しめるビアガーデン”として2021年6~9月に開業。20~30代の女性を中心に集客して手応えを実感し、2022年は席数を約300席から約500席に増席。また屋根ありのエリアを拡張して、さらにパワーアップして5月13日~9月30日で開催している。6月末時点ですでに昨年に比べ約6倍の予約があり、200名規模の大規模宴会の予約も獲得している。

天候に左右されないよう店内奥の屋根を今年新たに設置し、フロアの大部分は屋根ありに。昨年はドラム缶をテーブルとして使っていたが、さらなる需要増加を見込み、四角いテーブル席に置き換え収容人数を増やした
ネオン管照明を使って、壁にはポップな色でハングル文字を灯す。韓国へ旅行に来たような雰囲気を演出

 店舗スタッフの小池啓貴氏は「コンセプトは『つかの間の旅行気分を』とし、コロナ禍の影響で気軽に海外旅行に行けないため、非日常な時間を提供したいと考え、人気のある韓国をテーマにしました」と話す。店内の壁には、韓国で人気のネオン管を使った照明や韓国語の看板を設置。メニューは120分飲み放題付きのコースを6種(3,980円~)用意しており、メイン料理を「UFOチキン」や「チーズタッカルビ」「サムギョプサル」など6種の中から1つ選択できる。このほか、「ヤンニョムチキン」や「チヂミ」などやデザート約40種をビュッフェで提供しており、韓国に行ったかのような雰囲気が楽しめると女性を中心に支持を集めている。

120分飲み放題付き「選べる韓国チキンプラン」(3,980円)で注文率が高い「チーズタッカルビ」。利用しやすい価格設定も集客のポイント
企業の宴会ではサムギョプサルと牛肉盛り合わせがメインの「韓国BBQプレミアムプラン」(4,980円)の利用が最も多い

 コースの一番人気は厚切りサムギョプサルや壺漬けサムギョプサルなどが味わえる「サムギョプサルプラン」(4,480円)。また、男性からの要望に応えて牛ハラミやカルビが入った「BBQレギュラーコース」(4,480円)、サムギョプサルと牛肉を盛り合わせた「韓国BBQプレミアムプラン」(4,980円)も設定し、「大規模の宴会では、『韓国BBQプレミアムプラン』 が好評です」と小池氏は語る。

ビュッフェコーナーには、「チヂミ」や「豚コチュジャン炒め」「韓国風タコ焼き」など、人気の韓国料理が多数並んでいる
  • 甘辛のヤンニョムダレを自分でかけて食べる「ヤンニョムチキン」はビュッフェメニューの一番人気。タレは甘口・辛口の2種を用意
  • 自分で好きな飲み物を作ることができるドリンクコーナー。ライチやアンズ、マンゴー、モモなど、女性が好む果実酒を豊富にそろえている

 ビュッフェコーナーには、「チャプチェ」や「イカフェ」「チヂミ」といった定番の韓国料理がずらりと並び、人気の韓国の唐揚げ「ヤンニョムチキン」は、タレを甘口・辛口2種用意し、好みでかけてもらうようにしている。「おいしさはリピートにつながる大事なポイントなので、本場韓国の味わいにこだわっています」と小池氏。

 ドリンクはセルフ式で提供しており、ビールやサワー、ワインのほか、マッコリもラインナップ。マッコリはソウルマッコリ、マスカットマッコリ、桃マッコリの3種をやかんに入れて用意している。リキュールやシロップも複数そろえ、好きな味のカクテルが作れる点も喜ばれているという。

 多くの来店客がInstagramやTikTokなどに料理写真や動画などを投稿しており、それを見た人が来店するケースも多く、ぐるなびのネット予約も増加。週末は予約で満席になり、平日の予約も埋まってきているという。「利用しやすい価格帯や韓国の雰囲気が味わえることが支持され、リピートするお客様もいらっしゃいます。1シーズンで複数回来店してほしい」(小池氏)。本格的なビアガーデンシーズンを迎え、その勢いを加速させていく方針だ。

店舗スタッフ 小池 啓貴 氏
学生時代にイタリアンやカフェでアルバイトを経験。卒業後は飲食業に従事し、主にサービススタッフとして活躍。リピートにつながる接客を心掛けている。

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店舗前にテラス席を設置し、週末は2回転!店先のにぎわいが来店を促進

BARBARA market place Grand Royal 中崎本店(大阪・梅田)
大阪府大阪市北区中崎西2-4-29
https://r.gnavi.co.jp/k113418/
大阪・梅田からもほど近い中崎町入り口にあたる高架下に2005年オープン。ヨーロッパの街角にあるバルをイメージし、来店客の7割を女性が占める。近年は20代前半の女性を多く獲得する。

テラス席限定で飲み放題を120分で設定し、女性好みのドリンクをラインナップ

 JR大阪駅から徒歩7分の高架下に2005年オープンしたヨーロピアンバル「BARBARA market place Grand Royal 中崎本店」。メインフロアにはモロッコで作られたランプが数多く飾られ、異国情緒が漂う雰囲気で、石窯で焼くピッツァやアヒージョなどのイタリアンやフレンチが楽しめ、20代後半~30代の女性や周辺で勤務するビジネス層が多く来店。夏期限定で店頭にテラス席を設置し、例年さまざまなプランを提案して、にぎわいを作り出し利用につなげている。

店舗の入り口を中心にテラス席を配置。夜になると照明が灯り、バルの雰囲気が一層盛り上がる
テラス席は8人掛け。仕事帰りのビジネス層が利用するほか、女子会や誕生日会の女性グループでにぎわう

 テラス席は全6卓。広々としたテーブルとベンチシートを店舗前の路上に設置しており、夜になるとライトが灯る。広報を担当する山崎氏は、「テラス席は店のにぎわいを伝える役割を担っています。お店の前は仕事帰りなどで人通りが多いので、テラスの様子を見て寄って行こうというお客様もいらっしゃいます」と語る。

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「BARBARAロードサイドビアガーデンプラン」には、石窯で焼き上げる「ピッツァ マルゲリータ」やチーズがたっぷりかかった「ベーコンと半熟卵のシーザーサラダ 削りたてグラナチーズ」など人気メニューを盛り込んでいる
  • コースに付く「丸ごとチーズの器で作る 黒豚パンチェッタの濃厚カルボナーラ」は、スタッフが来店客の前で大きなチーズにパスタを入れてチーズを絡める演出が好評
  • チーズを絡めたカルボナーラにさらにグラナチーズふんだんに削って仕上げる

 テラス席を積極的に打ち出すために、2022年4月末より飲み放題付き「BARBARAロードサイドビアガーデンプラン」(4,000円)を設定。従来のパーティープランをベースに「切りたて生ハム」「ベーコンと半熟卵のシーザーサラダ 削りたてグラナチーズ」など人気の6品を盛り込んだ。看板の一つである「丸ごとチーズの器で作る 黒豚パンチェッタの濃厚カルボナーラ」は、テーブルに大きなチーズを運び、来店客の前でパスタにチーズをからめるパフォーマンスが好評だ。

飲み放題メニューの一覧。かちわりワイン(赤・白)や自家製サングリア、カクテルなど、女性に人気のものもラインナップ。また、飲まない人も楽しめるようノンアルコールドリンクも4種用意
店頭の看板では自慢の石窯料理やチーズの器で仕上げるパスタなど、フードやドリンクを写真付きで紹介

 飲み放題のドリンクにはビールのほか、スパークリングワインやかちわりワイン、自家製サングリアなど女性が好むドリンクを取り入れて55種をラインナップ。また、同じコースを店内で利用するより30分長い120分で設定しており、「テラス席から予約が埋るように」(山崎氏)という狙いがある。予約は順調で、週末は満席になり2回転することも。また、テラス席の予約はアラカルトの注文も可能だが、予約客の多くはコースを注文するという。

 テラス席の横にはメニューの写真を大きく使った看板を設置。看板やテラス席の様子を見て“帰りに1杯”という人もいるという。「飲食店へ行って飲む流れがようやく戻って来ました。テラス席を活性化させ、年末に向け飲食店へ通っていただけるよう、先手を打ち盛り上げていきたいです」と山崎氏は展望を語る。

スタッフ 関根 彩花 氏
サービスを担当。ワインの知識を身に付け、料理に合うワインのペアリングを提案。Instagramでおすすめのワインや旬の食材を使った料理を積極的に発信している。

売りを前面に打ち出した「抹茶ビアガーデン」。お茶を使ったノンアルカクテルも初登場!

RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU(東京・御茶ノ水)
東京都千代田区神田駿河台3-4 ホテル龍名館お茶の水本店1F
https://r.gnavi.co.jp/mayn49na0000/
東京の地下鉄新御茶ノ水駅から徒歩1分。2014年「ホテル龍名館お茶の水本店」のリニューアルと同時に、メインダイニングとしてオープン。日本茶をテーマにした創作和食やスイーツを提供している。

“ここでしか楽しめない味”を求め、女性やビジネス層が多く来店

 1899年に東京・御茶ノ水で創業したホテル「龍名館」に併設するレストラン「RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」。2014年にオープンし、“御茶ノ水”の地名に因んで「お茶」をテーマに、茶葉を使った創作和食のほか、オリジナルカクテルやスイーツを提供。ランチ・ディナータイムはビジネス層が中心に来店するほか、カフェタイムでは多くの女性が訪れる。エントランス前にはテラス席を設置しており、例年6~9月に日本茶づくしの「抹茶ビアガーデン」を開催している。

店舗のエントランスに設置されたテラス席。周辺にオフィスが多いことから、近隣で勤務している人がテラスなどの様子を見て「以前から気になっていた」と来店するケースも少なくない

 ビアガーデンを始めたのは2015年。ホールスタッフの髙野祐二氏は「当店オリジナルの“抹茶ビール”とテラスのシナジーを引き出す企画として始めました」と振り返る。しかし、2020、2021年はコロナの影響によりやむなく中止に。3年ぶりの開催となった2022年は待ちかねたファンも多く、出足は好調だ。

「抹茶ビアガーデン」で提供する抹茶を使用したオリジナルドリンク。左から「抹茶ワイン」「抹茶ビール」「抹茶黒ビール」(全て790円)。いずれも、多くの試行錯誤を重ねて開発した自信作

 「抹茶ビアガーデン」とうたっているように、ドリンクは抹茶を使ったものを中心に、ほうじ茶、紅茶などお茶を使用したオリジナルドリンクを豊富にラインナップ。看板メニューである「抹茶ビール」(790円)は、「試行錯誤を重ね、生ビールのキレと抹茶の風味を両立させた自慢の一品」と髙野氏は話す。そのほか、ワインの存在感に抹茶の清涼感をプラスした「抹茶ワイン」、香ばしいほうじ茶に黒ビールを合わせた「ほうじ茶黒ビール」(ともに790円)、抹茶の香りを加えた「抹茶ハイボール」(650円)などを提供している。

今夏、初登場のお茶のモクテル(ノンアルコールカクテル)。左から「スパイス&サワーティー」「和紅茶ソルティドッグ」「抹茶コーラ」。アルコールが苦手な人でもビアガーデンを堪能できる

 さらに、今年初めて提供を開始したのが、3種のお茶のモクテル(ノンアルコールカクテル)。「コロナ禍でアルコールの提供に制限がかかったことが開発のきっかけですが、以前からアルコールが苦手な方でも楽しんでいただけるカクテルを模索していました」と髙野氏。オーダーが入ってから茶筅(ちゃせん)で抹茶をたてて作る「抹茶コーラ」、ジンジャーエールとレモンシロップ・煎茶を合わせた「スパイス&サワーティー」(ともに600円)など、見た目にも美しいモクテルで女性を中心に好評だ。

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ビアガーデンで楽しめる人気の“お茶料理”。手前から「煎茶ローストビーフ」(1,300円)、「鯵の抹茶なめろう」(780円)、「ふわふわえび真薯のてん茶フライ」(880円)
120分飲み放題のプランでは、オリジナルカクテル6種とモクテル3種を含め、ドリンク全20種類以上が楽しめる。料理もお茶を使ったメニューを数多くラインナップし、アラカルトで提供する

 「抹茶ビアガーデン」では、これらを中心にしたドリンクをアラカルトのほか「120分飲み放題」(3,500円)で提供。HPやぐるなび経由のネット予約で3,000円になるサービスも好評で、「ビアガーデン予約は、8~9割がWebから」(髙野氏)という。料理はアラカルトでの提供とし、多くのメニューがお茶を使った創作和食。中でも、肉の周りに煎茶の茶葉をまぶして香りをうつした「煎茶ローストビーフ」(1,300円)は、ビアガーデン利用客のほとんどがオーダー。ほか、社内の料理コンテストで最優秀作品だった料理をアレンジした「鯵の抹茶なめろう」(780円)などが人気だ。

 「3年前と比べ、オリジナルのお茶料理とドリンクが目当てのお客様が増えています。以前はビジネス層が中心でしたが、今年は20〜50代の女性グループが増え、当店ならではの味わいを楽しんでいただけていると感じています」と髙野氏。例年、7~8月のテラス席は満席になるため、さらなるニーズの拡大を展望している。

ホールスタッフ(ビアガーデン企画担当)髙野 祐二 氏
大学時代に茶道裏千家に打ち込み、日本の伝統文化を伝えたいと、2019年に入社。日本茶インストラクター協会が認定する「日本茶アドバイザー」の資格を持つ。

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