2023/12/28 特別企画

飲食店の弁当&惣菜販売。売上アップに欠かせない7つのポイント

飲食店が店頭で弁当や総菜などを販売する場合、販売したい商品によってどのような許可証が必要で、店頭や調理場など設備はどのような点に注意すべきなのでしょうか。店頭販売を成功させるための7つのポイントと合わせて解説します。

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更新日:2024.8.2

道行く人を立ち止まらせるアピールやシズル感、接客力も重要!

店頭販売は、イートインとは異なる新規層の開拓やリピート利用の促進など、集客アップに効果大。店内が満席の際もテイクアウトによる売上を確保できるなど、さまざまなメリットがあります。なお、弁当・惣菜やパン・製菓など取り扱う商品によって必要な許可が異なるため、内容に合わせて取得が必須。ここでは利用客のニーズに合った商品開発や再来店につながる仕掛けづくり、衛生管理に関する注意点など、店舗販売を成功に導くためのポイントを確認していきましょう。

目次
飲食店が店頭販売をするメリット
 └売上の上限を引き上げられる
 └新規客の獲得
店頭販売をするために必要な営業許可
 └弁当、総菜を販売する場合
 └加工食肉製品を販売する場合
 └魚介類(刺身)を販売する場合
 └生肉を販売する場合
 └アルコール類を販売する場合
 └麺類を販売する場合
 └焼き菓子・ケーキなどを販売する場合
 └店頭でご飯を盛りつけたり、スープなどを調理して販売する場合
店頭販売を成功させるための7つのポイント
 └(1)通行人への訴求力を高める
 └(2)顧客ニーズの分析
 └(3)適切な容器選び
 └(4)シズル感の演出
 └(5)興味を引き、好感の持てる接客
 └(6)再来店につながる仕掛け
 └(7)効果的な情報発信
店頭販売する際の注意点
 └衛生管理の徹底
 └適切な食品表示
 └収益性のリスクを考慮する

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飲食店が店頭販売をするメリット

売上の上限を引き上げられる
新規客の獲得

売上の上限を引き上げられる

店頭販売をしていると、例えば、ランチやディナータイムに店内が満席になってしまっても、弁当などのテイクアウト商品を販売することで利用客を逃さず売上を確保することが可能に。そのため、客席数や回転数といった制約に関係なく、売上の上限を引き上げることができます。

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新規客の獲得

店頭販売は、店の雰囲気や料理の味をアピールする機会になるため、新規客を獲得し、客層を広げることが可能です。イートインとテイクアウトでは客層が全く異なるため、テイクアウトをきっかけに店の存在を知った人が、「次回はお店で食べたい」と思って来店してくれるかもしれません。そのほか、持ち帰った商品を見た会社の同僚や家族など、周囲の人への宣伝効果も期待できます。

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店頭販売をするために必要な営業許可

弁当、総菜を販売する場合
加工食肉製品を販売する場合
魚介類(刺身)を販売する場合
生肉を販売する場合
アルコール類を販売する場合
麺類を販売する場合
焼き菓子・ケーキなどを販売する場合
店頭でご飯を盛りつけたり、スープなどを調理して販売する場合

弁当、総菜を販売する場合

飲食店が弁当・惣菜類の店頭販売を行う場合、店内で提供しているメニューを店内の厨房で調理し、販売するのであれば、飲食店営業許可のみで可能です。

ただし、消費者に直接販売して、「すぐに食べるよう伝えられること」「保管方法・アレルゲンの情報について伝えられること」といった条件を満たしていなければなりません。また、あらかじめ大量に調理・製造し、包装・保管して販売する場合は、新たな許可や届出が必要な場合があるので、必ず事前に保健所に相談を。例えば、ランチタイムに向けて大量に作り置きした弁当を販売するには「飲食店営業3類」の許可が必要となります。いずれのケースも、店で提供する目的で調理したものの持ち帰りを認めるのか、最初から持ち帰りを目的として調理・製造されるのかによって許可の範囲が異なることを覚えておきましょう。

加工食肉製品を販売する場合

ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工食肉製品を販売する場合は、「食肉製品製造業」の許可が必要です。これを取得するとチャーシュー、ビーフジャーキー、ローストビーフ、食肉を50%以上含むハンバーグやミートボールなどの製造販売も可能になります。

魚介類(刺身)を販売する場合

刺身などの魚介類を店頭販売するには「魚介類販売業」の許可が必要です。また、魚の干物や明太子といった魚介類の加工食品や冷凍食品を販売する場合は、それぞれ「水産製品製造業」や「冷凍食品製造業」の許可が必要になります。

生肉を販売する場合

店で使用している生肉を店頭販売する際は「食肉販売業」が必要です。焼肉店による焼肉セットや、焼き鳥店による調理前の串焼きの販売などはこれにあたります。

アルコール類を販売する場合

未開封のボトルや缶のお酒など、テイクアウト用にアルコールを店頭販売したい場合は税務署による「酒類販売業免許」が必要です。ただし、保管・陳列場所、会計場所、仕入れ先、記帳をすべて店内提供用と分けるなど細かい要件を満たし、設備などを整える必要があります。

麺類を販売する場合

そばやうどん、ラーメンのセットを販売する場合などは「めん類製造業」の許可が必要です。ただし、ラーメンに自家製のチャーシューを添えて販売する場合は「食肉製品製造業」の許可が必要に。麺だけでなく、何を独自に製造し、提供するのかによって必要な許可が変わるので、注意しましょう。

焼き菓子・ケーキなどを販売する場合

パンやケーキ、焼き菓子を販売する場合は管轄の保健所から「菓子製造業」の許可を得る必要があります。アイスクリームの販売には「アイスクリーム類製造業」の許可が必要になります。

店頭でご飯を盛りつけたり、スープなどを調理して販売する場合

店頭で注文を受けてご飯を盛りつける、スープを調理して提供するなどの場合は、「露店飲食店営業」の許可が必要になります。なお、米飯類の調理は露店飲食店営業の許可があっても店頭では行えず、飲食店営業許可証を取得した店舗の調理場で行わなければならないので注意しましょう。

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店頭販売を成功させるための7つのポイント

(1)通行人への訴求力を高める
(2)顧客ニーズの分析
(3)適切な容器選び
(4)シズル感の演出
(5)興味を引き、好感の持てる接客
(6)再来店につながる仕掛け
(7)効果的な情報発信

(1)通行人への訴求力を高める

販売スペースを設置する際は、ポップや立て看板などを活用し、通行人の目に留まりやすい外装でアピールしましょう。特に、離れた場所からでも内容を確認でき、通行中でも目に入りやすい大きさやデザインが有効です。ポップにはメニュー名と値段だけでなく、おすすめや特徴、お得感をアピールする一言などを添えるなどの工夫を。数が多い場合には、看板などに2~3種類のおすすめメニューをピックアップすると通りがかりでもサッと選びやすくなるなど、訴求力が高まるはずです。

(2)顧客ニーズの分析

店頭販売の成功には、店舗がある地域の特性や通行人の属性など、メインターゲットとなる層を分析し、ニーズに合わせたメニューを販売するのが重要です。例えば、ビジネス層が多いエリアであればランチタイムの弁当販売に注力する、住宅街や働く親世代が通りがかる立地であればアイドルタイムや夕方の帰宅時間に合わせて中食にもなる惣菜を販売するなど、分析をメニュー開発や販売時間に反映し売上向上を図りましょう。

(3)適切な容器選び

店頭販売では、持ち運びに適していて、盛り付けや商品の質を維持できる容器選びが重要です。例えば、カレー用の容器であればルーとライスを分ける仕切りがあるもの、スープであれば中身がこぼれないようにフタがより外れにくいものなど、販売メニューに合わせて適した形状の容器を選びましょう。また、どこでも食事を楽しんでもらえるように、容器以外にもおしぼりや割りばし、フォークやスプーン、持ち運びやすい袋などを用意しましょう。

(4)シズル感の演出

店頭販売では利用客が実際に調理された商品を確認して購入することが多いため、食欲をそそるビジュアルや香りのメニューを提供すると集客・販促につながりやすくなります。透明なふたの容器を使用してきれいな盛り付けを見せる、中身が見えづらい場合は大きな写真を掲示したり、実物のサンプルを展示したりするなど、見た目にも工夫をこらしましょう。実演販売や調理の様子を見せるといったシズル感のある演出も通行人の購買意欲を高めるのに効果的です。

(5)興味を引き、好感の持てる接客

店内の雰囲気が伝わるよう、清潔感のある身だしなみと笑顔、丁寧な対応を心がけ、好印象を与えられるように努めましょう。店の前で少し足を止めただけで一方的にまくしたてられると、負担となって購買意欲を損なうことも。通行人が興味を持っていそうな様子の時に挨拶や適切な声がけをすることで、商品について尋ねたり、オーダーしやすい雰囲気をつくりだすことができます。

(6)再来店につながる仕掛け

商品に次回割引クーポンやテイクアウトメニューの一覧表、スタンプカードなどを同封し、目に見える形で再訪のきっかけとなるプロモーションを行いましょう。そのほか、店内メニューをお得に楽しめる弁当や惣菜セット、店頭販売だけで味わえる数量限定のメニューなど、テイクアウトならではの付加価値を付けることも利用を促すきっかけに。そのほか、日替わりメニューの提供もリピート率を高める有効な手段の一つです。

(7)効果的な情報発信

店内のポップやチラシで告知する、会計後の接客時にクーポンを渡すなど、イートインの利用客にも店頭販売のアピールを。また、店の公式SNSアカウントがあれば、提供メニューや割引きキャンペーンの告知、食欲をそそる調理動画をアップロードして、積極的に発信しましょう。投稿の際は店の位置情報や、「#〇〇(エリア名)ランチ」のように検索にヒットしやすいハッシュタグを付けるのも忘れずに。

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店頭販売する際の注意点

衛生管理の徹底
適切な食品表示
収益性のリスクを考慮する

衛生管理の徹底

店頭販売は、店内で飲食を提供する時と比べて調理後から利用客が料理を食べるまでの時間が長くなるため、衛生管理をより徹底しなければなりません。調理・包装環境を整えるのはもちろん、製造した商品を店頭に並べて販売する際に適切な温度管理(10℃以下又は65℃以上での保存)ができる設備を用意するなど、商品を安全に提供できるようにしっかりと対策しましょう。

また、腐りやすい食材を使用しないといった調理時の工夫に加え、利用客になるべく早く食べるように促す、常温放置を避けるといった保管方法のアナウンスを徹底するなど、購入後の注意喚起も必要です。食中毒が発生すると損害賠償金の支払いや営業停止処分といったリスクに見舞われる可能性もあるため、万が一の事態に備えて賠償責任保険に加入しておくのもおすすめです。

適切な食品表示

飲食店営業許可証を取得した店舗で調理された弁当・惣菜を店頭で対面販売する場合には、食品表示をする義務はありません。これは品質について製造者が直接説明できると考えられているためです。

ただし、不測の事態やトラブルに備え、製造日時や賞味期限、保存方法、アレルゲンなどの注意事項はできるだけ表示しておくほうがよいでしょう。その際、表示は正確に、読みやすく、容器を開かなくても読める場所への記載を心がけましょう。なお、自社工場のセントラルキッチンなど、店舗ではない場所で製造された弁当・惣菜を販売する場合はこれに当てはまらず、食品表示事項を明記しなければなりません。

収益性のリスクを考慮する

テイクアウトでは使い捨ての容器や箸、スプーンなどを使用するため、イートインよりも容器代のコストがかかります。ランニングコストや収益性を考慮せずに、見た目や内容にこだわりすぎてしまうと、通常営業の負担になってしまうので要注意。店の強みや特徴をアピールしつつ、適切なメニュー内容と量、単価設定を意識して商品開発に取り組みましょう。

ランチタイムなど特定の時間の売上補完や集客、販促の面での効果が期待できる店頭販売。導入する際は、許可申請や衛生管理などに注視しつつ、店の課題や立地の特性に合わせて検討しましょう。

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