佐渡から世界へ! 日本の食文化を未来へつなぐ
「RED U-35」(RYORININ's EMERGING DREAM U-35)は、35歳以下の料理人がグランプリの称号「レッドエッグ」を目指して、国内外から参集するコンペティション。2013年の第1回以来、多くの若き才能を世に送り出してきた。
2025年のテーマ「日本から世界へ〜EARTH FOODS 25」のチャレンジャーは511人。書類審査(一次審査)、映像審査(二次審査)、オンライン面談審査(三次審査)、最終審査(試食審査)、ファイナルのプレゼンテーションを経て、10月5日、新潟県佐渡市のフレンチレストラン「La Plage(ラ・プラージュ)」シェフ・須藤 良隆(すとう よしたか)氏がレッドエッグの栄冠を掴んだ。
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RED U-35 2025 グランプリは 須藤 良隆 氏(新潟「La Plage」)に決定!
佐渡で生まれ育った須藤氏が披露した料理は「佐渡の埋もれる宝」。豊かな佐渡の自然、失われつつある食の伝統技法、発酵文化の美しさを一皿に盛り込み、佐渡から世界へ“食の記憶を紡ぐ旅”が高い評価を獲得した。
業態:フレンチレストラン
席数:55席
コース:ランチ3,300円~、ディナー6,600円~
客層:宿泊客、地元客のハレの日、宴会、パーティーなど
アクセス:佐渡汽船両津港より路線バス45分、佐和田BS下車徒歩5分
営業時間:ランチ11:30~14:00、ディナー18:00~21:30
定休日 :不定休(浦島東館に準ずる)
https://r.gnavi.co.jp/mrje4bwf0000/
https://www.urasima.com/
目次
・RED U-35 最終審査で表現した故郷「佐渡」
・EARTH FOODS 25の9割以上が、佐渡にある
・料理スタイルは「土地と伝統に根差した現代フレンチ」
・佐渡島の「料理で島留学」プロジェクト
・もっと佐渡を知ってほしい
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RED U-35 最終審査で表現した故郷「佐渡」
――最終審査で披露した「佐渡の埋もれる宝」には、郷土への愛が詰まっています。
佐渡は日本の縮図のような島で、北から南まで幅広い食材が実り、まさに「食材の宝庫」なのです。海では寒流と暖流が交わることで魚種が豊富にそろい、畑では柑橘から野菜までしっかり育つ。米もお酒もおいしいし、発酵文化も根付いています。
一方で、このままでは途絶えてしまいそうな食文化もあります。そのひとつが「フグの子糠漬け」。猛毒のフグを2年間塩漬けし、さらに酒粕に漬けて無毒化するという伝統的な郷土料理ですが、今では担い手の職人が数人しかいない状況です。
佐渡の食材の豊かさと、失われつつある食文化の両方を表現するために、佐渡の海で育った真フグをメインに据え、自然の恵みや発酵食品を織り込んで構成したのが「佐渡の埋もれる宝」です。
「フグの子糠漬け」以外に、佐渡に自生する黒文字(国産ハーブ:クロモジ)の若枝(写真右)を使用したのは、魚屋から事業を始めた祖父が、毒消しと香りづけのために使っていたことを思い出したから。こうした食のちょっとした知恵や工夫を絶やさず、次の世代に伝えていくことも、私の使命のひとつだと思っています。
EARTH FOODS 25の9割以上が、佐渡にある
――まさに、今大会のテーマ「日本から世界へ〜EARTH FOODS 25」が息づいています。
RED U-35は10年以上前から気になっていたのですが、長い間、応募する準備ができずにいました。でも、今回のテーマが「日本から世界へ」だと知り、何となく自分の中でしっくりくる感覚があったのです。2024年に佐渡金山が世界文化遺産に登録されたことで世界を意識するようになり、RED U-35への参加が「食を通じて佐渡を世界にアピールできるかもしれない」と考えました。
また、コンペティションの料理に使う食材「EARTH FOODS 25」(世界に共有したい日本発の食のリスト25)のうち、9割以上が佐渡にあることにも気付きました。
島の食材を知った島外の料理人は「佐渡の食文化には学びが多い」と、その豊かさに目を見張ります。この輪を広げたい。そんな気持ちも、応募の後押しになりました。
料理スタイルは「土地と伝統に根差した現代フレンチ」
――「La Plage(ラ・プラージュ)」ではどんな料理を提供しているのでしょう?
佐渡の食材をフランス料理の技法で仕上げる現代フレンチが、私のスタイルです。和の食材は日本人の口によく合いますし、佐渡では採れたてを提供できる点も大きな魅力です。フランス料理にすることで、欧米の方にも佐渡食材のおいしさを、自然に伝えることができるはず。難しいこともありますが、いつか「佐渡フレンチ」と言っていただけるようになりたいと思っています。
秋のディナーコースから2品を紹介しましょう。
まず前菜「フィンガーフード」として佐渡の魚介、黒豚、野菜を駆使した5品に、椎茸を配合したブレッドを添えています。中でも「佐渡島黒豚のリエット」や「佐渡島黒豚のバントレッシュ チーズサブレ」に使用している黒豚は「Ryokan浦島」のみで提供している希少種です。飾りにあしらった葉や木の実も自分たちで採取し、自然の彩りを添えています。
メインディッシュ「佐渡牛フィレ肉のロースト 赤ワインと味噌のソース」は、月に1頭出荷されるかどうかの「幻の牛」です。オーブンに出し入れしながら、1時間ほどかけてじっくりとロースト。最後に炭で炙って香りづけをします。赤ワインのソースには、コクを出すために佐渡の味噌を使用。アクセントとして、菊芋のチップや佐渡の固有種・八幡芋(やはたいも)などの旬野菜を添えています。
いずれも採れたてを使用するので、季節ごと、日ごとにうつろう味わいを料理に生かしています。
佐渡島の「料理で島留学」プロジェクト
――企画中の「料理で島留学」プロジェクトについて教えてください。
佐渡と同じように、日本の各地には忘れられつつある食材や技法、工夫がたくさんあると思うのです。それらを発掘し、守り、復活させて次世代につなぐ方法を見つけるプロジェクトが「料理で島留学」。全国から佐渡に来てもらって共に学び、学んだことを持ち帰って実践する。それを積み重ねることが、「日本から世界へ」の実現につながるのではないでしょうか。
もちろん、一人でできることではなく、行政や地元の支援、ともに思いをひとつにできる仲間、「Ryokan浦島」のスタッフの協力が必要です。今、少しずつ、RED U-35の賞金も活用して実現に向けて動き出しています。
もっと佐渡を知ってほしい
――今後の目標を教えてください。
2026年には「ふぐの子糠漬け」に挑戦し、私が作り手の一人になり、伝承します。ふぐを無毒化するのは、世界に例がない高度な技。命にかかわることですから、食の安全の面からも日本の食文化の大きな価値だと位置付けています。
そして、もっと佐渡をアピールしたい。今回、ファイナルステージが大阪・関西万博のEXPOホールで開催されたことで、佐渡のことをより多くの人に知っていただくきっかけになりました。海も山もすぐそばにある佐渡は、四季ごとに異なる食材がそろい、料理人にとって宝箱のような島です。その食材を育むのは、島の人々の温かさと日々の営みでもあります。そんな佐渡の恵みと人の温もりを、ぜひ現地で感じていただければうれしいです。
夢と野望を抱く、新しい世代の、新しい価値観の料理人(クリエイター)を見いだし、世の中に後押ししていくため、これまでの料理コンテストとはまったく異なる視点で、 日本の食業界の総力を挙げて開催している料理人コンペティションです。
■ CO-ORGANIZER 共催:株式会社エービーエフキャピタル
■ CHEF SUPPORTERS:日本航空株式会社、ヤマサ醤油株式会社
「RED U-35」公式サイト
「RED U-35」のVISION
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