「ぐるなび戦略共有会議」を全国17カ所で開催

ぐるなびが毎年春と秋の2回、全国各地で開催している「ぐるなび戦略共有会議」。今秋のテーマは「2014年の忘年会対策」。9月3日の横浜・神戸会場から10月8日の金沢会場まで、全17カ所で行われた。

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満席の東京会場。「忘年会対策セミナー」では、データを駆使した分析や今年の年末動向について参加者がメモを取る姿も見られた

回復傾向が見える外食市場の現状と年末への対策を紹介

ぐるなびが加盟店を対象に毎年、春と秋の2回、全国各地で開催している「ぐるなび戦略共有会議(GONMEETING)」。毎回、現在の外食市場の動向や消費者の傾向を分析・共有し、宴会シーズンに向けた準備を促すのが大きな目的。同時に、会場ごとに外食企業の経営者やオピニオンリーダーが登壇し、経験やノウハウを披露する基調講演も好評を得ている。

今秋のテーマは、1年で最大の繁忙期である年末商戦に向けた「2014年の忘年会対策」。9月3日の横浜・神戸会場から、10月8日の金沢会場まで、前回より4カ所多い17カ所で行われた。

9月18日の東京会場では、過去最高の1525名が来場。講演会場の席が急きょ拡大されるほど活況を呈した。

会の冒頭、ぐるなびから「外食市場の現状と今後の展開」について報告。続く特別講演「地産地消と今後のレストラン」では、「オテル・ドゥ・ミクニ」のオーナーシェフ・三國清三氏とフードコラムニストの門上武司氏が登壇し、門上氏の進行で、三國シェフの原点や料理哲学、食材への思いなどが存分に語られた。

そのなかで三國シェフは、師事したフランス料理界の重鎮たちが地産地消のレストランを経営していたこと、自らもそのコンセプトを日本で貫こうと1983年に帰国し、今まで活動してきたと回顧。廃れていた京野菜を復活させた料理界の力や、現在注目している「江戸東京野菜」の魅力を紹介した。さらに三國シェフは「レシピはあくまで基準であり、それを超えたところに料理がある」として、もっとも重要な要素は「人」であると力説。6年後の東京オリンピックに向け、料理界・外食産業が人材育成も含めて飛躍していく必要性を語った。

この後に行われた「2014忘年会対策セミナー」では、ぐるなびから、年末商戦に向けての様々な戦略や有効な情報発信の方法が提案された。

まず、各種のデータから外食市場に回復傾向が認められること、なかでも年間1000万人を超える訪日外国人の存在が大きく影響していることを確認。また、昨年の忘年会では「高価格だが良質なプラン」に力を入れた店の売上が好調だったことに触れつつ、今年の忘年会の開催ピークや平均予算のボリュームゾーン、宴会規模の傾向などが、データとともに明示された。

さらに、「飲み放題のドリンクの種類が多い」「料理のボリュームがある」「コースの品数が多い」ことが、会社関係の忘年会において必須の条件になっており、より選ばれる店になるためには「看板メニューやこだわりメニュー」「安心・安全の食材」が重要だと言及。同時に、これらをしっかりと発信するぐるなびの活用方法、Web予約に対応するぐるなびの即時予約システムなども紹介された。

さらに午後は、株式会社エー・ピーカンパニー取締役副社長、大久保伸隆氏が「塚田農場『人が自然に育つ人材開発・人が自然に集まる組織戦略』」と題して講演。社の理念として「食のあるべき姿の追求」を掲げ、「生販直結」システムを確立し、客の満足度とともに生産者や従業員のモチベーションのアップにも成功している同社の取り組みを、様々な実践事例を通して紹介。躍進を続けている同社の戦略・戦術を、惜しみなく開示して、参加者から大きな拍手を受けた。

SMARTチェックインの体験コーナーも盛況

東京会場では、ぐるなびが提供している様々なサービスやツールを紹介するブースが設置されたほか、全国各地の生産者が自慢の食材をアピールする商品展示会が併設で開催された。

ぐるなびの新しいアプリサービス「SMARTチェックイン」のコーナーでは、システムの解説や体験とともに、「お試しキャンペーン」を実施。その場でチェックインした人に抽選で最大1万円の商品券が当たるという趣向で人を集めた。ほかにも、同コーナーでは、明日から店で使える「SMARTチェックイン スターターキット」を無料で配布。店のオペレーションなしで簡単に会員を増やせることから、スターターキットを持ち帰る姿が多数見られた。

そのほか、「ぐるなびWeb予約システム」の「即予約コールセンター」出張受付コーナーが設けられ、空席管理をぐるなびがサポートする新システムについて、説明を求めて訪れる参加者が相次いだ。また、「ぐるなび外国語版」などインバウンド対策の案内なども盛況で、17時の閉会まで賑わいを見せた。

株式会社エー・ピーカンパニー取締役副社長の大久保伸隆氏。「塚田農場」の取り組みを基調講演で解説
特別講演で地産地消の重要性を自らの経験を通して語った「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國清三氏(右)と、コーディネーターの門上武司氏(左)
ぐるなびの新アプリサービス「SMARTチェックイン」の特設コーナー。多くの参加者が訪れ、熱心に説明を聞いた
ぐるなびの様々な取り組みを紹介するコーナー。「ぐるなび外国語版」などのインバウンド対策ツールも来場者からの強い関心を集めた

東京会場の「ぐるなび商品展示会」に127ブースが出展。飲食店を応援する「産地フェア」が盛況!

東京や大阪など数カ所の会場では、「ぐるなび商品展示会」も同時に開催され、各地の生産者が自慢の食材を持ち寄り、来場した飲食店関係者に直接アピール。生産者と飲食店がつながる恰好の機会となった。

東京会場には、全国の生産者やメーカーなどからの出展があり、ブースの数は127に上った。野菜・果物、畜産、魚介、調味料など多彩な食材や加工商品が、地域ごとに並び、飲食店関係者は産地を意識しながらメニュー開発に役立つ新しい食材や、生産者・仕入れ先との出会いを求めて熱心に巡回していた。

また、新潟、島根、広島においては各県の食材を集めた特別ブース「産地フェア」が設置された。これは、各県産の厳選された安心・安全な食材と、飲食店・シェフを結ぶことで、産地を応援するとともに、これらの食材を使ったメニュー展開やイベント開催をサポートして、飲食店のブランドアップを支援するぐるなびの取り組みの一環。各県のブースとも、東京ではなかなか手に入らない貴重な食材や商品の魅力を紹介して、来場者の注目を集めた。「産地フェアで驚くほどおいしい商品を見つけた」と語るオーナーは、「さっそくメニュー開発に取り組みたい」と意気込みを語りながら会場を後にした。

商品展示会では、出展生産者が協賛した景品が当たる抽選会も企画。多くの挑戦者が参加して会場は大いに盛り上がった。今後は、1月のぐるなび戦略共有会議でも商品展示会は開催予定。ますます規模を拡大して多くの食材と飲食店の出会いの場となる展示会に期待していただきたい。

参加した飲食店関係者に対して、生産物や商品について説明する生産者(右)。会場のあちこちで、交流と商談の輪が広がった
「産地フェア」のコーナーには新潟、島根、広島のブースが並び、東京ではあまり知られていない魅力ある食材と商品が紹介された
試食を通して食材の味を確かめられるのも商品展示会ならでは。試食がきっかけで商談につながるケースも少なくない
各出展ブースには、生産者の顔や食材の魅力などをまとめたポスターを掲示して「安心・安全」をアピール