2016/05/16 NEWS

「RED U-35」シェフが料理を考案した観光列車が運行開始

料理人コンペティション「RED U-35」の初代グランプリ・杉本敬三氏、3代目グランプリの篠原裕幸氏らがメニューを考案。「つきぢ田村」の田村 隆氏が監修したコース料理を楽しめる観光電車が運行を開始した。

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4人のシェフがブランチと、ディナーのコースを考案

株式会社ぐるなびが共催し、日本料理界の新たなスターを発掘するコンペティション「RED U-35」。その初代グランプリ(レッドエッグ)に輝いた杉本敬三氏(「Restaurant La FinS」)、3代目グランプリの篠原裕幸氏(「海鮮名菜 香宮」)に加え、「La BOMBANCE」のオーナーシェフ・岡元 信氏がメニューを考案し、「つきぢ田村」三代目主人の田村 隆氏が総合監修した2種のコース料理を電車内で楽しめるのが、「西武 旅するレストラン 52席の至福」だ。これは、西武鉄道株式会社が4月17日より運行を開始した、全席レストラン車両の観光電車。西武線沿線の代表的な観光地である埼玉・秩父の自然をモチーフにデザインされた車両のなかで、「乗って楽しい」「食べて美味しい」をテーマに、すべての座席で特別な食事が楽しめる。

4人のシェフが考案した「至福の12種類の前菜」。味・食感・色のバランスを試行錯誤しながら完成

4人のシェフが手がけたのは、池袋駅、もしくは西武新宿駅から西武秩父駅・本川越駅に向かう電車内で提供される「ブランチコース」(1万円)と、逆の系路での「ディナーコース」(1万5000円)。「ブランチ」では、杉本氏が「武州和牛のポ・ト・フ ~サプライズ仕立て」を、「ディナー」では篠原氏が「里芋リブロース巻黒酢煮込みフカヒレ添え」を考案するなど、ともに埼玉県産の「武州和牛」を使ったメニューをメインに据えている。また、「秩父の春」をイメージし、4人のシェフが共同で作り上げた「至福の12種類の前菜」は両コースに組み込まれ、彩り鮮やかな一皿が旅に花を添えている。

篠原氏が仕上げた「ディナーコース」のメイン「里芋リブロース巻黒酢煮込みフカヒレ添え」
「ブランチコース」のメインは、杉本氏による「武州和牛のポ・ト・フ ~サプライズ仕立て」

4月14日には運行に先がけて、メディア向け試乗会を実施。世界的な建築家・隈 研吾氏が内外装を担当した全4両が公開された。1号車は多目的スペース、2、4号車は各26名(計52名)分のテーブルがある客席車両、3号車はオープンキッチンとバーカウンターを設置。内装には地場産の西川材が使われ、その繊細なデザインは注目を集めていた。また、当日は「ディナーコース」も振る舞われ、参加者は舌鼓を打った。

秩父の四季と、自然豊かな秩父や武蔵野を流れる荒川の水をダイナミックに表現した車両外装
オープンキッチンが設置された3号車は、杉材の美しい木目を活かしたデザイン。ほかにバーカウンターも
2号車のオープンダイニング。鍾乳洞や洞窟をモチーフにした天井には、柿渋和紙が使われている

「西武 旅するレストラン 52席の至福」は、土・日曜・祝日を中心に年間100日程度の運行を予定。運行時間はディナーが約2時間30分、ブランチが約3時間。その間にコース料理が提供される。今回のコースが食べられるのは6月いっぱいで、早くも予約が取れないほどの人気となっている。

料理を手がけた4人のシェフ

La BONBANCE オーナーシェフ 岡元 信 氏
「『52席の至福』の車窓に映るみなさまの笑顔を浮かべながらメニューを考えました。楽しい時間をゆっくりお過ごしください」
つきぢ田村 三代目主人 田村 隆 氏
「若き料理人たちが一つになって限られた時間の中で創造し、乗車される方々の笑顔を思い浮かべながら、仕上げました。一皿に込められた情熱が伝われば幸いです」
海鮮名菜 香宮 料理長 篠原 裕幸 氏
「西武線沿線で生まれ育ち、子供の頃に何度も行ったことのある秩父。記念すべき第1回の料理の考案に携われるのはとても光栄です!」
Resutaurant La FinS オーナーシェフ 杉本 敬三 氏
「有名な建築家の方、有名な音楽家の方、そして、有名なシェフたちの中で僕も一員として料理が作れることをうれしく思います」