第1回のテーマは「発酵」!「CLUB RED presents Professional Workshop Vol.1」
“夢の講師陣を迎えた次世代料理人塾”が開校!これからの料理人に必要な総合的知識を学ぶ
1日限りの料理学校。5つの講座と懇親会を実施
2013年に始まった、新時代の日本の料理界をリードする若き才能を発掘する、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」。昨夏には、料理人たちの交流や発信の場となる「CLUB RED」も創設され、同クラブによる初のワークショップ「CLUB RED presents Professional Workshop Vol.1 夢の講師陣に学ぶ次世代料理人塾」が、2016年8月29日(月)、武蔵野調理師専門学校(東京・池袋)にて開催された。
第1回となる今回のテーマは、「RED U-35 2016」の一次審査応募テーマでもある「発酵」。講師には各界のプロフェッショナルを迎え、5つの講座で構成され、クラブのメンバーや、「RED U-35」への応募実績者、協賛企業関係者ら、計62名が参加しての実施となった。冒頭、「RED U-35」総合プロデューサーの小山薫堂氏が、「一流と二流の差はほんの少し。この講座でその微差をつくり出していただければうれしい」と挨拶。事務局からの「CLUB RED」活動報告を経て、「発酵」を5つの角度から追求する講座が始まった。
1限目は、日本料理の巨匠・村田吉弘氏が、日本の発酵調味料の代用品を発酵菌を使わずに作るという「実験的講座」。加えて4限目には研究者による麹菌の「学術的講座」を行い、この2つの講座で「発酵」のより広い知識を習得できる仕組みだ。さらに2、3限目では、経験豊かなシェフを講師に、世界の料理を知る意義や料理人としての生き方に触れ、最後の5限目では、最先端の農業を学び、あらためて生産者について知るという流れ。受講したシェフたちは、貴重な機会を自身の料理に活かそうと、熱心に聞き入っていた。
講座修了後は、会場を「Ginger's Beach SUNSHINE」(東京・池袋)に移して、懇親会(18~21時)。村田吉弘氏の乾杯の発声のあとは、料理やゲームで楽しい時間に。各分野で高度な知識・経験を持つ講師陣を招き、スキルアップと交流を図る「次世代料理人塾」は、熱気冷めやらぬままに、幕を閉じた。
RED U-35(RYORININ’s EMERGING DREAM)は、新時代の日本の料理界をリードする、若き才能を発掘する料理人コンペティション。夢と野望を抱く新しい世代の、新しい価値観の料理人(クリエイター)を見出し、世の中に後押ししていくため、これまでの料理コンテストとはまったく異なる視点で、日本の食業界の総力を挙げて開催されている。グランプリ受賞者(レッドエッグ)には賞金500万円を贈呈。2013年よりスタートし、現在、第4回となる「RED U-35 2016」を開催中。
歴代のRED U-35において、優秀な成績(一次審査通過/ブロンズエッグ以上)を修めた料理人と歴代の審査員とともに、料理人たちの交流・経験・発信の場となる様々な活動を進めていくための、食のクリエイティブ・ラボ。
CLUB RED presentsProfessional Workshop Vol.1 テーマ「発酵」
Session1(10:00~11:10)
発酵調味料の理論と調理技術
~発酵菌の存在意味を考える~
日本伝統の発酵調味料、醤油・味噌を、発酵菌を使わずに作る。できた“new醤油”“new味噌”を使った料理を全員で試食。「料理は化学」を実践した。
Session2(11:20~13:30)
南米料理の知識と調理法
~日本の裏側にある国の食文化~
南米の「セビーチェ」「タコス」を調理実習。試食を兼ねた昼食後、32カ国を訪れた川﨑氏の海外体験を盛り込んだ講座は、調理人たちに刺激を与えた。
Session 3 (13:40~14:50)
美食の街で学んだこと
~函館の料理人たちと共に今!~
北海道・函館でのイベント「バル街」や「世界料理学会」など、料理を通じ自分たちの考えを発信する意義について講演。料理人の社会貢献を考える。
Session4(15:00~16:10)
和食の味を彩る麹菌の過去・未来
~日本人と共に在る微生物の真の姿を探る~
より専門的な観点から「麹菌とは」を解説。日本にしかない菌であり、奈良時代の文献にも米麹の記述があることなど歴史も学び、発酵の知識が深まる。
Session5(16:20~17:30)
農業の科学的取り組みと最先端技術
~日本の食文化発展と国際的課題~
ICTを駆使した農産物の品質設計・管理の最前線を解説。「調理されることを意識した農業が重要であり、情報収集能力が今後の料理人には必要」と語る。