若手シェフ約80名が参集!「CLUB RED Professional Workshop Vol.2」
“夢の講師陣に学ぶ次世代料理人塾”が今年も開講!多彩な講義や「チーム対抗料理対決」を実施
トークセッションや実習で、知識と技術を深める機会に
次世代の若きスターシェフを発掘する、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」。この歴代成績優秀者や審査員らで構成される「CLUB RED」が、昨年に引き続いて「CLUBRED Professional Workshop Vol.2~夢の講師陣に学ぶ次世代料理人塾~」を、8月6日に「東京誠心調理師専門学校」(東京・蒲田)で開催。全国から若き料理人約80名が集まった。
初めに行われた基調講演は、「RED U-35」総合プロデューサーの小山薫堂氏と、2017年度審査員長を務めるWakiya一笑美茶樓の脇屋友詞氏によるトークセッション。さらに、第1回グランプリの杉本敬三氏と、第2回グランプリの吉武広樹氏も登壇し、それぞれの経験から、次世代の若手シェフへメッセージを送った。
午後の講義は、ソムリエの田崎真也氏を皮切りに、空間、哲学、味覚、におい、土壌など多彩なテーマで、第一線で活躍する専門家6名が、今後の食やレストラン経営を考えるうえで知っておきたい知識を伝授。また、参加者は午前中に講師が出題したミニペーパーテストを受けており、各講義の中でその答えを発表。自身の知識レベルが明確になり、より集中して講義に聞き入っていた。
講義の後は、参加した約80名のシェフを10チームに編成し、「チーム対抗料理対決」を実施。「世界に通用する日本のカレー」をテーマとし、チームごとにオリジナルのカレーを開発した。できあがったカレーは、小山氏、脇屋氏と、料理プロデューサーの狐野扶実子氏、ミュージシャンの小宮山雄飛氏が審査。料理の味だけでなく、原価と売価も厳しくチェックするなど、シェフたちの可能性を見極めた。
夕刻からは、場所を変えて懇親会を実施。参加者は積極的に情報交換し、終始賑やかな雰囲気のなかで幕を閉じた。
新時代の日本の料理界をリードする、若き才能を発掘する料理人コンペティション。夢と野望を抱く新しい世代の新しい価値観の料理人(クリエイター)を見出し、後押ししていくため、これまでの料理コンテストとはまったく異なる視点で、日本の食業界の総力を挙げて開催されている。グランプリ受賞者(レッドエッグ)には賞金500万円を贈呈。2013年よりスタートし、現在、第5回となる「RED U-35 2017」を開催中。
歴代のRED U-35で優秀な成績(一次審査通過/ブロンズエッグ以上)を修めた料理人と歴代の審査員で構成される食のクリエイティブ・ラボ。次代を担う料理人たちの交流・経験・発信の場となり、様々な活動を進めている。
基調講演
「料理人が今すべきこと」
脇屋氏は、自らの料理人としてのターニングポイントを振り返り、「料理の技術を磨くだけでなく、一緒に働く周りの人の動きをつかむために、日々の地道な努力が不可欠」と強調。小山氏は「一流とそうでないものの差は"微差"。その差を埋める努力を惜しまないことが大切」と述べるとともに、「アートや音楽、歴史などにも触れて感性を磨いてほしい」と呼びかけた。
小山 薫堂氏
脇屋 友詞氏
Session1「オリジナルの復活」
田崎 真也 氏
田崎氏は、世界のワイン事情などを解説。「昨今、日本の甲州種が高く評価されているように、世界各地でその土地独自の要素が追求されている」と述べた。
Session2「お料理を美味しく見せる光とは」
柏木 章 氏
柏木氏は「光によって、料理の見え方が変わる」と語り、赤みを取り入れた紫色のLEDがベターであること、間接照明・直接照明の心理的効果などに触れた。
Session3「ガストロノミーの世界基準」
生江 史伸 氏(映像出演)
世界のガストロノミーに精通する生江氏は、地球温暖化の要因の1つとして食品廃棄を挙げ、「料理人として、環境問題を意識するのは“世界基準”」と訴えた。
Session4「味の科学 ~おいしさをデザインするための基礎知識~」
川崎 寛也 氏
川崎氏は味覚の役割や脳への伝わり方、味を構成する化学成分などについて触れ、「食材や調理法の分析と再構成が、料理の発展につながる」と語った。
Session5「香りを感じる嗅覚のしくみ」
東原 和成 氏
東原氏は、数百種の物質の組み合わせが「香り」であることや、香りを感じる仕組みを解説。「香りは味と連携し、食べ物のおいしさを作り出す大切なもの」と強調した。
Session6「土は活きている」
丸山 訓 氏
丸山氏は「作物を育てる土は、食べ物と密接な関係にある」と紹介。堆肥の作り方や、土壌中の化学成分、土の成分と作物の栄養価の関係などを示した。