熱海市とぐるなびがパートナーシップ協定を締結
食の情報発信で熱海の活性化へ
全国有数の人気温泉地である熱海温泉を抱える静岡県・熱海市と株式会社ぐるなびが、「熱海市活性化に関するパートナーシップ協定」を結ぶ運びとなり、2月23日、熱海市役所の市長応接室で締結式が行なわれた。締結式には地元静岡新聞や熱海新聞のほか、在京週刊誌など各種メディアが多数取材に訪れ、熱海市が食の分野で民間企業と協定を結び連携する初の試みに、高い関心を寄せた。
駅前の再開発事業の推進など生まれ変わろうとしている熱海は、山と海に囲まれた風光明媚な土地。今後、ぐるなびはパートナーとして、食の情報の発信はもちろん、旅、外国人観光客誘致、地域ブランド化といったキーワードをもとに、熱海の活性化に寄与していく方針だ。
締結式では冒頭、田邉国治副市長により、企業との連携による積極的な情報発信施策が重要課題だったことなど、協定までの経緯を説明。続いて齊藤 栄 熱海市長と株式会社ぐるなび 滝 久雄 代表取締役会長が協定書にサインをし、協定が締結された。
齊藤市長は、「熱海には別荘地としての歴史があり、古くより文人墨客や政治・経済界のVIPが訪れるなど、食通が集まる文化があり、多くの飲食店が軒を連ねている。新生熱海への取り組みのなか、日本で最も早くITによる食の情報発信提供を推進したぐるなびとともに、熱海の食のブランド力アップと、 外国人観光客の強化をぜひ実現していきたい」と挨拶。
これを受け、滝会長は「ぐるなびは外食産業の情報問屋として、全国の食や旅、お土産などの情報を網羅してきた実績がある。熱海の食のブランド化や外国人観光客向けのイベントを含め、中期的・長期的な提案をしたい」と、展望を述べた。
締結式後は、記者団と一緒に市街の人気飲食店を視察。「中華飯店 大一樓」(写真上段)、「焼肉 秘苑」(写真中段)、谷崎潤一郎など文豪が通ったことでも著名な洋食店「スコット」(写真下段)を訪れ、それぞれの看板料理を試食し、意見交換を行なった
人気飲食店と熱海ブランド事業を視察
閉式後は、ぐるなび滝会長と久保征一郎 代表取締役社長が記者を交えながら、市内3カ所の飲食店を視察し、それぞれの自慢の料理を試食。また、熱海商工会議所に場所を移し、2011年に海鮮や菓子などの28品目を認定した熱海ブランド事業「A-PLUS」について、事務局長の太田最巳氏から、発足の経緯や説明を受けた。会場ではひもの店の老舗「釜鶴」の5代目である二見一輝瑠氏が、「A-PLUS」の認定を受けた自家製ひものの製法やこだわりを説明。熱海の食の魅力と質の高さを再確認するとともに、様々な側面から熱海市活性化の可能性を認識した一日となった。