「居酒屋JAPAN 2021」開催!コロナ対策やテイクアウト資材のほか、省人化・教育ツールにも注目集まる

6月30日~7月1日の2日間、東京・池袋で国内随一の規模を誇る外食業界の専門展示会「居酒屋JAPAN 2021」が開催された。その模様をリポートする。

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 6月30日(水)、7月1日(木)の2日間にわたり、池袋サンシャインシティ文化会館(東京・池袋)にて、「~居酒屋の未来を創造する~居酒屋JAPAN2021」が開催された。「居酒屋JAPAN」は、飲食業界の専門展示会。居酒屋関連の業界団体と外食メディアがコラボレーションして企画しており、食材や資材、調理機器、店舗運営・販促システムなどが展示されるほか、繁盛店の経営者やコンサルタントによるセミナーなども実施。2018年からは大阪でも開催されている。例年1月に行われるが、今年は1月、1都3県に緊急事態宣言が発令されたことなどから今般に延期となった。

 東京会場には、消毒薬などの衛生資材や換気レベルを測定する二酸化炭素濃度計測機、“非接触”をうたうテーブルトップオーダーシステムなど、コロナ対策に関連する製品や、省人化をうたうツールが多数並んだ。そのほかテイクアウト・デリバリー用の包材、人材育成やスタッフ間のコミュニケーションを促進するITツールなども注目を集めていた。

  • 株式会社IoTBankは、室内の空気環境を“見える化”する「まもセンサー Air」を展示。小型のセンサーで二酸化炭素濃度と温湿度を計測するもので、自前のスマートフォンやタブレット、パソコンなどに表示できる。通信機能を内蔵しており、インターネット環境がなくても各種デバイスに接続可能
  • 富士工業株式会社は、飲食店向け業務用空気清浄機「CoCoCLEAN(ココクリーン)」を展示。油などをキャッチする金属製フィルターを搭載しており、空気清浄機のフィルターの目詰まりを防いで高い吸引力を維持。抗ウイルス集塵フィルターも備え、油、ウイルス、臭いなどを強力に除去する
  • アクトU株式会社は、「TOP-CAN」(写真下)をアピール。ドリンクのカップやフードボウルに缶詰のフタをする機械で、密閉度の高いシーリングができる。ドリンクの容器は、アルミ缶と透明プラスチックボトルの2種類から選べる。フードボウルは紙製。テイクアウト・デリバリーのほか、店内提供にも汎用性がある
  • 株式会社アルファクス・フード・システムは、飲食店向けのロボットなどを展示。「2号機配膳・下膳AIロボット」は、料理やドリンクを載せる部分にカバーを付けているのが特徴。ほか、店内の除菌に特化したロボットなどもある。レンタル、購入のいずれも可能
  • Talknote株式会社は、社内のコミュニケーションツール「Talknote」をアピール。社内や部署ごとのコミュニケーションの密度を定量化する「組織活性スコア」、社員のコンディションを可視化する「人材レポート」などの機能があり、社内コミュニケーションの精度向上、理念や目標の浸透に役立つ
  • 株式会社エルゴジャパンは、喫煙ブース「SMOKE CLEAR(スモーククリア)」をアピール。空気の清浄効果が高く、ブース内の煙が外に漏れないのはもちろん、たばこを吸う人の髪や服にも臭いが付きにくく、ブースから出た際の臭いも抑制できる
  • 「店舗デザインアワード」の協賛ブースに展示されていた株式会社LABOTの「BAG-IN CHAIR(バッグインチェア)」。座面と背もたれの間に手荷物置き場が付いた椅子で、写真のほかにもデザインが豊富。傘かけの付いたものや、ハイチェア、スツールタイプもある
  • 縄時食品株式会社は、藍色の日本酒「清藍」をアピール。吟醸酒にバタフライピーという無味無臭のハーブを加えて藍色に仕上げたもので、レモンやライムなどを加えると紫色に変化するのも特徴。「冷やした清藍にレモンを添えて提供するのがおすすめ」(担当者)

 また期間中、東京会場では「第17回外食アワード2020」の表彰式と、「第1回店舗デザインアワード2021」の発表が行われた。「店舗デザインアワード」とは、店舗の外観・内装デザインやコロナ対策を踏まえたレイアウトなど、新しい店舗のあり方を提案・発掘する場として、今回初めて実施されたもの。優れたデザイン性を表現した作品を表彰する「店舗デザイン部門」、効果的な改善点が分かる優秀作品に贈られる「店舗リノベーション部門」、メディアが選ぶ特別賞などが設けられ、全国から以下9つの事例が受賞した。※店名(デザイン会社名)を記載。

<居酒屋 店舗デザイン部門 優秀賞>
■José Luis(株式会社 DESIGN STUDIO CROW)
■2983 NIQBAR THUNDER YAHABA(株式会社Isoe)
■和 蔦次郎(THREE)

<焼肉 店舗デザイン部門 優秀賞>
■焼肉の名門 天壇 桂五条店(株式会社ドアーズ)
■焼肉トラジ イクスピアリ店(橋本夕紀夫デザインスタジオ)
■横浜焼肉kintan(株式会社Design Eight)

<店舗リノベーション部門 優秀賞>
■炭火とワイン 京都河原町店(株式会社Reco)

<居酒屋 店舗デザイン特別賞(外食産業新聞社賞)>
■タイ屋台999日比谷グルメゾン店(ActsDesignHaus株式会社/有限会社スタジオムーン)

<焼肉 店舗デザイン特別賞(日本食糧新聞社賞)>
■桔梗苑 本店(株式会社ベーネ)

 同時開催となった「焼肉ビジネスフェア2021」とあわせて、2日間で1万5,036人の飲食店関係者が来場。コロナ禍で対面での商談や商品に触れる機会が減る昨今にあって、今後の店舗運営や経営戦略のヒントを得る貴重な機会となった。