2011/11/01 特集

店格を上げる空間づくり

いかにお客様にとって好印象なお店を作るか? ということは、飲食店経営において永遠のテーマ。どんなスタイルのお店であっても、お店の「品格」=「店格」はお店の印象を決めるうえで、重要な要素である。そこで、空間デザイナーの柿谷耕司氏に、お店の格を上げる空間づくりの基本やコツを指南いただいた。

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いかにお客様にとって好印象なお店を作るか? ということは、飲食店経営において永遠のテーマ。どんなスタイルのお店であっても、お店の「品格」=「店格」はお店の印象を決めるうえで、重要な要素である。そこで、空間デザイナーの柿谷耕司氏に、お店の格を上げる空間づくりの基本やコツを指南いただいた。

今、飲食店の空間に求められるのは「エンタメ性」と「現実からの解放」

これまでに様々な飲食店で空間デザインを手掛けて、高い評価を得てきた柿谷耕司氏。多くの人から支持される店舗空間は、どのようなステップを踏んで生み出されるのだろうか。

「まず大前提として、お店作りは、来店されるお客様(客層)、お店のコンセプト、そしてデザイナーの発想、その3つが三位一体になっていることが基本です」。

その三角形を軸にして、立地特性や社会性、来店動機、店で過ごす時間を客にどのように楽しんでもらいたいかなどの要素を組み合わせ、空間づくりのベースを決めていくのだという。

「特にお店のコンセプトが明確でないと、その空間は絶対に弱いものになってしまいます。かつて映画監督の黒澤明氏は、『映画作りにおいて、弱い稲には豊かな実りはない』と言ったそうです。つまり、脚本が弱ければいい映画は絶対にできない、と。空間づくりにおいても、それと同じことが言えると思います」。

では、柿谷氏が考える、店の格を上げる空間づくりにおいて、今強く求められるものとは?

「まずは料理のおいしさや、気の利いたメニュー構成といった飲食店としての基本的な価値に加えて、あの店に行けば、何かが私を楽しませてくれるんじゃないかとお客様に思わせる、ある種のエンターテインメント性ですね。つまり、時間を買ってもらえる空間設定ができるかどうかが、使ったお金以上の楽しみをお客様に与えられるかを大きく左右すると思います」。

さらに、もうひとつが「客を現実から解放してあげること」と、柿谷氏。

「そのお店に行けば、心が豊かになる、あるいは翌日からの活力をもらえるーそうお客様に感じてもらうことが重要。今は精神的な豊かさが足りない時代だからこそ、そういうことがお店の価値や品格につながるのではないでしょうか」。

柿谷耕司アトリエ代表
柿谷耕司 氏1980年代より飲食店や物販店の空間デザインを幅広く手がける。JCDデザイン賞など、様々なデザイン賞を受賞。作品集に「DESIGNER'S SHOWCASE

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