FC(フランチャイズ)ビジネスを知る!
Q1 FC契約とは?
FCビジネスの基本概念を押さえ、ライセンス契約との違いも把握する
一口にFC事業と言っても、展開の仕方や加盟店との関係性は様々だ。まずは、FCビジネスの基本的な概念を押さえておこう。
外食企業のフランチャイズ本部構築なども支援する、飲食コンサルタントの三ツ井創太郎氏は、「FC契約とは、自社の商号や商標、商品・サービスを他者(社)が使用する権利や、それらに伴う技術指導や経営指導を行う対価として、加盟金やロイヤリティが発生する契約のこと」と説明する。一般にサービスや商品を提供する側を「フランチャイザー」と呼び、それらを使用してロイヤリティを支払う側を「フランチャイジー」と呼ぶ。前者が「FC本部」、後者が「加盟者(店)」だ。
また、FC本部が提供するサービスや商品、商標やノウハウ、経営指標などをセットにしたものを「FCパッケージ」という。「このパッケージに何を入れるかは、FC本部の裁量」と三ツ井氏。商標使用をはじめ、すべての商品とサービス、食材、売り方、内装、販促物、備品などを、FC本部が詳細に定める場合もあれば、主力のメニュー以外は加盟店の自由とする場合もある。また、商品やサービスのノウハウだけをパッケージ化し、商標使用を義務付けない(あるいは許可しない)契約もある。
一方、FCと似た方法に「ライセンス契約」がある(下表参照)。これは「パッケージ化されたビジネスの使用許諾の契約で、FC契約より加盟店の自由度が高いイメージ」(三ツ井氏)。“売り切り”が多く、継続的な経営指導を伴わない場合が多いため、FCの本部機構が整っていない企業が、採用しやすい形態ということができる。