2019/02/26 特集

自社ブランドをどう広げていくか? 10のQ&Aで検証! FC展開、成功のカギ

フランチャイズ(FC)事業には、ビジネスモデルの再現性やマネジメント力など様々な力が求められる。FC展開で考えるべきポイントを専門家に聞くとともに、自社ブランドのFC化に取り組む2社のケースを紹介する。

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FC(フランチャイズ)ビジネスを知る!

株式会社スリーウェル マネジメント 代表取締役社長 経営コンサルタント 三ツ井 創太郎氏
大学卒業後、飲食企業に就職。多店舗化に向けた組織構築や業態開発などを10年以上経験した後、株式会社船井総合研究所に入社。多数の飲食企業の支援を行う。2016年、株式会社スリーウェルマネジメントを設立し、個人店から大手外食企業まで幅広くサポートする。著書に「飲食店経営“人の問題”を解決する33の法則」(同文舘出版)がある。
「飲食店経営“人の問題”を解決する33の法則」(Amazonの外食産業本売れ筋ランキング1位を獲得)

Q1 FC契約とは?

FCビジネスの基本概念を押さえ、ライセンス契約との違いも把握する
 一口にFC事業と言っても、展開の仕方や加盟店との関係性は様々だ。まずは、FCビジネスの基本的な概念を押さえておこう。

 外食企業のフランチャイズ本部構築なども支援する、飲食コンサルタントの三ツ井創太郎氏は、「FC契約とは、自社の商号や商標、商品・サービスを他者(社)が使用する権利や、それらに伴う技術指導や経営指導を行う対価として、加盟金やロイヤリティが発生する契約のこと」と説明する。一般にサービスや商品を提供する側を「フランチャイザー」と呼び、それらを使用してロイヤリティを支払う側を「フランチャイジー」と呼ぶ。前者が「FC本部」、後者が「加盟者(店)」だ。

 また、FC本部が提供するサービスや商品、商標やノウハウ、経営指標などをセットにしたものを「FCパッケージ」という。「このパッケージに何を入れるかは、FC本部の裁量」と三ツ井氏。商標使用をはじめ、すべての商品とサービス、食材、売り方、内装、販促物、備品などを、FC本部が詳細に定める場合もあれば、主力のメニュー以外は加盟店の自由とする場合もある。また、商品やサービスのノウハウだけをパッケージ化し、商標使用を義務付けない(あるいは許可しない)契約もある。

 一方、FCと似た方法に「ライセンス契約」がある(下表参照)。これは「パッケージ化されたビジネスの使用許諾の契約で、FC契約より加盟店の自由度が高いイメージ」(三ツ井氏)。“売り切り”が多く、継続的な経営指導を伴わない場合が多いため、FCの本部機構が整っていない企業が、採用しやすい形態ということができる。

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