徹底的な油対策と、空き時間の“ちょい拭き”で10年前と変わらない空間を維持!
Case2 【沖縄・沖縄市】ゆくり家 お花
修業時代に身につけた高い掃除意識を店全体で共有
Check! 厨房
油汚れはすぐ落とす! 床掃除は道具や洗剤を使い分け
那覇市に次ぐ沖縄第2の都市・沖縄市の住宅地で、10年以上愛されてきた居酒屋「ゆくり家 お花」。定評のある料理に加えて、昭和初期の花街を連想させる雰囲気も売りの1つだ。清掃の行き届いた店内は10年前から色あせず、むしろ使い込んだことで生まれる重厚さは、経営する株式会社アシスト・沖縄統括地区長の深川一彦氏と店長の黒坂賢氏が、修業時代に培った掃除への高い意識をベースに店づくりを行ってきた賜物と言える。「東京で修業をしていたとき、上司が求める掃除が、自分が考える掃除より何倍もレベルが高かったのです。最初の1年は叱られっぱなしでした」と黒坂氏は振り返る。だが、その甲斐あっていつの間にか、上司のレベルが自身のものとなった。また、福岡で修業時代を過ごした深川氏も同様の経験をしたことで店の「掃除の基準」が形成され、後輩の翁長氏らに引き継がれてきた。今では、厨房を黒坂氏、ホールを翁長氏が担当して、“キレイ”をキープしている。
「以前は月に1回、時間をとって大掃除をしていましたが、人手不足で難しくなったこともあり、現在は月曜日に1時間ほど早く出勤し、『掃除強化日』としています」と、黒坂氏は具体例のひとつを語る。平日と週末の終業は午前3~5時だが、日曜日は24時。そのため月曜日は早めに出勤できるからだ。また、週末は平日より汚れやすいので、月曜日の掃除に力を入れることは理にかなっている。と同時に、「毎日の営業中に生まれる空き時間を掃除にあてることにしました」と黒坂氏。例えば、手すり、棚、障子の桟さんなどは、その日最初の来店があるまで、除菌スプレーと雑巾でていねいに拭いていく。この“ちょい拭き”が習慣化したことで、大掃除の必要がなくなったという。ただし「床やトイレは毎日開店前にしっかり掃除します」と翁長氏。特に座敷の半個室は来店客が床に腰を下ろすため、掃除機を念入りにかける。トイレは入口と同様、店の印象を左右するので、細めなチェックと合わせ、特に力を入れている。
Check! 客席
半個室の座敷席の床は掃除機で徹底的に。格子は隅々まで手拭き
また、厨房でも「手があいたら拭く」を徹底。合わせて、油汚れが集中するレンジフードと床は毎日、洗剤で掃除。加えて、床は月に2〜3回のペースで強力な油落とし洗剤を使用。デッキブラシで擦り、洗剤を泡立てて20〜30分放置して汚れを浮かせ、さらに磨くという2度洗いを実施している。「おかげで、厨房の床に残りがちな油の黒シミが、一切ありません」と深川氏は胸を張る。「オープンキッチンでなくてもキレイな厨房で料理したいですね。調理器具もきれいにしておくことで長持ちします」と黒坂氏。実際、厨房の機器や器具はオープン時から使用しているものばかりだ。
Check! エントランス
「店の顔」であるエントランスは特に念入りに。灯篭の砂利も定期的に洗浄
今では、アルバイトスタッフも〝ちょい拭き〞はもちろん、各所の掃除を自発的に行うという。言葉だけでなく、上の立場の人間が率先的に行動で示すことが大切」と深川氏。先輩から後輩へと、行動を通じて受け継がれた掃除のスタイルが、〝キレイ〞の源泉になっている。
沖縄県沖縄市高原6-13-1
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