更新日:2022:8.26
目次
・しびれを楽しむビアガーデン/小尾羊 巣鴨店(東京・巣鴨)
・街に灯をともす路上テラス/神田スペインバル ボケリーア(東京・神田)
・心地よさ◎ 屋根付きオープンテラス/バルクビーフ 横浜本店(神奈川・横浜)
・テラスBBQ&個室でゆったり/肉バル&チーズダイニング safari~サファリ~(大阪・心斎橋)
新型コロナ対策として注目される“オープンエア”。飲食店等の路上利用の占用許可基準を緩和する措置も実施され、新たにテラス席などを設ける飲食店が増えている。そこで、オープンエアスペースの成功例として、店の前の駐車スペースを夏限定のビアガーデンにした東京・巣鴨のしゃぶしゃぶ専門店、路上テラスを設置して感染の不安を払拭した東京・神田のバル、テラスに屋根を付け、雨天キャンセルを回避している神奈川・横浜のステーキ店、手ぶらバーベキュープランなどで好評を得ている大阪・心斎橋の肉バルの取り組みを紹介する。
しびれを楽しむビアガーデン/小尾羊 巣鴨店(東京・巣鴨)
店の前の駐車スペースが夏限定ビアガーデンに!しびれ料理も大好評
換気のいい屋外スペースで店の認知拡大にも貢献
「小尾羊」は、モンゴルの火鍋料理に起源を持つ薬膳羊肉しゃぶしゃぶの専門店。世界各国でブランドを展開しており、2006年12月に日本法人が発足。現在、日本国内で直営・フランチャイズ合わせて14店舗ある。
巣鴨店は直営店の1つ。薬膳スープ9種類から2~3種を選ぶ火鍋で、ラムをはじめ肉、野菜、キノコなどをしゃぶしゃぶで楽しむスタイルだ。主な客層は40代以上の地元の人々で、特に週末は多くのファミリーでにぎわい、地域密着店として認知されてきた。小尾羊ジャパン株式会社・代表取締役の近藤元龍氏は、「客数が減る夏は火鍋のほかに居酒屋料理も提供し、集客を図ってきました」と振り返る。
だが、新型コロナウイルス感染症の影響で3月から客足が遠のき、一時期は店を完全にクローズ。5月中旬に営業を再開し、テイクアウトとデリバリーを始めたところ、これが予想以上に成功。もともとランチで提供していた定食はもちろん、1人用の鍋も好評で、遠方からも注文が入るという。
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夜はスペース全体がライトアップされ、雰囲気がガラッと変わる。道行く人が足を止め、ふらりと立ち寄りたくなる雰囲気も魅力だ -
ビアガーデンをアピールする大きな看板を設置。テーマの「しびれ(麻)」を掲げ、「しびれコース」を案内するポスターやしびれ料理の写真で見た目にもにぎわいを出している
「でも、ただのビアガーデンではアピール力が弱い」(近藤氏)。いろいろ考えた末に思いついたテーマが「しびれ(麻)」だ。もともと自慢の薬膳スープは、山椒や花椒、唐辛子を使った麻辣(しびれと辛味)が持ち味の1つ。ビールとの相性も抜群だが、火鍋は屋外では不向き。そこで、「しびれピーナッツ」(418円)など、つまみになるしびれ料理を開発するとともに、「ハイボールしびれ」(495円)などオリジナルのしびれドリンクも用意。これらをアラカルトで提供すると共に、「しびれ麦酒コース」(8品、2時間飲み放題付き3500円)として打ち出した。手応えは上々で、1階の路面スペースのため、風通しがいいのはもちろんだが、これまで店の存在を知らなかった人が、通りがかかりに気付いて入店してもらえるメリットも大きい。
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人気のしびれ料理の1つは「石焼麻婆豆腐」(825円)。しびれの強さを「覚醒・瞑想・悶絶」の3段階から選ぶことができる -
「ハイボールしびれ」(495円)、「チューハイ辣」(同)など、“しびれ”オリジナルドリンクも開発
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2時間飲み放題付きの「しびれ麦酒コース」は、しびれ料理8品と、さまざまなオリジナルドリンクが楽しめる -
「しびれピーナッツ」。ビアガーデンのために開発したしびれ料理の1つで、一番人気
近藤氏は、「2020年は祭りもなく寂しい夏。今後は子ども向けの企画も考え、少しでも夏を味わってもらえるよう工夫したい」と意欲を語ってくれた。
東京都豊島区巣鴨2-4-7 1F
https://r.gnavi.co.jp/5r5yvc1u0000/
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街に灯をともす路上テラス/神田スペインバル ボケリーア(東京・神田)
路上テラスを設置して感染の不安を払拭。街の活性化にも貢献
にぎわいが見えるテラス。新規客や客層の幅も拡大
東京・JR神田駅から続く高架下にある「神田スペインバルボケリーア」。代表の立川友成氏が目指したのは、「スペイン好きの人が気軽に集まれる店」で、本格的なスペイン料理とワインをカジュアルに楽しめる。客層は40~50代のビジネス層が中心で、深夜2時まで営業しているため2軒目使いも多く、連日にぎわいを見せていた。
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人気メニューの1つは定番のアヒージョ。オリジナルの「ウニと魚介の白アヒージョ」(1,078円)は濃厚な味わいでバゲットに合う -
「熟成スプリングラムチョップのグリル」(1本495円)は、やわらかくクセもなく、羊肉が苦手な人にも好評
だが、新型コロナで状況が一変。3月後半から2カ月間、休業を余儀なくされた。その後、営業を再開し、徐々に客足が戻ったものの、都内の感染者数増加で再び激減。「店内は高架下で天井が低く、換気もよくないので敬遠されたのかもしれません」(立川氏)。
そんな中、東京都が路上テラス営業などのため、道路占用許可基準の緩和を打ち出す。ただし「交通に支障がない」「団体が申請する」などの要件があった。交通に関しては、店が面する道路は4mの通行帯があり、基準となる歩行空間も確保できる上、もともと17~翌5時は車両通行止めで問題はなかった。その後、同店が所属する「神田一番街商店会」が千代田区に申請。立川氏は「苦戦していたので、本当にありがたかった」と話す。現在は店の前にテーブル3卓を出し、テラス席として営業。梅雨で天気の心配はあったが、ひさしから屋根を伸ばし、ビニールカーテンをかけて雨も防ぐことができるようにした。
ぐるなびの店舗ページで「ビア&ワインガーデン」と打ち出すと、テラス席希望で予約が入り始め、さらに、テラスで楽しむ様子を見て入店するフリー客も増えた。利用した人からは「外は気持ちが良い」「オープンエアだと安心」など好評で、満席の日も多い。
「新規客や20~30代のお客様も増え、この状況下でテラス席の存在は大きい。路上のにぎわいが、商店会や神田の街全体の活性化にもつながればうれしいですね」と立川氏。テラス席の暑さ対策としては、扇風機やうちわを用意。占用期限の11月末日まで、路上テラス席をフル活用する予定だ。
東京都千代田区鍛冶町2-12-8
https://r.gnavi.co.jp/cuy4wkc10000/
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選ばれるオープンエアー~テラスや屋上が支持されるスペースに!~
心地よさ◎ 屋根付きオープンテラス/バルクビーフ 横浜本店(神奈川・横浜)
テラスに屋根を付け、雨天キャンセルを回避。屋外の安心感も訴求
コロナ禍での休業を機にテラスの活用を強化
神奈川・横浜駅から少し離れた住宅地にある「バルクビーフ」は、一軒家の1階を改装し、2017年3月にオープン。ステーキとハンバーグが看板メニューで、一番人気の「バルクステーキ」は、300g~というボリュームも売りだ。店内とテラス席を合わせて30席の空間は、食事だけでなく、宴会スペースとしても使い勝手がよく、地元の幅広い層に親しまれてきた。
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ステーキと並ぶ人気メニューの「バルクハンバーグ(150g 968円~)は数量限定。牛肉100%で食べ応えがあり、レアで提供 -
サーロイン、ハラミ、切り落としなどさまざまな部位のステーキが看板料理。肉料理ががっつり食べられるコースも複数用意する
特に春から秋にかけての時期は、テラス席の人気が高く、集客の強力なフックになっていたが、「屋根がないため、雨天時の当日キャンセルが多いのが悩みでした」と代表の川上拓真氏は話す。そこで、新型コロナウイルスの影響で客足が減った3月末に、2日間の休業を決め、テラスの屋根と店内の換気設備をほぼ1人で手作り。「もともと、店内もほぼDIY。木材だけ購入し、後はすべて自前です」と川上氏。持ち前の器用さとデザイン力を生かして、メニューブックや販促物も自作している。
早速、4月初めから「屋根付きテラス」をぐるなびなどWebで発信。屋外で風通しがよく、感染リスクが低い安心感も功を奏し、「4~7月はテラス席の予約はいっぱい」(川上氏)と、予想以上の手応えを得た。現在は基本的に利用を2組に制限し、8名以上で貸切にも応じている。2020年は梅雨が長引いたが、雨によるキャンセルがほぼ発生しなかったことから、3月の宴会キャンセルによる売上減を、部分的にカバーすることにも成功したという。
コロナの収束が見えない中、テラス席のニーズは高く、新規客の来店にもつながっており、客足は戻りつつある。“ステイホーム”期間にテイクアウトやデリバリーにも取り組んだが、「やはりステーキは出来立てを食べてほしい」と、今はイートインのみに戻して、安定した店舗運営を目指している。
真夏や冬の気温対策については「状況を見ながら、臨機応変に対応したい」と川上氏。DIYの力を生かし、柔軟な発想で顧客のニーズに応えていく。
神奈川県横浜市西区岡野1-17-12
https://r.gnavi.co.jp/sfjcc1jv0000/
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ニーズが上昇中!テラス&ビアガーデンプラン
テラスBBQ&個室でゆったり/肉バル&チーズダイニング safari~サファリ~(大阪・心斎橋)
テラス+完全個室で差別化。手ぶらバーベキュープランも好評
店舗スペースをフル活用。来店を促すフェアも実施
大阪の繁華街・ミナミにある「アメリカ村」のビル2階に、2018年9月に移転オープンした「肉バル&チーズダイニング safari~サファリ~」。8年前、前の経営者から店を買い取ったオーナー・藤原健司氏は、需要の高い大人数のパーティーやイベント利用などに応えるため、以前の倍ほどの広さの現店舗へ移った。「以前からテラスのあるこの物件に注目していました」と藤原氏。77坪の店舗にはテラス席のほか、テーブル席や完全個室があり、立食なら最大200名の収容が可能。ランチやカフェタイムも営業し、昼は20~30代の女性が中心、夜は幅広い年代の男女の集客に成功している。
2019年春からはテラス席を活用したバーベキュープランを開始。コロナの影響で集客が厳しい状況になった今春からは、ぐるなびでも「手ぶらテラスBBQ」(4400円)をより前面にアピールしている。内容は90分の飲み放題付きで、牛バラ・牛ハラミ・牛ロース・野菜などを、アウトドア用のコンロを使って来店客が自ら焼くもので、片付けの手間もなく、気軽にバーベキューを楽しめると好評だ。「テラスは屋根もあって雨に濡れないので、週末は予約でいっぱい。新規のお客様も増えました」と藤原氏は手応えを感じている。
さらに特徴的なのは、テラスとつながった完全個室、その両方を利用できる「テラス+ソファ個室」を打ち出したこと。合わせて20名まで収容でき、テラスでバーベキューを楽しみつつ、冷房のきいた個室も使えるため、暑さが厳しい季節はさらなる強みに。「やはり三密に敏感になっているお客様は多く、個室やテラスが空いているか、問い合わせの電話が多いですね」(藤原氏)。
そのほか、現在は「若鶏の唐揚げ3種のディップソース付」(780円)を、月~木曜日限定1円で提供するフェアも実施して来店を促進。テラス席は冬も引き続き活用することを視野に入れ、通気性のよさを保ちながら、寒さを防ぐ環境をどう作るか検討している。
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月~木曜日の予約限定で「若鶏の唐揚げ3種のディップソース付き」を1円で提供 -
2階に上がる階段の入口では消毒液を設置するほか、「大阪コロナ追跡システム」の登録を案内している
大阪府大阪市中央区西心斎橋1-9-16
大京心斎橋第2ビル2F
https://r.gnavi.co.jp/2apubzdj0000/
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