2020/08/25 特集

ピンチをチャンスに変える! オープンエア――快適&安心空間で注目度アップ!

新型コロナ対策として注目される“オープンエア”。飲食店等の路上利用の占用許可基準を緩和する措置も実施され、新たにテラス席などを設ける飲食店が増えている。そこで、オープンエアスペースの成功例を紹介する。

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しびれを楽しむビアガーデン/小尾羊 巣鴨店(東京・巣鴨)

店の前の駐車スペースが夏限定ビアガーデンに!しびれ料理も大好評

換気のいい屋外スペースで店の認知拡大にも貢献

 「小尾羊」は、モンゴルの火鍋料理に起源を持つ薬膳羊肉しゃぶしゃぶの専門店。世界各国でブランドを展開しており、2006年12月に日本法人が発足。現在、日本国内で直営・フランチャイズ合わせて14店舗ある。

 巣鴨店は直営店の1つ。薬膳スープ9種類から2~3種を選ぶ火鍋で、ラムをはじめ肉、野菜、キノコなどをしゃぶしゃぶで楽しむスタイルだ。主な客層は40代以上の地元の人々で、特に週末は多くのファミリーでにぎわい、地域密着店として認知されてきた。小尾羊ジャパン株式会社・代表取締役の近藤元龍氏は、「客数が減る夏は火鍋のほかに居酒屋料理も提供し、集客を図ってきました」と振り返る。

薬膳スープ9種類から2~3種類を選ぶ「火鍋」が看板。10種類あるタレも好評だ

 だが、新型コロナウイルス感染症の影響で3月から客足が遠のき、一時期は店を完全にクローズ。5月中旬に営業を再開し、テイクアウトとデリバリーを始めたところ、これが予想以上に成功。もともとランチで提供していた定食はもちろん、1人用の鍋も好評で、遠方からも注文が入るという。

人工芝を敷き、パラソルと白いテーブルで涼しさを演出。駐車スペースだったことを感じさせない空間作りに成功
  • 夜はスペース全体がライトアップされ、雰囲気がガラッと変わる。道行く人が足を止め、ふらりと立ち寄りたくなる雰囲気も魅力だ
  • ビアガーデンをアピールする大きな看板を設置。テーマの「しびれ(麻)」を掲げ、「しびれコース」を案内するポスターやしびれ料理の写真で見た目にもにぎわいを出している

 「でも、ただのビアガーデンではアピール力が弱い」(近藤氏)。いろいろ考えた末に思いついたテーマが「しびれ(麻)」だ。もともと自慢の薬膳スープは、山椒や花椒、唐辛子を使った麻辣(しびれと辛味)が持ち味の1つ。ビールとの相性も抜群だが、火鍋は屋外では不向き。そこで、「しびれピーナッツ」(418円)など、つまみになるしびれ料理を開発するとともに、「ハイボールしびれ」(495円)などオリジナルのしびれドリンクも用意。これらをアラカルトで提供すると共に、「しびれ麦酒コース」(8品、2時間飲み放題付き3500円)として打ち出した。手応えは上々で、1階の路面スペースのため、風通しがいいのはもちろんだが、これまで店の存在を知らなかった人が、通りがかかりに気付いて入店してもらえるメリットも大きい。

  • 人気のしびれ料理の1つは「石焼麻婆豆腐」(825円)。しびれの強さを「覚醒・瞑想・悶絶」の3段階から選ぶことができる
  • 「ハイボールしびれ」(495円)、「チューハイ辣」(同)など、“しびれ”オリジナルドリンクも開発
  • 2時間飲み放題付きの「しびれ麦酒コース」は、しびれ料理8品と、さまざまなオリジナルドリンクが楽しめる
  • 「しびれピーナッツ」。ビアガーデンのために開発したしびれ料理の1つで、一番人気

 近藤氏は、「今年は祭りもなく寂しい夏。今後は子ども向けの企画も考え、少しでも夏を味わってもらえるよう工夫したい」と意欲を語ってくれた。

小尾羊ジャパン株式会社 代表取締役 近藤 元龍氏
中国・ハルビン市生まれ。1993年に来日し、2001年飲食業で独立。2006年12月より現職。直営4店のほか、FC10店を展開している。
小尾羊(シャオウェイヤン) 巣鴨店
東京都豊島区巣鴨2-4-7 1F
https://r.gnavi.co.jp/5r5yvc1u0000/
東京・巣鴨駅から徒歩1分のホテル1階に中国料理店としてオープンし、2010年「火鍋料理 小尾羊」としてリニューアル。地元の人々を中心にリピーターを獲得し、ファミリーでの来店が多い。

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