“家飲み需要”をキャッチ! 高コスパのテイクアウトが人気
魚貝 ののぶ【東京・高円寺】
毎日SNSで情報発信!ランチの弁当も大好評
2016年、東京・JR高円寺駅から徒歩3分の場所にオープンした海鮮が売りの居酒屋「魚貝ののぶ」。「刺身は決して高級品と思わず、気軽に食べてほしいもの」と話すのは、代表の土田宣隆氏。毎朝自ら豊洲市場へ出向いて手頃で良質な魚介類を探し求め、地道に仲卸と信頼関係を築いてきた。リーズナブルに刺身を堪能できる店として地元住民を中心に人気となっている。
【客単価UP!】選べる2種の“家飲み”用「宴会セット」
これまで夜の営業は主に30~40代のカップルや夫婦でにぎわっていたが、新型コロナの影響で来店客が激減。東京都で夜の外出自粛要請が出た4月上旬頃から客足が急激に落ちたことに危機感を覚え、イートインでランチ営業を新たにスタート。さらに惣菜のテイクアウトを行い、売上の確保を試みた。しかし「ランチ客は伸びず、惣菜も作り置きが必要で、売れ残りがロスになる悪循環もあって、かなり苦戦しました」と土田氏。そこで考案したのが、店の売りである刺身を生かした「おうちで宴会セット(3300円~)」だ。「当初は私の好物であるバッテラのテイクアウトを考えていたのですが、それだけでは売上が伸びないと思い、家飲み需要を狙って刺身などを組み合わせることで客単価アップを狙いました」(土田氏)。ほぼ毎日発信するSNSでのアピールが功を奏したこともあり、注文数が急増。1日あたり30セット以上を販売した日も少なくない。さらにバッテラに代えて、ファンが多い名物メニュー「うにかにいくら、のっけ寿司」を付けた4800円の高単価セットも追加販売。新型コロナの影響で、価格変動が激しくなったブランドウニを安く手に入れる工夫もしている。「宴会セットは小さいお子さんがいて夜の来店が難しかったお客様からも好評で、リピーターも多いです」と、土田氏は手応えを感じている。
苦戦していたランチタイム自体はイートインから弁当販売に変えたことで成功。毎日2時間で100食を売り切っており、7月の土用の丑の日は、うなぎ弁当だけで予約200食を含む300食を販売した。「弁当でも、リーズナブルで上質な食材を市場で見つけ、ひと手間加えることでコストパフォーマンスを高めています」(土田氏)。
【客単価UP!】人気ドリンクをテイクアウトでも提供
さらに、期限付酒類小売業免許を申請し、店で人気の高い各種サワーを自宅で再現できる「サワーの素」(600円)や、各種日本酒(600円)を1合瓶で販売。「おうちで宴会セット」や弁当と合わせて複数購入する人も多く、こちらも客単価アップにつながっている。
「できることは何でもやろうと必死でした」と当時の心境を話す土田氏の創意工夫で、現在はコロナ前と同じ売上確保に成功。今後もランチの弁当販売は継続し、「おうちで宴会セット」は夜の店内営業の状況に応じて、常連客を中心に対応する方向で考えている。
東京都杉並区高円寺南4-8-5 1F
https://r.gnavi.co.jp/rm6w3vu10000/