動画による社員教育で接客力が向上。感染予防も徹底して客足回復に成功

京都・木屋町にある立ち飲み「京都スタンドきよきよ」。客同士の距離が空くように席を案内するなど、8つの感染予防策を実践。コロナ禍においても“人に会いに来たくなる店”を目指し、接客力の向上にも注力している。

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京都スタンド きよきよ

京都・中京区木屋町 立ち飲み

 京都市内で5店舗を運営する株式会社KYOYAが、同社初の立ち飲み業態として2018年7月にオープンした「京都スタンドきよきよ」。私鉄・祇園四条駅から徒歩2分の路地にあり、牛タンを宇治茶の葉と鰹出汁でじっくり炊いた「牛TANNI」(858円)などのおばんざいを売りに、30代を中心に地元住民や近隣に勤めるビジネス層らを集客している。

店舗入口に8つの感染予防策を掲示。安心感につなげている

 コロナ禍の逆風の中、集客に成功している要因の1つが、徹底した感染予防策だ。立ち飲み業態で人と人の距離が近くなりやすいことを踏まえ、できるだけ客同士の距離が空くように席を案内するほか、「入店時の手指の消毒」「常時、窓を開けて換気」など、8つの感染予防策を実践。メニュー表も最初からテーブルには置かず、来店客が入れ替わるごとに消毒したものをスタッフが手持ちしており、これがコミュニケーションのきっかけにもなっている。

メニュー表は来店ごとにスタッフが手持ちしており、その際、売りのメニューなどを案内している

 また、“人に会いに来たくなる店”を目指し、接客の質の向上にも注力。特に、新型コロナの影響で休業していた期間(4~5月)を利用し、「旧知の飲食店コンサルタントに依頼して、接客や外国人対応、ミーティングの進め方などに関する約50本の動画を用意してもらいました」と、代表の髙木政明氏。これを、18名の社員が各自で視聴し、それぞれの内容についての感想や意見をレポート形式で提出するよう課題を与えた。この取り組みが奏功し、社員同士のコミュニケーションも活発になり、これまで以上に「お客様のために何ができるか」を考え、積極的に動けるようになったという。

 さらに、一部のメニューのポーションを減らし、その分、価格も下げた。これにより、来店客一人あたりのメニューの注文数が増え、逆に満足度と客単価アップにつながっている。こうした工夫が実り、週末は多くの人でにぎわうまで客足が回復。今後は家飲み需要を獲得すべく、「おばんざいのオードブル」(2980円)などのテイクアウト販売に力を入れようと考えている。

京都スタンド きよきよ
京都府京都市中京区木屋町通四条上ル 鍋屋町220-1 FORUM木屋町先斗町ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/5ex4p7zn0000/