2020/10/13 特集

飲食店のEC 成功の法則 成果を出すにはコツがある!

「おうち需要」が増え、注目を集めているのがECだ。新たな収益源を作りたいと、ECに参入したいと考えている店もあるだろう。どうしたらうまくいくのか、EC専門のコンサルタントに成功するためのノウハウを聞いた。

URLコピー
お話をうかがったのは 株式会社ECコンサルカンパニー 代表取締役 江藤正親氏
建設会社の現場監督を経て、1999年よりネットショップの運営を手がけ、2001年ECのコンサルティングを開始。商品開発から事業計画、情報発信まで幅広く支援し、サポート企業は1,000社超。年商1億円以上のネットショップを多数生み出している。2020年6月から飲食店へのECコンサルティング「飲食店応援キャンペーン」を展開中。

食品の流通額は1.5倍に。店舗と違うECのノウハウ

 新型コロナウイルス感染症の影響で外出の自粛が求められて以降、活況を呈しているのがEC(電子商取引)、すなわちインターネット通販(以下、ネット通販)の市場だ。20年前から1000社以上のネットショップをサポートしてきた株式会社ECコンサルカンパニー代表取締役・江藤正親氏は、「コロナ以降、特に〝巣ごもり生活〟に関連した商品の売上が大きく伸びています」と語る。目立つのは、家具やインテリアなど、家で過ごす時間を快適にする商品だ。

 一方、食品のEC市場も「全般的に好調。流通額は、コロナ以前の約1.5倍です」と江藤氏。ネットスーパー(スーパーマーケットによるネット通販)も好調で、外出を控えたい高齢者を中心に、1週間分の食料を注文する人も多いという。利便性はもちろん、まとめ買いによる割安感も追い風だ。百貨店も巻き返しを図り、ネット通販に力を入れてきている。

 こうしたEC活況の背景には、スマートフォンの全世代への普及と「おうち時間」の増加がある。「年配の方々にもにスマホが普及しつつあることや、『おうち時間』が増えたことで、今までインターネットやSNSを使用してこなかった人が利用し始め、ECを活用する人も増えています」と江藤氏は分析。購買力の高い中高年の取り込みが加速しており、今後もEC市場の拡大は必然といっていい。

 EC市場では、年末年始商戦は9月以前から始まっており、今年はさらなる利用拡大が見込まれる。「食品で言えば、例年、おせちやカニといった豪華な商品が売れ筋ですが、今年は年末年始商戦がさらに加速しており、すでに予約を多数獲得している事業者もあります」(江藤氏)。また、今年は飲食店での忘年会やパーティーを控えることが予想されるため、ホームパーティーや宅飲み、オンライン忘年会が増える見込みだ。「EC市場でも『オードブルセット』や『宅飲み・忘年会セット』『鍋セット』などを求める人は増えるでしょう。ですが、ECが活況だからといって、単にネットショップを作って商品を並べるだけで売れるわけではありません」と江藤氏は言う。重要なのは「商品に対して、ユーザーが利用シーンを想像できるような提案を行うこと。例えば、ユーザーが友人にお歳暮がわりに忘年会セットを贈り、自分も同じものを購入して、オンライン忘年会を企画するといった提案もよいでしょう」(江藤氏)。購入した商品でどんなことができるのか、期待感を高める工夫が必要といえそうだ。

 「ですが、ECと実店舗ではノウハウが違うので、ゼロから出発する覚悟が必要です」と江藤氏は強調する。ECに合った商品開発に始まり、保存技術や在庫管理、製造許可の取得、食品表示の義務、包材や配送準備など、多くの手間とコストがかかるからだ。「例えるなら、ECを始めるということは、海外に出店するようなもの」と江藤氏。では、飲食店がEC市場に参入するにあたり、何をしたらよいのか、具体的に見ていこう。

全6ページ