飲食店の上半期の売上・利益は回復傾向。物価上昇で値上げする店も~2022年上半期業績の振り返り~

ぐるなびでは、ぐるなび加盟店を対象に「2022年上半期の業績と施策」についてアンケートを実施。2022年上半期の売上・利益は「増加の傾向」に。一方で、食材などのコスト増が業績に影響を及ぼしているようだ。

URLコピー

目次
2022年上半期は売上・利益、客単価・客数いずれも回復傾向
値上げした飲食店が多数。来店客はキャッシュレス決済やネット予約の利用増

 コロナ禍3年目となった2022年。厳しい状況が続く飲食業界だが、「コロナ禍でも外食がしたい」というニーズは根強くある(2022年7月の「外食・国内旅行の需要が増加傾向に~2022年夏の消費行動と今後の外食意向~」を参照)。ぐるなびでは、ぐるなび加盟店を対象に「2022年上半期の業績と施策」についてアンケートを実施。2022年上半期の売上・利益は「増加の傾向」、客単価・客数は「上昇の傾向」と答えた店の割合が高く、客足が戻りつつあることが分かった。一方で、食材やそれ以外のコスト、公共料金の値上がりが業績に大きく影響を及ぼしており、料理やコース、ドリンクの値上げに踏み切った店も多く見られた。

 それでは以下より、2022年上半期の飲食店の業績・施策について、アンケート結果をもとに詳しく見ていこう。

今回、紹介するデータは「2022年上半期の業績と施策」(ぐるなび調べ)
回答者数 ぐるなび加盟店316店舗(うち、オーナーまたは店長:265人)(うち、単独店:215店、チェーン店:53店)
調査時期 2022年6月21日(火)~7月4日(月)
※アンケート結果は、「ぐるなびPRO for 飲食店(管理画面)」にログインした後、下記からダウンロードできます(ぐるなび加盟店のみ)。
アンケート結果レポート「2022年上半期の業績と施策
※未加盟の場合は、下記をご覧いただき、お問合せください。

2022年上半期は売上・利益、客単価・客数いずれも回復傾向

2022年上半期の業績では、売上は「増加の傾向」42.4%、「横ばい」26.6%、「減少の傾向」30.1%、利益では「増加の傾向」33.5%、「横ばい」26.9%、「減少の傾向」38.9%という結果に。売上・利益ともに回復傾向にあるが、どちらも未だ3~4割は厳しい状況に

 図1では2022年上半期の売上・利益についてまとめた。「増加の傾向」が売上では42.4%、利益では33.5%に。同様の調査を行ったコロナ1年目の2020年、2年目の2021年の結果と比較すると、2022年はどちらも大幅に上昇しており、業績が改善している店舗が多いことが分かった。しかし、利益においては2022年上半期でも「減少の傾向」(38.9%)が回答の中で未だに最も多く、順調に回復している店ばかりではないようだ。

2022年上半期の業績の客単価は「上昇の傾向」31.3%、「横ばい」46.2%、「減少の傾向」21.8%。客数は「上昇の傾向」42.4%、「横ばい」22.8%、「減少の傾向」34.2%となり、客単価・客数ともに改善している店舗が多いようだ

 図2は、2022年上半期の客単価・客数について表したグラフ。2022年上半期は「上昇の傾向」が客単価は31.3%、客数は42.4%と、過去2年の上半期に比べて客単価は20ポイント、客数は30ポイント以上高い数値となり、大きく改善したようだ。特に客数は前年よりも38ポイント上昇しており、客足が戻りつつあることを示唆している。

【こちらもチェック】
飲食店が取り組むべきこと~アフターコロナに向け再構築!

値上げした飲食店が多数。来店客はキャッシュレス決済やネット予約の利用増

2022年上半期の業績に影響を及ぼした経済状況では、「食材の値上がり」(51.9%)と答えた店舗が半数以上に。「新型コロナウイルスの感染状況(拡大・縮小とも)」は39.9%で、2020年、2021年の結果と比較すると減少傾向に

 2022年上半期の業績に影響を及ぼした経済状況を表したのが図3。「食材の値上がり」(51.9%)がトップで、「食材以外のコストの値上がり」(38.9%)、「公共料金(電気・ガスなど)の値上がり」(35.4%)とともに2021年上半期よりも著しく増加しており、世界情勢や物価高の影響が色濃く出た結果となった。また、「新型コロナウイルスの感染状況」(39.9%)、「酒類提供自粛や営業時間短縮など、行政からの要請」(35.4%)は2021年に比べ大幅に減少。コロナ禍の影響が弱まりつつあると言えそうだ。

売上増のために実施したメニュー・価格に関する施策として、「料理・コースの値上げ」(36.4%)、「飲み物の値上げ」(22.2%)をあげる店舗が多かった

 図4は、売上増のために実施したメニュー・価格に関する施策について聞いた結果。トップは「料理・コースの値上げ」(36.4%)で、次に「飲み物の値上げ」(22.2%)が多く、いずれも2021年の結果よりも大きく上昇。図3での「食材の値上がり」などの経済状況が影響しているのかもしれない。一方、「テイクアウトやデリバリー用メニューの導入・拡充」は10.4%で、2020年、2021年の数値と比較すると大幅ダウン。中食に注力する店舗が減少しているようだ。

【こちらもチェック】
飲食店の集客・売上を落とさず、メニューの値上げをするには?~食材高騰を乗り越える!~

2022年上半期に増えた注文の傾向では「味や質にこだわった単価の高い料理」(20.3%)、来店客の傾向では「キャッシュレス決済する客」(19.9%)がそれぞれトップに

 図5は、2022年上半期に増えた注文や来店客の傾向についてまとめたもの。注文傾向は「味や質にこだわった単価の高い料理」が20.3%でトップとなり、2020年、2021年の結果と比較すると年々数値が高くなっている。来店客の傾向は「キャッシュレス決済する客」(19.9%)、「ネット経由の予約客」(16.1%)の順で多かった。なお、「テイクアウトやデリバリーの客」は2021年よりも10ポイント以上減少して6%にとどまり、需要がやや下がっているようだ。

 上記のアンケート結果から、2022年上半期は食材や公共料金などの高騰で対策に追われながらも、コロナ禍の影響は徐々に薄れて業績は回復傾向であることが分かる。

 「2022年上半期の業績と施策」をまとめたこの調査では、上記のほか「2022年上半期に増えた客層」や「2022年上半期に行った人材施策やコスト削減施策」「増収増益店が行った施策」なども掲載。ぜひ、下記からダウンロードして、参考にしていただきたい。

アンケート結果レポート「2022年上半期の業績と施策

※「アンケート結果レポート」は、ぐるなび加盟店のみ閲覧・ダウンロード可能です
※「ぐるなびPRO for 飲食店(管理画面)」にログインした後、上記からアクセスしてください

ぐるなびに加盟していない飲食業の方は下記からお問い合わせください。
資料請求・お問い合わせフォーム

こちらからお問い合わせいただくと、全てのデータが掲載されたフルレポートをダウンロードいただけます。
※お問い合わせ種別は「商品に関する資料のご請求」をお選びいただき、ご希望の資料にチェックを入れてください。

飲食業以外の法人企業の方は下記からお問い合せください。
ぐるなびマーケティングソリューション