更新日:2025.11.26
飲食店のさまざまな経費で活用できる汎用性の高い補助金!
小規模の飲食店(従業員5人以下)などを対象とした「小規模事業者持続化補助金」。最大で250万円の補助が受けられ、対象となる経費も販促に関する広告費やチラシ制作費からPOSレジ導入費用、店内改装、新業態の出店費用など、かなり幅広いのが特徴です。飲食店で使う場合にはどんな条件で、どんな枠があり、それぞれの補助額・補助率はどれくらいか、などを中小企業診断士の野竿 健悟 氏に話を伺いました。
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目次
・小規模事業者持続化補助金とは? 公募期間は?
・補助金額や補助率は?
・補助金の対象となる飲食店は?
・飲食店の場合はどんな用途で活用できる?
・採択率はどれくらい?
・申請手順は? 最新スケジュールは?
・まとめ
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小規模事業者持続化補助金とは? 公募期間は?
小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人が、今後複数年にわたって賃上げ・物価高騰といった制度変更や外部環境の変化に対応するために、販路開拓・生産性向上(業務効率化)などの取り組みの経費の一部を補助する制度です。継続して事業を行えるように、自社の経営を見直し、事業基盤の強化を図ることを目的としています。
「小規模事業者持続化補助金」のホームページはこちら。
公募スケジュール
・第18回公募:2025年10月3日(金)~11月28日(金)17時
・第19回公募:申請受付開始2026年5~6月頃を予定
※予定は変更する場合があります。
注:以下は、<一般型>ガイドブック 第2版(2025年9月29日更新)の情報を基に更新しています。
補助金額や補助率は?
小規模事業者持続化補助金には「通常枠」と2つの特例「インボイス特例」「賃金引上げ特例」があります。それぞれの内容と補助の上限金額・補助率は下記の通りです。
-
通常枠
補助上限:50万円 補助率:2/3
自ら作成した経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら販路開拓などの取り組みを行う事業者
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インボイス特例
補助上限:50万上乗せ※
※ただし、インボイス特例の要件を満たしている場合に限る
免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者
-
賃金引上げ特例
補助上限:150万円上乗せ※
※ただし、賃金引上げ特例の要件(P.6参照)を満たしている場合に限る
補助事業実施期間に事業場内最低賃金を申請時より+50円以上とした小規模事業者
※赤字事業者は、補助率 3/4に引上げ
-
上記特例の要件をともに満たす事業者
補助上限:200万円上乗せ※
※ただし、両特例要件を満たしている場合に限る
上記のうち、飲食店は「通常枠」への申請が一般的ですが、「賃金引上げ枠」で申請するケースも少なくありません。補助金額の上限は、「通常枠」は50万円、「インボイス特例」と「賃金引上げ特例」対象者には、さらに上乗せ額があり、最大で250万円の補助金が支給されます。補助率は3分の2で、「賃金引上げ枠」のうち赤字事業者が4分の3とやや高めの補助率になっています。
インボイス特例対象事業者とは、2021年9月30日~2023年9月30日の期間に一度でも免税事業者であった、または免税事業者であることが見込まれる事業者、および2023年10月1日以降に創業した事業者のことです(適格請求書発行事業者の登録が確認できた場合のみ適用)。
補助金の対象となる飲食店は?
次の要件を全て満たす事業者が、持続化補助金の給付対象となります。まずはご自身のお店が対象かどうか確認してみてください。
- 小規模事業者であること(飲食店の場合、常時使用する従業員の数が5人以下)
- 資本金または出資金が5億円以上の法人に、直接または間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
- 確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
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持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠、創業型)で採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書(※)」を、原則本補助金の申請までに提出していること
※ 創業型においては「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果等状況報告書」
- 小規模事業者持続化補助金<一般型>において、「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと
- 小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請中または採択を受けている事業者でないこと
飲食店の場合はどんな用途で活用できる?
店舗の販路開拓、生産性向上のための一連の取り組みに活用でき、その対象経費はかなり幅広いです。
基本的に“地道な販路開拓支援”を目的とする補助金なので、集客につなげるためのチラシ・看板作成やWeb広告などの広告費、ポスレジなどのシステム導入費、店舗改装費や新規出店費にも活用できます。
対象となる経費
-
機械装置等費
補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等 -
広報費
新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等 -
Webサイト関連費
WebサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費
※補助金交付申請額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の1/4(最大50万円)を上限とします。Webサイト関連費のみによる申請はできません。
-
展示会等出展費
展示会・商談会の出展料等(オンラインによる展示会・商談会等を含む) -
旅費
販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費 -
新商品開発費
新商品の試作品開発等に伴う経費 -
借料
機器・設備等のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの) -
委託・外注費
店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須)
主な注意事項:補助対象外となる経費
一方で、補助金全般に言えることですが、販路開拓のためといっても人件費は補助金の対象にはなりません。パソコンやタブレット、プリンター、カメラなど、プライベートでも使えるような汎用性の高い機器の購入も対象外ですのでご注意ください。
-
汎用性が高く目的外使用になりえるもの
車・オートバイ・自転車・文房具等・パソコン等・家庭用電気機械器具は補助対象外 -
経費の支払いは原則「銀行振込」
特に10万円(税抜)を超える支払い(一括、分割問わず)については、現金支払いの場合、補助対象外 - 相殺や小切手、商品券等による支払いは、補助対象外
- クレジットカード払い等で、口座から引き落とされた日が、補助事業実施期限を過ぎている支払いについては、補助対象外
- オークションによる購入は補助対象外
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採択率はどれくらい?
2024年1~3月に募集された第15回公募分は、申請1万3,336件に対して5,580件の採択事業者が決定し、採択率は41.8%。前回までは60%前後で推移していましたが、申請書類の不備や、要件に合致しない申請が多かったため、大幅に下がる結果となりました。
採択されるポイントとして、補助金の目的に合致している内容であることが挙げられます。審査項目を満たしているかをよく確かめましょう。
申請手順は? 最新スケジュールは?
申請手順
申請手順は以下の通りです。
■ 申請の準備
1. 申請書類に不備があった場合、不採択となります。「公募要領」「参考資料」「よくあるご質問」を必ず確認し、申請に必要な要件等を確認の上、書類を作成、用意してください。
2. 電子申請システムへ「経営計画」および「補助事業計画」の入力をして商工会・商工会議所に「事業支援計画書」(様式4)の発行依頼を行い、発行を受けてください。
■申請手続き
申請は、電子申請システムでのみ受け付けます。
入力は、申請者自身が、申請システム操作手引き等に従い行ってください。
申請URL https://www.jizokuka-portal.info/
※補助金事務局ホームページに「申請システム操作手引き」を掲載しています。
最新公募スケジュール
公募スケジュール
・第18回公募:2025年10月3日(金)~11月28日(金)17時
・第19回公募:申請受付開始2026年5~6月頃を予定
※予定は変更する場合があります。
最新の公募情報は毎月更新。飲食店が使える補助金&助成金まとめでも掲載しています。
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、飲食店であれば従業員5人以下の小規模店が対象となっており、広告やチラシなどの販促費やポスレジ導入費用、新規出店や店舗改装など対象となる経費が幅広く、飲食店にとっても使いやすい補助金の一つです。
申請方法や必要な書類なども上記にまとめましたが、公募ごとに内容が変わる可能性がありますので、補助金事務局のホームページで最新の情報を確認することをおすすめします。販促に関するさまざまな取り組みについて活用できますので、ぜひご活用いただき、さらなる集客力アップ、売上アップにつなげていただければと思います。
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