2024/07/30 特集

最新!飲食店向け「小規模事業者持続化補助金」申請&活用ノウハウ

従業員5人以下の小規模な飲食店が対象となる「小規模事業者持続化補助金」。飲食店で使う場合の条件や補助額・補助率、対象となる経費、採択率などについて中小企業診断士の野竿 健悟 氏に話を聞きました。

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飲食店のさまざまな経費で活用できる汎用性の高い補助金!

小規模の飲食店(従業員5人以下)などを対象とした「小規模事業者持続化補助金」。2019年度補正予算中小企業生産性革命推進事業としてスタートした補助金で、最大で250万円の補助が受けられ、対象となる経費も販促に関する広告費やチラシ制作費からPOSレジ導入費用、店内改装、新業態の出店費用など、かなり幅広いのが特徴です。飲食店で使う場合にはどんな条件で、どんな枠があり、それぞれの補助額・補助率はどれくらいか、などを中小企業診断士の野竿 健悟 氏に話を伺いました。

目次
小規模事業者持続化補助金とは?
補助金額や補助率は?
補助金の対象となる飲食店は?
飲食店の場合はどんな用途で活用できる?
採択率はどれくらい?
申請手順と最新スケジュールは?
まとめ

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株式会社トライズコンサルティング 代表取締役 中小企業診断士 野竿 健悟 氏
飲食業や製造業、サービス業など、幅広い業界の補助金申請支援で高い採択実績を持つ。元システムエンジニアであり、知見を生かしたシステム開発の補助金申請の支援実績も多数。https://trise-c.jp/

小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人が、今後複数年にわたって賃上げ・物価高騰といった制度変更や外部環境の変化に対応するために、販路開拓・生産性向上(業務効率化)などの取り組みの経費の一部を補助する制度です。継続して事業を行えるように、自社の経営を見直し、事業基盤の強化を図ることを目的としています。

注:以下に記載する補助金に関する情報は「第16回公募」の情報を基にしています。

補助金額や補助率は?

小規模事業者持続化補助金には5つの申請枠があります。それぞれの内容と補助の上限金額・補助率は下記の通りです。

  • 通常枠
    補助上限:50万円 補助率:2/3

    自ら作成した経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら販路開拓などの取り組みを行う事業者
  • 賃金引上げ枠
    補助上限:200万円 補助率:2/3(赤字事業者の場合は3/4)

    販路拡大の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50円以上の事業者
  • 卒業枠※中小企業などからの卒業枠
    補助上限:200万円 補助率:2/3
    販路拡大の取り組みに加え、雇用を増やして小規模事業者として定義する従業員数(飲食店の場合は5人)を超えて事業規模を拡大する事業者
  • 後継者支援枠
    補助上限:200万円 補助率:2/3

    販路拡大の取り組みに加え、アトツギ甲子園(https://atotsugi-koshien.go.jp/)のファイナリスト・準ファイナリストに選ばれた事業者
  • 創業枠
    補助上限:200万円 補助率:2/3

    過去3年以内に「特定創業支援等事業」による支援を受けて創業し、販路拡大に取り組む事業者

上記のうち、飲食店は「通常枠」への申請が一般的ですが、「賃金引上げ枠」「卒業枠」で申請するケースも少なくありません。補助金額の上限は、「通常枠」は50万円、その他は200万円で、インボイス特例対象事業者には、さらに50万円上乗せされ、最大で250万円の補助金が支給されます。補助率は3分の2で、「賃金引上げ枠」のうち赤字事業者が4分の3とやや高めの補助率になっています。

インボイス特例対象事業者とは、2021年9月30日~2023年9月30日の期間に一度でも免税事業者であった、または免税事業者であることが見込まれる事業者、および2023年10月1日以降に創業した事業者のことです(適格請求書発行事業者の登録が確認できた場合のみ適用)。

補助金の対象となる飲食店は?

次の要件を全て満たす事業者が、持続化補助金の給付対象となります。まずはご自身のお店が対象かどうか確認してみてください。

  1. 小規模事業者であること(飲食店の場合、常時使用する従業員の数が5人以下)
  2. 資本金または出資金が5億円以上の法人に、直接または間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
  3. 直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  4. 商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること
  5. 持続化補助金の「一般型」「コロナ特別対応型」「低感染リスク型ビジネス枠」で採択を受けて補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書」を原則本補助金の申請までに受領された者であること
  6. 「卒業枠」で採択され、事業を実施した事業者ではないこと
  7. 直近の公募に申請中の事業者でないこと(重複申請は不可)

飲食店の場合はどんな用途で活用できる?

店舗の販路開拓、生産性向上のための一連の取り組みに活用でき、その対象経費はかなり幅広いです。

基本的に“地道な販路開拓支援”を目的とする補助金なので、集客につなげるためのチラシ・看板作成やWeb広告などの広告費、ポスレジなどのシステム導入費、店舗改装費や新規出店費にも活用できます。

対象となる経費

  1. 機械装置等費
    機械装置などの購入経費
  2. 広報費
    パンフレット・ポスター・チラシなどの作成、広報媒体などを活用するために支払われる経費
  3. Webサイト関連費
    販路開拓などを目的としたWebサイトや EC サイト、システム(オフライン含む)などの開発、構築、更新、改修、運用の経費
  4. 展示会等出展費
    新商品などを展示会などに出展する経費や、商談会への参加経費(オンライン展示会・商談会などを含む)
  5. 旅費
    補助事業計画(様式2)に基づく販路開拓(展示会などの会場との往復を含む)などのための旅費
  6. 新商品開発費
    新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するための経費
  7. 資料購入費
    補助事業遂行に必要不可欠な図書などを購入するために支払われる経費
  8. 借料
    補助事業遂行に直接必要な機器・設備などのリース料・レンタル料として支払われる経費
  9. 設備処分費
    販路開拓の取組を行うための作業スペースを拡大する目的で、当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器などを廃棄・処分する、または借りていた設備機器などを返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費
  10. 委託・外注費
    業務の一部を第三者に委託(委任)・外注するための経費(自ら実行が困難な業務に限る)

一方で、補助金全般に言えることですが、販路開拓のためといっても人件費は補助金の対象にはなりません。パソコンやタブレット、プリンター、カメラなど、プライベートでも使えるような汎用性の高い機器の購入も対象外です。その他、キッチンカ―、不動産に関する費用なども対象外となりますのでご注意ください。

補助対象外となる経費

  1. 国が助成するほかの制度を利用している事業と重複する経費
    全国旅行支援を利用した出張旅費、保険適用診療にかかる経費など
  2. 通常の事業活動に係る経費
    販売している商品の仕入、老朽化した既存機械の取替え費用など
  3. 販売や有償レンタルを目的とした製品、商品などの生産・調達に係る経費
    有料配信する動画の制作費、レンタル事業を営む事業者がレンタル機材を購入する費用など
  4. 他社のために実施する経費
    他社の販路開拓につながる取り組み、他社への寄付金や協賛金など
  5. 自動車等車両
    自動車、キッチンカ―、キッチントレーラーなど
  6. 上記のほかに、補助対象経費として認められない経費
    補助事業の目的に合致しないもの、必要な経理書類(見積書・請求書・領収書など)を用意できないもの、交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)などを実施したもの、自社内部やフランチャイズチェーン本部との取引によるもの、駐車場代、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費、電話代、インターネット利用料金などの通信費、役員報酬、直接人件費、雑役務費など
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採択率はどれくらい?

2024年1~3月に募集された第15回公募分は、申請1万3,336件に対して5,580件の採択事業者が決定し、採択率は41.8%。前回までは60%前後で推移していましたが、申請書類の不備や、要件に合致しない申請が多かったため、大幅に下がる結果となりました。

採択されるポイントとして、補助金の目的に合致している内容であることが挙げられます。審査項目を満たしているかをよく確かめましょう。

申請手順と最新スケジュールは?

申請手順

申請手順は以下の通りです。

① 申請に必要書類を用意・作成
② 「経営計画」「補助事業計画」などの書類を地域の商工会議所に提出し、「事業支援計画書」(様式4)の発行を依頼し、交付を受ける。
③ 地域の商工会議所から交付を受けた「事業支援計画書」(様式4)や必要な提出物をそろえて、補助金事務局に申請を行う。

➁の商工会議所に提出する書類や、③の申請で必要な提出物は、補助金事務局のホームページをご確認ください。

最新公募スケジュール

2024年7月末現在、第16回公募が2024年5月27日に応募を締め切っており、第17回公募以降の情報は公示されておりません。引き続き、ホームページなどで情報をチェックしつつ、公募要項の発表に備えて事業計画の準備を進めていただければと思います。

また、令和6年能登半島地震の石川県、富山県、福井県、新潟県に所在する被災小規模事業者を対象とした「災害支援枠」が創設され、4次申請が2024年7月19日~8月19日で行われています。詳しくはこちらをご確認ください。

まとめ

小規模事業者持続化補助金は、飲食店であれば従業員5人以下の小規模店が対象となっており、広告やチラシなどの販促費やポスレジ導入費用、新規出店や店舗改装など対象となる経費が幅広く、飲食店にとっても使いやすい補助金の一つです。

申請方法や必要な書類なども上記にまとめましたが、公募ごとに内容が変わる可能性がありますので、補助金事務局のホームページで最新の情報を確認することをおすすめします。販促に関するさまざまな取り組みについて活用できますので、ぜひご活用いただき、さらなる集客力アップ、売上アップにつなげていただければと思います。

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