インバウンド獲得対策の今─ vol.12
城下町・小田原が育んだ和食文化の粋を創業121年の老舗が外国人にアピール!
訪日・在日外国人の来店を加速させる販促を展開
かつては、小田原城下に開ける町として、また東海道の宿場町として栄えた神奈川県小田原市。日本屈指の温泉地・箱根の玄関口でもある。その歴史を今に伝える小田原城天守閣(「屋内プロジェクションマッピング 五代の緒 北条五代百年絵巻」が9月29日まで開催中)と城址公園を中心に、近年は東京からの日帰り旅行も増えている人気の観光地だ。2012年度は実に19年ぶりに、小田原城の年間入場者数が45万人を突破。なかでも外国人観光客は前年度より約4000人増と、観光機運も一層高まっている。
この地で創業121年を迎える「だるま料理店」は、築80年を超える重厚な日本建築の空間と、伝統的な日本料理が魅力の割烹。小田原城を訪れる国内外の観光客や、訪日・在日の外国人をもてなすために選ばれることが多く、特に企業が外国人ビジネスマンとの接待や商談に使うことが増えているという。「毎月、外国の方を交えた接待の予約をいただきます。東京都心など遠方から来られる方も少なくありません」と、同店の常務取締役・廣澤圭祐氏は語る。
そんな流れを加速させ、訪日外国人観光客はもちろん、小田原在住の外国人の集客力をより高めるため、廣澤氏は半年ほど前から様々な施策に着手している。まずは、ぐるなび外国語版に加盟し、外国語メニューを作成。日本語が話せない客もスムーズにオーダーできるよう工夫した。7月上旬からは、店の外壁に大型看板を設置し、国登録有形文化財に指定されている店舗建物の来歴も紹介。趣きある内観写真などを多数掲載し、英語の解説もつけて、散策中の観光客、特に外国人観光客の注目を喚起する。店を紹介するリーフレットも写真を多用したものに刷新して、看板の前に置き、誰もが自由に持ち帰れるようにすることで、来店促進を図っている。さらに、神奈川県が制作し、羽田空港で配布している外国人向けのフリーペーパーでも店を積極的にPR。この冊子を店にも常備し、来店した外国人客にお土産として進呈して、小田原観光の案内とともに、店の認知度拡大に活用している。
現在、来店する外国人客は、英語圏と中国語圏がほとんど。寿司や天ぷらが人気だが、生ものが食べられない客やベジタリアンなどには、湯葉や大豆製品などを使った会席料理の提供で対応。また、希望に応じステーキや唐揚げなどメニューにない洋風料理も提供するなど、“おもてなし”に努めつつ、「和食文化のよさを、もっとしっかり発信していくことが大切」と廣澤氏は考えている。今後は2020年の東京オリンピックを見据え、よりインバウンド対策を進める予定だ。
神奈川県小田原市本町2-1-30
http://r.gnavi.co.jp/gct9501/
インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2013年には過去最高の1,036万4千人もの外国人が訪日(日本政府観光局[JNTO]発表)。これまで過去最高であった2010年の861万1千人を上回り、1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破した。今後も増加が予想されるインバウンドの集客対策は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。
Information
受講無料 ぐるなび大学でインバウンド対策セミナー好評開催中!
近年、増加の一途をたどる訪日外国人観光客(インバウンド)。2013年は過去最高の1,036万人となり、初めて年間1,000万人を突破した(日本政府観光局[JNTO]発表)。
今後もさらなる増加が期待される中、ぐるなび大学ではインバウンドの集客対策として、「インバウンド対策セミナー」を各地で開催。インバウンドの現状、集客するためのポイントや「おもてなし」をする上での注意点を伝えるとともに、実際に外国人観光客が来店したときの対応について学ぶ内容になっている。ぜひこのセミナーを活用し、インバウンド受け入れ準備につなげていただきたい。
開催スケジュール
※参加無料。対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。
※時間は各エリアとも午後を予定。詳細はWebもしくは電話でお問い合わせを。
- 問い合わせ先:ぐるなび大学事務局
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0120-41-9672
受付/平日10:00 ~18:00 - URL:http://daigaku.gnavi.co.jp
Report from TOKYO & OSAKA
東京と大阪で特別セミナー開催!外国人観光客の集客に成功する繁盛店の講演に、多くの飲食店関係者が来場
去る6月16日に東京・日比谷で、6月30日には大阪・梅田で、飲食店のインバウンド対策に関する特別セミナー(二部制)が開催された。外国人の集客に力を入れて成功している繁盛店の生の声が聞けるとあって、そのノウハウを参考にすべく、多くの関係者が訪れた。
東京会場では、第一部の特別講演に、西新宿の焼肉店「六歌仙」の代表取締役である礒見幸成氏が登壇。店での取り組みをまとめたスライドをもとに、インタビュー形式での講演となった。質疑応答では予約時のトラブルやハラル対応など、現場で想定される内容の質問が多く挙がっていた。第二部はぐるなびセミナー「外国人接客のヒントを探る~国別対応ポイント~」。訪日外国人の多い10カ国をピックアップし、それぞれの国の人の傾向や特徴とともに、それに応じた「ぐるなび外国語版」の編集ポイントも紹介した。
一方の大阪会場の特別講師は、オリーブオイルで調理する串焼きが人気の「鉄板神社」広報・人事担当の門田桂太郎氏。「外国人集客で売上120%UPに成功! ゼロから始めた超シンプル外国人客対策」として、道頓堀という外国人が多いエリアで1カ月に1,000人を超える外国人を集客させた経緯やデータと、販促や店舗での接客を披露した。
両会場では熱心にメモを取る参加者も多く、今後ますます増加するであろう、外国人観光客の集客に対する意気込みが伝わってきた。
Report from KYOTO
アメリカ大手旅行雑誌の観光地ランキングで世界一に!日本を代表する人気観光都市・京都でもインバウンドセミナーが好評
アメリカの旅行雑誌最大手「Travel + Leisure」誌が毎年夏に発表する読者投票ランキング「World’s Best Awards」。今年は7月2日にニューヨークにて発表され、世界の魅力的な都市を決める「Top 10 cities」ランキングで、日本の都市としては初めて京都が第1位に輝いた。国内でも人気が高い観光地だが、今後、世界的な注目がより高まるのは間違いないだろう。
そんな京都で7月7日、上で紹介している「インバウンド対策セミナー」が開催された。今回は8店舗10名での開催となり、全国と京都市の観光客数や、京都市の観光客誘致関連の施策を確認した後、実店舗の事例を交えて「外国人の受け入れ体制」「集客の工夫」を共有する有意義な場となった。
ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking
「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。
全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の“本物の情報”を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。それを理解してもらうことにより、結果として日本の外食文化の健全な発展、そして海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客の拡大を目指していく。
■会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧を促進。
■日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。
訪日外国人観光客のための「コンシェルジュサービス」も実施!インバウンド対策には詳細情報の発信が可能な「ぐるなび外国語版」!
インバウンド(訪日外国人観光客)の受け入れ環境整備は、飲食店の急務。ぐるなびでは、そのサポートの一環として「ぐるなび外国語版」を開設している。
トップページは英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)、タイ語、マレー語、インドネシア語に対応し、店舗ページでは売りや特徴をアピール。また、店舗ページのメニュー情報をプリントアウトするだけで、簡単に外国人用のメニューとして使用できる。2013年には特集の掲載のほか、コンシェルジュサービス(日本語を話せない「ぐるなび外国語版」ユーザーのための予約専用ダイヤルおよび、メールでの問い合わせ専用フォーム)がスタートするなど、ユーザーの使い勝手も高まっている。
ぜひ「ぐるなび外国語版」の導入を検討してみてはいかがだろうか。内容や加盟特典に関する詳細は、担当営業またはサポートセンターまで。