2011/07/05 特集

お店の売りを伝え、客を呼び込む!店頭販促のツボ(2ページ目)

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東京・大手町

とり鉄 大手町店

明るさと清潔さで、印象に残る店に変身。来店動機を刺激して選ばれる店に

ライトの数のほか、照度も重視した店頭

新設の特注アクリルボード
ライトアップにも工夫を

昨年5月、店長に就任した新條明人氏。まず行なったのは、徹底した店頭の掃除だった。「高架下にある店舗の暗いイメージを払拭するため、苛性ソーダを使い、定期的に店の前の歩道を洗浄しました。入口のマット交換も2週間ごとにしていたのを1週間ごとに変えました」。入りやすい店を目指し、その上で、店頭販促に着手した。

「次はブラックボードの設置。おすすめメニューをイラストと共に手書きすることで、親しみやすさを意識。さらにメニュー看板をリニューアルして、スポットライトも付け、新たにタペストリーをさげてコース料理を紹介しました」。メニュー看板とタペストリーはFC本部にあったものを使ったので費用はかからず、3カ月後には狙い通りの、集客もアップ。「本部に実績を認められ、販促予算を得ました。そこで今度は、店舗名を書いただけだったキャスター付き電飾看板に、一目でわかる売りのつくねの〝シズル感〝を加えました」。

また、アクリルボードを新設。これは横長のボードを4枚特注し、パネル状に設置したもの。そこに、季節ごとに看板メニューの写真やメニュー表などを変えて挟み込み、ライトアップさせることで店頭の雰囲気を一変させた。「明るさや見栄えを確かめるため、通りの向こうから店を眺め、どんなライトが効果的かも検証しました。トップライトに加え、安価な投光器を付けて下からも照らすといった工夫もしました」。そんな努力により、女性客が増えたほか、向かいのビルに勤める人の来店が多くなったという。

その一方で、ディナー客には名刺交換で得た情報をもとにDMを送付。ランチ客には店の会員登録を促進し、ディナーが割引になる特典をメール配信するなど、客層に合った販促の使い分けを行ない、集客努力を重ねた。

こうした取り組みの結果、昨年の忘年会シーズンは好調で、売上は前年比120%にアップ。4月下旬には店内のクロスも張り替え、半個室用にロールスクリーンを取り付けた。その効果は夏頃に表れそうだと、新條氏は期待を寄せている。「どの店を選ぼうか、迷って歩いている人に確実に印象付けられるのが店頭販促。客の注意を喚起することが最も重要です。閉まっているときにも店は見られていることを意識し、店頭販促を行ないたい」と、次には大看板の刷新も検討している。

文字だけだった看板に、売りの写真をプラス。何を売る店かが分かり、通行人の興味を誘う
「遠くから『あそこに何かある』と気付いてもらえるかが勝負」と新條氏
イラストはアルバイトスタッフによるもの。かわいさ、親しみやすさも重要だ。隣のメニュー看板は、上部にライトを取り付けた
左のタペストリーは下からの光でさらに目立たせ、ポスターもバックライトが効果的に作用。離れていてもよく目立つ
特注のアクリルボードは、いつでも挟むものを変更可能。夜はライトアップされることで、より立体感が出るのも特徴だ
売りのひとつは烏骨鶏のつくね。メニュー表には素材の説明とこだわりを明記したページを作り、6種のつくねの写真を並べることでオーダー率アップにつなげている
カフェで勤めた経験をもとに、クレンリネスを徹底的に追求して実践。店内および店頭の清潔さと、居酒屋の親しみある接客の両面を融合させ、店の売上を伸ばし続けている
とり鉄 大手町店
東京都千代田区大手町2-5-12
http://r.gnavi.co.jp/g985900/JR の高架下にオープンして7年目。リーズナブルな価格で食べられるウコッケイのつくねは、手ごねでジューシーな看板メニューとして人気。カウンターのほか、落ち着いた個室利用でもニーズを広げる、近隣ビジネスマン御用達の店

〈コラム〉
「見せる」はアピール力抜群!店頭販促の王道!?

京都「鹿ケ谷」の売りは、京都地場産の有機・減農薬・減化学肥料の野菜。それら朝採りの野菜を毎日、手作りジャムなどと共に店頭のショーケースに並べ、14~17時は実際に販売も行なっている。新鮮な食材の陳列は視覚に訴えかけ、店の売りをストレートに伝えられる強力な武器だ

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