料理やドリンクを提供する際に欠かすことができない皿やグラス。デザインの美しさはもちろん、機能性にもすぐれる“器”は、来店客の満足度を高めるだけでなく、店のブランディングにもつながる。そこで、器に強いこだわりを持つ店に話を聞いた。
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日本の豊かな食文化を器の上で表現
【東京・西麻布】料理屋 とき彩【ときいろ】
味はもとより、五感でも楽しんでもらえるよう工夫
東京・西麻布に、2015年7月オープンした「料理屋とき彩【ときいろ】」。旬の食材を使った日本料理が楽しめる店で、客層は40代以上のアッパー層が中心だ。
同店では、自慢の料理を目でも楽しんでもらうため、あつらえの皿を数多くそろえている。店主の山岸右季氏は、「器も日本の食文化の豊かさを伝える大切な役割を果たしています。器を選んだりあつらえたりするときの基準は、お客様に料理をお出ししたとき、どうすれば驚き、笑顔になっていただけるか。そこからの逆算です」と話す。
特に、10種類以上ある有田焼のあつらえ皿は、山岸氏が窯元に直接足を運び、職人と相談しながら発注したこだわりの品ぞろえだ。そのひとつ、鮎あゆ料理に使う皿には、涼やかな清流をデザイン。色や形にもこだわり、生き生きと泳ぐ鮎を表現できる一皿に仕上げた。「伝統文化の継承につながると考え、若い世代の職人さんに発注することも多いです」と山岸氏。
ほか、グラスも江戸切子や有田焼のお猪口をそろえ、好みのものを選んでもらうスタイル。桐箱に入った数十種のお猪口を見せるとゲストが喜ぶと、接待などでも好評だ。
器以外にも、桐たんす職人に発注したおしぼりトレーや雄勝石のコースター、有田焼の箸置きなどもあつらえ品を使用。今後も料理との組み合わせから逆算した器を使い、日本料理の奥深さを表現したいと考えている。
山岸 右季氏都内の割烹などで修業し、同店をオープン。日々、伝統文化への知見を高める努力を続ける。
東京都港区西麻布4-11-4 尾花ビルB1
https://r.gnavi.co.jp/56a26t1n0000/地下鉄六本木駅から徒歩10分の隠れ家的一軒。2部屋ある完全個室は接待で重宝されており、おまかせ会席(12,960円)が人気。
受け継がれる職人技を体感できる酒器が好評
【東京・銀座】燕三条 イタリアン Bit 銀座店
価値ある工芸品を手に取り、使える喜びが満足感に
古くから「ものづくりのまち」として知られる新潟県・燕三条エリア(燕市と三条市の総称)。現地で作られる食材や伝統工芸品の魅力を発信すべく、新潟市内の1号店に続き、東京・銀座に昨年10月オープンしたのが「燕三条イタリアンBit銀座店」だ。
同店では、燕三条の製造業者17社の協力のもと、鍋や食器、酒器、カトラリーなどを使用。なかでも、手にした来店客の多くを魅了しているのが、約200年の歴史を持つ老舗企業・玉川堂(燕市)による鎚ついきどうき起銅器のグラスや、ぐい呑みだ。鎚起銅器とは、平らな銅板を金槌で叩きながら立体に成形する江戸時代からの伝統工芸品。全工程、職人の手作業で作られる芸術性に加え、冷たいものがぬるくなりにくい特徴を持つ。日本酒を注文した人には、鎚起銅器とガラスのぐい呑みでの飲み比べを提案。「『銅器は、味わいがまろやかになる』と驚くお客様も多いです。来店を機に燕三条に興味を持ち、実際に現地を訪れて工房巡りをされた方もいらっしゃいました」と、スタッフの内田祐二氏は話す。
ほか、アウトドアブランド・株式会社スノーピーク(三条市)のダッチオーブンでご飯料理を提供するなど、燕三条で作られた調理器具を活かす料理の開発も進めている。
普通の食器ではなく、玉川堂などの価値ある伝統工芸品を食器として使えるという体験。それが特徴となり、着実にファンを増やしている。
内田 祐二氏オープン時から働き、研修で燕三条の工房などを訪問。そこで得た知識を接客に活かす。
東京都中央区銀座7-8-8 ingビル3F
https://r.gnavi.co.jp/rs2km6gb0000/テーブル席とカウンター席があり、客層はビジネス層が中心。燕三条の鎚起銅器やカトラリーをディスプレイしたショーケースも。
細部までこだわった陶器を自慢のフレンチと融合
【広島・中町】Cent secrets(ソンスクレ)
陶器作家にフルオーダーし、使い勝手とデザイン性を両立
広島市中区の並木通り沿いにある、カジュアルで落ち着いた雰囲気のフランス料理店「Cent secrets(ソンスクレ)」。客層は女性が中心だが、男性1人でも気軽に利用できる店として支持されている。
器の特徴は、多くが特注の陶器であること。オーナーシェフの為岡輝紀氏は、もともと汎用品の洋食器を使う予定だったが、オープン2カ月前に雑貨店で見た、ある作家の器のデザインに魅了された。「シンプルながら、厚みや形など、使う人のことを考えられていると感じました」と為岡氏。すぐにその作家にコンタクトを取り、広島・江田島にある工房へ。突然の依頼だったが、快諾を得て、オリジナルの器作りがスタートした。重視したのは、1枚で前菜やデザートなど様々な料理に使えること。サイズや厚さ、色などをイラストにして作家に伝えた。「作家さんがミリ単位で調整し、より使いやすくなる提案もしてくれました」(為岡氏)。そうした意見交換を繰り返し、7種類130点の器が無事に完成した。
そのなかの1つ、帽子を逆さにしたような形の器は、前菜やデザートなどで使用。広い縁に食材を載せてアクセントにする盛り付けも、器を発注した時にイメージしていた使い方だ。「特注品はすべて、割れにくい加工もされており、食器洗浄機で洗っても問題ありません」と為岡氏。料理が引き立つだけでなく、使い勝手のよい“自分の店のためだけの器”が、様々な面で効果を発揮している。
為岡 輝氏高校卒業後、軽井沢やパリなどで修業し、独立。陶器で提供するフレンチに磨きをかける。
広島県広島市中区中町2-8 アルコビル1F
https://r.gnavi.co.jp/nh94aszh0000/飲食店などが並ぶ広島市中区の並木通り沿いに2015年3月オープン。和の食材を使った創作フレンチで幅広い年代の層を集客。
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