2021/02/16 特集

容器を見直して満足度アップ! 進化するフードパック 選ぶコツ&おすすめ容器

テイクアウト・デリバリーに欠かせない「フードパック」。衝撃や汁漏れ防止など機能性を高めたものや、エコ容器なども数多く登場する中、自店に合う容器を見つけるには?フードパック選びのコツとおすすめ品を紹介。

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更新日:2023.2.28

品質を保ち、SNS映えも狙える。エコ素材の容器にも注目

コロナ禍を経て、自宅で手軽に飲食店ならではの味を楽しめるテイクアウトやデリバリーの需要が急増。新たに提供を始めた飲食店も増えた一方、持ち帰りや配達の過程で料理が崩れたり、スープが漏れたりしてクレームにつながるケースも少なくない。

包装資材の企画・製造・販売を行う株式会社シモジマの尾尻新吾氏は、「飲食店にとってテイクアウトやデリバリーは単なる売上補填にとどまらず、新規客に店を知ってもらうチャンス。料理の味、ビジュアルなども含めた品質は、お客様が召し上がるまでしっかりと保ちたい。そのためにはフードパックが大変重要です」と強調する。

また、フードパック次第で、前述のようなトラブルは9割解決するとも。では、飲食店はどのような視点で容器を選べばよいだろうか。尾尻氏によると、トラブル防止のポイントは「用途」と「機能」。さらに「デザイン」「コスト」を加味するのがよいという。

株式会社シモジマ マーケティング部 部長 尾尻 新吾氏(写真左) 第二営業部 第一課 課長 桜井 康隆氏(中央) かっぱ橋店 フロアマネージャー 山本 耕平氏(右)
パッケージ用品の企画・製造・販売を行う専門商社・株式会社シモジマ。東京・合羽橋にあるかっぱ橋店では3万点超の食品包装資材を取り扱い、飲食店関係者の利用も多い。尾尻氏はマーケティング、ブランディングを幅広く担当。桜井氏は飲食店への提案や商品開発、山本氏はかっぱ橋店フードデリバリー専門フロアのマネージャーを務める。

目次
・4つのポイントを考慮して、ベストな容器を選ぼう!
・ジャンル別 おすすめのフードパック
 └弁当
 └カレー・スープ
 └麺
 └丼物
 └サラダ
 └ドリンク
 └袋

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4つのポイントを考慮して、ベストな容器を選ぼう!

まず考えたいのが「用途」だ。自店に合う容器は、料理の内容はもちろん、テイクアウトとデリバリーのどちらで使うかによって大きく異なる。「デリバリーの場合、自転車やバイクで配達することが多く、容器にかなりの衝撃が加わります。また購入した人が料理を持ち帰るテイクアウトと違い、何かあった際には配達員や店側が責任を問われる。そのため、より揺れや衝撃に強い容器を選ぶ必要があります」(尾尻氏)。デリバリー用の容器には配達用バッグのサイズに合わせて作られたものなど、衝撃対策に特化したものを活用するのがおすすめだ。

用途が決まったら、「機能」の検討を。ふたの形状や本体との嵌合(かんごう)性(はまり具合、下図参照)、仕切りや中皿の有無、電子レンジが使えるかなど、製品によってさまざまな機能があり、選択肢は幅広い。「例えばラーメンなら、提供から食べるまでに麺が伸びないよう、容器内に中皿を挟んで麺とスープを分割できる機能を持つタイプ、スープなど汁気の多いものは汁漏れに強い内嵌合や内外嵌合のふたがおすすめです」と尾尻氏はアドバイスする。

ふたが容器本体の内側と外側どちらに(あるいは両方)ぴったりはまるかで機能が異なる。汁気の少ないものを陳列販売するなら外嵌合、デリバリーなら内嵌合や内外嵌合が適している

3つ目の「デザイン」は、料理や店の印象にも大きく影響する要素。「特にテイクアウトは、スーパーやコンビニも飲食店の競争相手になってくるため、フードパックで見た目の差別化を図ることも重要」と尾尻氏。女性をターゲットにしている店であれば、クラフト紙を使ったナチュラルなイメージの容器や、店名などのロゴシールを活用したり、SNS映えを意識したフードパックがおすすめだという。「好みの色・柄を選べるなど、オリジナリティーのあるデザインにカスタマイズできる容器も豊富にあります」(尾尻氏)。

最後に「コスト」については、メニュー内容や価格に見合ったグレードを選ぶのが鉄則。「例えばリーズナブルな弁当に1個80円などの高めの容器を使うと利益が減ってしまいますが、高価格な料理にチープな容器を使うとイメージがちぐはぐになり、商品価値を落としてしまいかねません」(尾尻氏)。店によって差はあるが、「一般的には販売価格の5%以内に抑えるのが理想」とアドバイスする。

こうしたポイントに加え、今後注目したいのが、紙や自然由来の素材を使ったエコフードパック。紙製の容器は以前からも流通していたが、最近は紙でありながら電子レンジに対応したものや汁漏れに強いものも登場。また、生育が早い竹やユーカリなどを原料にした新素材の容器も開発されている。「“環境や社会に配慮しているかどうか”は、お客様に選ばれるための重要なキーワード。サステナブルな取り組みの一つとしてエコ容器もぜひ検討を」と尾尻氏。

以下、飲食店のテイクアウト・デリバリーに適したおすすめのフードパックを、ジャンルごとに紹介。自店にぴったりな容器選びの参考にしていただきたい。

ジャンル別 おすすめのフードパック

弁当

ご飯とメインのおかずに加え、複数の惣菜や漬物などを詰め合わせる弁当には、味が混ざらず、デリバリーでも料理が崩れにくい仕切り付きタイプを。テイクアウトのみなら、クラフト紙風の容器でスタイリッシュさを演出できる。

バイオデリカシェルボックス 770円(25枚)
(写真左)デリバリー用に開発された、本体とふたの一体型容器。一体型は通常嵌合性が低いが、こちらはしっかり閉まり、各区画も完全に仕切れる。植物由来のプラスチックを含み、環境にも配慮。マット感のあるブラックで、高価格な商品の高級感も損なわれない。(右)真四角タイプもラインナップ。ご飯や惣菜を少量ずつ盛り付ければ女性向けのおしゃれな弁当に(1,430円/25枚)
ペーパーランチBOX/仕切付 2,090円(50枚)
従来の紙製ボックスにはなかった仕切り付きで、環境への配慮が認められた森林認証紙を使用。ナチュラルな質感で洋食やサンドイッチとの相性がよく、テイクアウト向き。
ネオクラフト/フードBOXロング 1,452円(20枚)
内側に油分に強いPBTラミネート加工を施しており、中華料理などに向いている。電子レンジでの再加熱もできる。ボリュームがある料理のテイクアウト用ボックスとして好評。
DLV角 1,012円(50枚)※ふたは別売り
こちらもデリバリー用に開発されたもの。ふたは汁漏れに強い内外嵌合で幅広い料理に対応。ふたと本体の底がかみ合う形状で、容器を重ねるとカチッとはまる。重ねてしっかり固定できることで、揺れに強く中身が崩れにくい。

カレー・スープ

汁気の多い料理で最も注意したいのが汁漏れ。特にデリバリー用は揺れや衝撃に強いものを選びたい。紙製でも頑丈なものは多い。カレーではルーとご飯が混ざらないように工夫された容器もおすすめ。

エコバンブー/カレー皿 627円(20枚)※ふたは別売り
原料に竹を使用した、軽くて丈夫な楕円型容器。土に埋めても分解されて自然に帰る、環境に配慮したエコな素材。水や油に強く、スープやカレーに適している。別売りのふたは、積み重ねて陳列した際に倒れにくい構造。
未晒(みざらし)フードカップ/深皿タイプ(460ml) 330円(25個)※ふたは別売り
内側にポリエチレンが貼ってあり、水分が染みにくく丈夫。空気穴が空いたふたを使えば、容器内の蒸気を逃し膨張を防げるので、温かいスープや麺類を入れても安心。嵌合性が高くデリバリーにも強い。
エコバンブー/フードパック 924円(20枚)
こちらも竹素材の容器。本体・ふた一体型で、高さがあるためボリュームのある盛り付けにも対応。ご飯と彩りのよいサラダなどを入れ、別容器に入れたルーやスープとセットにするのがおすすめ。揺れには弱いためテイクアウトに向いている。
BFカレーシリーズ 1,355円(50枚)※ふたは別売り
ごはんとルーを仕切れるタイプ。内嵌合で汁漏れを防止。ふたにU字の穴が付いており、蒸気を逃がすので温かいものを入れても安心。
BFランチ内77 1,487円(50枚)※ふた、中のカップは別売り
ご飯や副菜の仕切りに加え、ルーやスープを入れたカップをはめ込むスペースがあり、料理ごとにしっかり分けられる。1つの容器でボリューム満点なセットメニューを提供できる。

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 ラーメンなどのデリバリー需要が高まり、麺が伸びにくく、スープが漏れにくい、機能的な容器が続々と開発されている。汁なし麺やパスタ用には、見た目も華やかで、あっと驚く仕掛けを備えた“映え容器”もおすすめ。

DLV麺 1,430円(50枚)※ふた、中皿は別売り
ラーメンのデリバリーに特化して開発された容器。スープは本体、麺や具材は中皿に分けて入れられ液漏れもしっかり防止。うどんやそばはもちろん、丼物にも活用できる。
おりがみカップ 1,045円(20個)※ふたは別売り
円形の紙をジャバラに折りたたんだカップで、折り目を広げると皿のようになる。パスタなどにおすすめ。別売りの内皿を使えばパスタとソースを分けて入れられる。本体は電子レンジに加えオーブンでも使用でき、グラタンからスイーツまで用途は幅広い。

丼物

 テイクアウトはボリューム感を強調できる外嵌合の容器、デリバリーはご飯と具材を分けられる中皿付きや、配送時にずれにくい四角がおすすめ。小さめの容器を使ってサイドメニューにミニ丼を用意すれば、客単価アップも狙える。

未晒(みざらし)フードカップ/浅型タイプ 605円(25枚)
クラフト素材特有の風合いでシンプルながらスタイリッシュなデザイン。サイズも豊富に展開しており、大容量のものは唐揚げのテイクアウトなどにもおすすめ。
正角丼 1,045円(50枚)※中皿、ふたは別売り
深めの構造で、すき焼き丼や牛丼など汁気の多い具材にも対応。高級感のあるビジュアル。角に指を入れられる隙間があり、本体からの取りはずしもスムーズ。
MFPドリスカップ 762円(30枚)
保温性の高いプラスチック製で、電子レンジでの温めもOK。ふたや中皿を複数の形状から選べる。丼物では、高さがある外嵌合ふたがおすすめ。内嵌合ふたを付ければデリバリー向きにも。

サラダ

 サラダは、中身が見える透明容器で彩りをアピールしたい。ドレッシング容器を固定できるタイプなど、デリバリー用に開発された商品も増えている。

クリーンフォーユー 2,260円(50枚)※中皿、ドレッシングカップ、ふたは別売り
仕切り付きの中皿やミニカップをセットでき、サラダや冷やし中華などに最適。本体には指がフィットする突起が付いており、食べる際に持ちやすい。
クリーンカップキューブ 1,213円(50枚)※ふたは別売り
内嵌合のふたで、容器を反転させたり傾けても中身が漏れないため陳列の幅が広がる。段積みしやすくデリバリーでも利用できる。

ドリンク

 サイドメニューとして用意することで、客単価アップにつながりやすいドリンク。カップだけでなくふたも紙素材のものなど、よりエコな容器が開発されている。

バタフライカップ 12オンス:924円(40個)8オンス:924円(40個)
カップの上部を内側に折り重ねることでふたになり、左右の先端が飲み口になるためストローも不要。ホット用とコールド用がある。
モデレカップ 340ml:792円(50個)ふた:467円(50個)
カップに凹凸のある紙素材を巻きつけた二重構造。耐熱性に優れ、手への熱伝導も抑えられている。ふたも紙製でエコフレンドリー。

 2020年7月よりプラスチック製レジ袋の有料化がスタート。飲食店もテイクアウトなどで袋を提供する場合は注意したい。紙やバイオマス原料25%以上の袋であれば無償で提供できるので、備えておくのも一案。インパクトのある袋を使えばSNSでの拡散も狙える。

のび×2バッグ 429円(100枚)
不織布のミシン目を広げると手提げ袋に変形。網目が容器の凹凸にフィットし安定感も抜群。SNS映えするビジュアルで店を印象付けることも期待できそう。
Pスムースバッグ/未晒(みざらし)無地 2,145円(25枚)
マチが広く安定感のある紙袋。豊富なサイズ展開で、サイズ指定も可能。コース料理や複数の料理を渡すケースに準備しておきたい。

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