※スマイラー110号(2025年4月)より転載
怒られたらシュンとする日本人、笑う外国人
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「GURUNAVI FOODHALL WYE 天空橋」は、ぐるなびがプロデュースする飲食店だ。これまで、ぐるなび社で加盟店向け営業に力を注いできた木村氏は、かねてから興味のあった飲食事業に自ら手を挙げチャンスを掴んだ。
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羽田空港が近く店内は訪日客向けの内装に -
「幸せを分かち合う」という意味合いも持つ縁起物の樽酒のディスプレイ
着任当初、木村氏に課されたのはさらなる売上拡大という高い目標だった。インバウンド客の取り込みや、オフィスワーカーのランチ需要の獲得など、取り組むべき課題は山積していた。そのような中、初めて外国人の部下を持つことになったのだ。
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外国人スタッフを迎えるにあたり、木村氏は言葉の壁に対してネガティブな気持ちはなく、むしろ自分にできることは何かを考えた。ポケットには翻訳アプリを常備し、必要なときにすぐ活用できるようにした。こうした配慮をしつつも、日本人スタッフと同じように、良いときはしっかり褒め、改善が必要なときは指導してきた。しかし、木村氏は一つ、反省していることがあるという。
「ベトナム人スタッフの話ですが、私が叱ったときニコニコしていたんですよね。緊張感がなく、まるで反省していないように見えたんです。だから、厳しく注意しました。でも、よく考えてみるとおかしいなと。『なぜ笑っていたんだろう?』と疑問に思ったんです」と木村氏。
なぜ叱られているのに笑っているのか。その理由を調べると、ベトナムには「叱られているときも笑顔でいるように」という教育があることを知った。実際にスタッフにも話を聞いて確認したという。「なぜ、笑っているのかが分かると、いろんなことが腑に落ちました。叱られていた時の表情は、彼女たちなりの“くじけないぞ”という意味の笑顔だったんだと思います。それを知らずに厳しく叱ってしまったことを反省しました。同時に、文化を知ったうえで接することの大切さを改めて実感しました」と振り返る。
他にも、思わぬところで文化の違いを感じることはあったという。例えば、日本では平日と祝日で電車の運行ダイヤが変わるが、外国人スタッフにとってそれはなじみのないルールだ。しかし、日本人にとっては当たり前すぎて、“説明しなければ分からない”という発想自体が抜け落ちてしまう。だからこそ、問題が起きたとき「なぜこうなったのか?」をしっかり伝え、互いに歩み寄ることが大切なのだろう。
「外国人採用はなんとなく嫌だ…」、その先入観はもったいない
木村氏は、外国人スタッフの真面目さを強く実感している。「遅刻もしないし、欠勤もしない。責任感が強く、任せた仕事は一生懸命覚えようとしてくれます。いい加減な人を見ると『責任感がない』と怒ることもあるくらいで、それだけ仕事に対する意識が高いんです。お客様が少ない時間帯は、必ず掃除をしてくれています。何事にも真面目に、そして一生懸命に働く姿に頼もしさを感じます」と木村氏。
他にも、こんなエピソードを話してくれた。「キッチンでは、さまざまな調理道具を使いますよね。彼女たちは『コレ』という曖昧な言葉を使いたくないようで、道具の名前をしっかり覚えようと、自分から質問してくれます」。
一方で、お客様とのコミュニケーションは難しい場面もあるという。「クレーム対応は特に難しいですね。お客様が興奮して早口になると、彼女たちも萎縮してしまい、日本語がうまく出てこず、もう一度聞き直そうとすると、『日本人スタッフを呼んで』と言われてしまうこともあるんです」と木村氏は話す。
しかし、こうした状況に対応できるようにするために、一次対応は外国人スタッフに任せつつ、解決できない場合は木村氏が二次対応を行っている。「経験を積むほどに、自身で対応ができるようになっています。最初は戸惑っていましたが、今ではしっかり受け答えできるようになってきましたよ。頼もしいなと感じます。それに日本語も格段に上手くなりました」。
今後、外国人スタッフに期待することは、店を任せられる人材へと成長すること。そのための人材教育の一つとして、外国人雇用支援企業の協力を得ながら、外国人スタッフ自身が「いつまでに、どんな姿になりたいか」を明確にし、達成に向けた具体的な行動を決める研修を実施している。
最後に木村氏は、「外国人人材の雇用は、はじめこそ言葉の壁があり大変ですが、それを彼女たちだけの問題にするのではなく、私たちも学ぶ必要があると思っています。異なる文化の中で働くわけですから、採用する側も勉強する姿勢を持つことが大切です。彼女たちは本当に一生懸命で、長く働いてくれると感じています。外国人雇用は難しいものではなく、むしろ店にとって成長のチャンスだと思います」と語る。
近年、飲食業界では深刻な人手不足が問題視されている。しかし、外国人雇用を単なる労働力の確保と考えるのではなく、新たな可能性を広げる機会と捉えることが、これからの時代には求められているのではないだろうか。
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