2026/03/10 コラボ企画

【食団連・髙橋 英樹 氏】外食産業を国の基幹産業に!2026年、飲食が飛躍する理由

一般社団法人日本飲食団体連合会(以下、食団連) 専務理事兼事務局長の髙橋 英樹 氏には、人生に対する姿勢が変わった決定的な契機が三度ある。16歳の夏、社長就任時代、そして「居酒屋甲子園」創始者の大嶋 啓介 氏との出会いだ。数々の悲喜(ひき)こもごもの体験を経た今もなお、髙橋氏は日本の外食産業の明るい未来を信じ、業界全体の改善を目指して疾風(しっぷう)のごとく動き続けている。

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※スマイラー118号(2025年12月)より転載

挫折から「飲食は天職」への目覚め。16歳の夏が原点

日本の外食産業の未来を熱く語る、一般社団法人日本飲食団体連合会 専務理事兼事務局長の髙橋 英樹 氏

「僕はもともと学校の先生になりたいという夢があって、会社を興したいわけではなかった。でも、あり余るエネルギーが暴発して高校をすぐ辞めることになって、学歴がなくなり職業の選択幅がぐっと狭まった。母親から手に職をつけろと言われて、じゃあ飲食業でもやるかって感じで選んだんです。高校を中退した挫折感も認められず、世間に、新しく始めた仕事に反発していました。ところが16歳の8月31日、職場の先輩との会話で飲食業が天職だと目覚めた。やるなら1番を目指した方がいいと思いましたね」。

8年後、飲食業界で働く機会をくれた恩師と共に起業。10年を経た2004年に事業承継し、社長に就任。2度目の転機が来る。

「先代に対する感謝の気持ちがない、と後輩や周囲に言われたんです。僕は先代から借金を背負わされて人生を損している、みたいな愚痴(ぐち)をいつも言っていました。でも会社を引き継ぐことを選んだのは自分。うまくいかないから人のせいにしていた。うまくいけばそれは僕がやったと。社長をして苦労する中で、いろんな人との関わりがあって今の自分があるのも忘れていた。驕(おご)りが出ていましたね。長いこと生きているとつい過ちを繰り返してしまう。でも気付かせてくれる出会いや助けが必ずあります」。

「居酒屋甲子園」大嶋氏との出会い。支え合う夢の力

「僕は負けず嫌いで自分に不都合な部分は蓋(ふた)をするところがありましたが、『居酒屋甲子園』創始者の大嶋さんと出会って変わりましたね。居酒屋甲子園は、今でこそ業界でそれなりに知っていただいていますけど、最初は誰も知らなかった。たかが数店舗しかやってないオーナーが集まって『居酒屋で日本を元気にする!』って、何言ってるねん、と思いますよね(笑)。

初期は参加企業も少なかったけど、そこから諦めなかった。大嶋さんが“可能性”とか“挑戦”という言葉をひたすら言い続けて仲間の僕たちはその気にさせられた。実際、成功をおさめて、その体験が自信につながった。『共に学び、共に成長し、共に勝つ』という彼の理念にも大きく影響を受けて、今の僕の基本スタイルになっているかな。

ひとりで得る成果よりも、みんなで得る成果の方が満足度や達成感が違う。これが今一番、エネルギーの原動力です。夢を見つけられない人は、夢のある人がそばにいたら、その人の夢を応援するのでもいい。皆それぞれ役割があって、飲食業の場合は、独立が夢なこともあるけど、経営者を輝かせることが夢でもいい。僕は『居酒屋から日本を元気にする!』ってキラキラしながら人前で話す大嶋さんに出会って、憧れるというか、僕のキャラだと真似したくても無理だなと(笑)。

僕はどちらかというとロジックを考える方が好きで、彼にロジックあるの?って聞くと、純粋無垢(むく)な笑顔で「ない!」って(笑)。でも彼みたいに人のやる気に火を付ける人がいて、僕は飲食やる人を支援することに燃えられる。自分のいる場所で咲けばいい。そういう意味で僕、自分の奥さんはすごいと思っています。好きなことをやらせてくれて、僕を応援することが彼女の夢なんだと勝手に思っています(笑)」。

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食団連が挑む「業界のルール作り」。オール外食で声を政策に

髙橋氏が感じる飲食業の可能性が、いまでは業界全体の夢や目標となって広がっている。

「約20年前に『居酒屋甲子園』の団体を立ち上げ、横のつながりはできましたが、コロナ禍でそれだけでは足りないと気付きました。飲食業界は31兆円市場と市場的に決して小さくないのに、参入障壁が低いため、皆好き勝手やって、まとまっていなかった。世間の動向や情報が届きにくい地方を含む、外食産業従事者の声を集め、時代に合わせて、ルールを僕たちの業界に合うように変えないと」。

2021年、髙橋氏は「一般社団法人日本飲食団体連合会(食団連)」を設立。事務局長として個店会員を増やし、全国支部も広げる活動中だ。食団連は2025年、風営法がからむ旅館の調理場での外国人就労を実現した。「やっていることは地味です。当事者じゃないと知り得ないような、誰もあえて触れない、だけど重要な課題をこつこつ扱っています」。

外国人労働者に「選ばれる国」へ。人手不足解消へのアプローチ

コロナ禍収束後に改めて外食産業の課題を抽出して感じたことは“人”だったという。

「1丁目1番地は“人”。僕は外食産業に足を踏み入れて今年で41年目ですが、当時から今もずっと人手不足です。今後外国人に働いてもらうために日本が、そして外食産業が他産業と比べて選ばれるようにならなければいけない。日本人は外国人に対してまだすごく閉鎖的。地方に行けば行くほど“ジャパンイズナンバーワン”がいまも通用していると思っている。もうとっくに負けているので、外食産業として、外国人労働者が日本に来た時点で育てていく環境を作らないと。人口1億2千万人の国に4千万人のインバウンドが来る時代で、外食産業は大事ですよ。僕たちは今後どういうビジネスのアプローチをかけるか考えるために、もう少し未来から今を見る必要があります」。

2026年は“人間力”の時代。AI活用がレストランの価値を高める

AIの台頭で業務の効率化と生産性がアップしている状況に、外食産業の明るい兆しを感じると髙橋氏は語る。

「僕は2026年から外食産業にとってはいい年が来そうな気がしていますね。キーワードはここも“人”です。たとえば料理だけ、マネジメントだけする、専門性のある人たちが力を発揮する場が増えて、逆にいわゆる“必殺技”のない人は大変かもしれない。でも夢をつかみたい、飲食業界で自分の存在価値を示したい子たちにとっては大チャンスな気がします。

この業界は仲間に信頼される、部下に愛情を注ぐ、お客様を愛す、といった人間力が高い子が多いところだと思っています。感性を高めて新しいことを創造する仕事もこの業界にいる子たちが大好きな仕事ですよ。だから日本ってミシュランの星付きのレストランがたくさんあるじゃないですか。よりおいしくて、より良いサービスと空間を作るという、レストランビジネスの醍醐味(だいごみ)に専念できるようになる。もうワクワクしています」。

外食産業=夢を無限に広げて、未来へつなぐ

食団連が設立して2025年の11月でまる4年となる。

「今年1年間、飲食業界に対する問題意識が高い経営者が予想以上にたくさんいると知りました。これは僕にとって、やる気の原動力になります。僕は外食の世界によって救われた一人。僕みたいな人はたくさんいると思う。自分のことだけではなく自分の業界を良くすることで自分の会社も自分自身も良くなると思って動いてくれる人がまだまだいるはず。本来、日本人ってそういう気質だと信じています。だから業界で解決すべき課題を僕らが多く出しても僕は大変だとは思っていません。 “登場人物”が増えて、外食産業から若い“ヒーロー”がもっと増えるでしょう。外食産業を国の基幹産業とするために、課題がてんこ盛りなのは当然。今後もいろんな方を巻き込んで進めていきたい」。

髙橋氏は日本の外食産業を世界から見据えている。「実はアメリカ進出も今考えているんですよ」。ワクワク感を抑えきれずに話す髙橋氏のビジョンはどこまでも膨らんでいく。

取材協力:一般社団法人日本飲食団体連合会
住所:東京都千代田区有楽町1-1-2日比谷三ツ井タワー11階 ぐるなび内
https://shokudanren.jp/

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