千葉で育てられた卵が、遠く広島で店の看板メニューに
千葉県館山市、房総半島の南部に位置する温暖なこの地で養鶏場を営む宮本大史氏。5万羽の鶏を育て、そのうち名古屋コーチンは約16%、1日2トン生産する卵のうち、重量ベースで1割強が名古屋コーチンだ。「2002年から飼養を始めた名古屋コーチンですが、他の交配種に比べて弱く、同じように育てていたらまぶたが腫れてしまったり、卵を産むのが普通より1カ月遅いので、いつ卵を産むのかとハラハラさせられたり、とにかく手がかかりました。だから、最初に卵を産んだときは何とも言えない喜びを感じましたね」とその苦労を振り返る。「名古屋コーチンは普通種に比べて産卵率が低く、卵も小さめ。しかし、卵黄の比率が大きく、味も濃厚で生臭さはほとんどありません。鶏の飲用水には山の沢から引き込んだ水を紫外線殺菌して与えるほか、飼料には海藻やヨモギを配合してコクを出しています。また、鶏舎は、自然の風が入る開放鶏舎。温暖な館山は、鶏たちにとって何よりの環境だと思います」(宮本氏)。