重舛(しげます) 雅志 氏「鹿野高原豚」を使って、手作りハムやソーセージを製造するハム工房と総菜工場を担当。「栄養価が高く、用途が広い豚肉をもっと使ってほしいです」と豚肉の消費拡大に意欲を燃やす
ほぼ山口県内のみで流通していた貴重な“ハイポー(豚)”を県外にも
山口県周南市の錦川の源流と豊かな緑に恵まれた深山に、鹿野ファームの豚舎はある。ここで育てられているのが、「鹿野高原豚」として流通する四元豚だ。四元豚とは、異なる2系統(仮にAとB)の豚を交配して生まれた豚(AB)に対して、別系統(C)を交配させ、その子豚(ABC)に、さらに違う系統(D)を交配させたもの。各系統の良いところが出るように計画的に交配しているので、「ハイブリッドポーク」、略して「ハイポー(豚)」と呼ばれる。取締役の重舛雅志氏は、「最高級の豚肉を目指し、各系統の親豚は20数種類の優良品種を交配しており、『鹿野高原豚』の高い品質にはブレがありません。水や飼料にこだわるだけでなく、一緒に生まれた子豚を同じ空間で飼育・管理をする『オールイン・オールアウト方式』を採用しているので、豚がストレスなく健康に育ちます」と話す。
豚は、生後半年で体重が100キロになると出荷。この間、安全な飼料を食べ、出荷30日前からは麦を配合した飼料に切り替える。麦を与えることで脂身が白くなり旨みが増すという。こうして丹精込めてできる「鹿野高原豚」は、肉のきめが細かく保湿性が高いのでジューシーだ。脂身にはほのかな甘さもある。鹿野ファームでは肉を切り身で販売するほか、ハムやソーセージなどの加工品や総菜の製造も行う。「数量に限りがあるので販路は山口県内が中心ですが、県外の飲食店でも、ぜひ使っていただきたいですね」(重舛氏)。
その想いを受け止め、「鹿野高原豚」をメニューに取り入れたのが東京の中華ダイニング「ドラゴン厨房」だ。オーダーバイキングが売りで、30メニューの食べ放題+飲み放題で3218円(50メニューの場合は4298円)と、リーズナブルで若い世代に人気が高い。
オーナーの朱 敏(シュ ビン)氏は、今年の9月にぐるなびの担当営業から紹介を受け、「鹿野高原豚」のロース肉の写真を見た瞬間「これまでの豚肉と違う」と直感。料理長の張 森林氏も「見るからにおいしそう」と惚れ込んだ。早速、取り寄せて目をつぶって他の豚肉と食べ比べをしたところ「『鹿野高原豚』は身が適度に締まっていて圧倒的にジューシー。ぜひ使いたいと思った」と、2人は口をそろえる。そして、既存メニュー「黒酢酢豚」の肉を「鹿野高原豚」のロース肉に変更。オーダー時には特別な豚肉を使っていることをアピールしてすすめ、今では来店客の5~6割が注文する看板メニューになり、おかわりをする客も多い。「原価率は上がりましたが、お客様に喜んでいただけて大満足です」と朱氏。張氏は「商品力が格段に上がりました」と笑顔を見せる。今冬はしゃぶしゃぶにも使用する予定で、張氏は「鹿野高原豚」に合うタレの開発に余念がない。
鹿野(かの)ファーム
山口県周南市大字巣山清涼寺1950(本社農場)
http://www.kanofarm.com/
1983年に養豚を開始し、1989年には食肉加工部門を設立。山間の鹿野エリアに本社と直営農場、そこから車で約15分の地にハム工房・総菜工場(写真)がある。外観にはポップなイラストが描かれ、町のランドマークにもなっている。
ドラゴン厨房 新宿店
東京都新宿区新宿3-21-2 エエナB1
http://r.gnavi.co.jp/4kng3b000000/
新宿駅と、日本有数の歓楽街・歌舞伎町の間に立地。“中国の家庭の台所”がコンセプトで、本格中華や中国の家庭料理に和食のテイストもプラス。単品メニューや居酒屋メニューもあるが、来店客の大半がオーダーバイキングを選択する。
張 森林(チョウ シンリン)氏(右)
副料理長
王 鐘慶(オウ ケイケン)氏(左)中華だけでなく和食の調理経験も持つ張氏。オリジナルブレンドの調味料で日本人の好む独自の味を追求する。王氏とともに仕込みに時間をかけ、常にできたての料理を提供。
ぐるなびPRO厳選食材マーケット
http://pro.gnavi.co.jp/market/
食材にこだわるシェフ・飲食店へ、生産者とその厳選食材を紹介するサイト。食材を直接購入できるほか、問合せすることも可能。掲載食材に関する質問は、上記サイトまたは、ぐるなび担当営業まで
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