水分調整で実現した独特の食感で人気料理に

和歌山県勝浦で生マグロの仲卸業を営む木下水産物では生マグロの生ハム風の「もちもちまぐろの生ハム」を商品化。「居酒屋 びびび」はこれを用いてメニュー開発。客の反応は上々だという。

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代表取締役
木下 勝之 氏代々受け継いだ確かな目利きで、毎朝生マグロの入札に参加。仕事の合間を縫って研究開発した「もちもちまぐろの生ハム」は地元の特産品指定を目指している。
「もちもちまぐろの生ハム」と野菜に温泉玉子を乗せて、オリジナルソースで味付けた人気メニュー。カリカリの玉ねぎも添えられ様々な食感を楽しめる工夫がされている

水分調整で実現した独特の食感を活かした料理が大人気

延縄(はえなわ)漁法による生マグロの水揚げ量日本一を誇る、和歌山県勝浦港。そこで生マグロの仲卸業を営む木下水産物株式会社・代表取締役の木下勝之氏は、「木下ブランド」として販売していた上物のビンチョウマグロ「もちもちまぐろ」を、刺身以外で消費できる方法を模索。地元の食肉関係者との出会いから加工品にできないかと考え、生マグロで生ハム風の商品を生産しようと自ら情報収集と開発に取り組む。試行錯誤の結果、独自の調整法で独特のもっちりとした超食感が生まれた。木下氏は、1999年の社長就任前から構想していた新商品の完成に「どこにもない新しいものができた」と胸を躍らせた。

「もちもちまぐろの生ハム」をより安定的、衛生的に生産するにあたり協力を仰いだのが、地元商工会議所から紹介を受けた和歌山工業高等専門学校の藤本昌教授。教授は産学連携食品を開発した実績があり、何より教授自身がマグロ好きだった。木下氏とともに約2年で最適の製法を確立。現在は商標登録し、特許も申請中だ。商品は、「プレーン」「ソルト」「生ハム風」「生ハム風ハーブ」の4種。まったく新しい商品ゆえ反応はまちまちだが、今後は現在の完全受注形式の冊状商品のほかに、一般消費者も買いやすいスライス品を加えるなどして販路拡大を目指していく。また、飲食店との連携も視野に入れ、より多くの消費者に商品を浸透させたいと願っている。

そんな木下氏の真剣な想いが詰まった食材をぐるなび経由で知ったのが、「居酒屋 びびび」店長の中村博明氏と大将の田中日明氏。日本の野菜と魚、和食にこだわる“下町人情酒場”は、語学堪能な田中氏のコミュニケーション力から“バイリンガル酒場”としても人気を集めており、今年の春に好評だった「日向(宮崎)フェア」に続き、第2弾として「紀州・和歌山フェア」を開催したのは、日本各地の味を、日本人はもちろん、外国人にも味わってほしいからだ。「もちもちまぐろの彩り野菜ユッケ」は、独特の食感を活かそうと考えたメニュー。「初めて食べた時は肉だと思ったくらいです。そのままでもおいしいので、味付けはシンプルにしました」と田中氏は話す。5ミリ角や1センチ角に切ることで伝わる弾力。味付けはミカンの皮や山椒、白胡麻などで作るオリジナルシーズニングで和え、「紀州完熟南高梅あんばいの雫(梅のバルサミコ酢)」をソースのベースに使用する。来店客の反応は上々で、注文の多い料理ばかりを載せるメニュー表“オレジナル(俺のオリジナル)”にも並んでいるほど。

新たな食材により、新しい看板が生まれる。5月末までのフェア終了後は、グランドメニューに“昇格”予定だ。

木下水産物
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地8丁目6-5
http://kinoshita-tuna.co.jp/
大正年間創業、生マグロ専門の仲卸業を営む。4代目である勝之氏の代になってから、本社敷地内の一角に生マグロのセルフ直売所(写真)を開設。その日の朝に揚がった新鮮なマグロを安価で購入できるスポットとしても注目されている。
商品は「プレーン」「ソルト」「生ハム風」「生ハム風ハーブ」の4種で、1パック80~200g。理解あるシェフとともに、イタリアンやフレンチでの活用法を考案中だ
水揚げされた生マグロがズラッと並ぶセリにて、1本1本に目を通して品質を確かめる木下氏。“木下ブランド”に合致したものを、各中央・地方卸売市場へ出荷している
仲卸の強みを活かし、早くから無人のセルフ直売所を設けた。店内には味に感動した購入者の声も紹介されている
居酒屋 びびび
東京都台東区上野6-16-5
http://r.gnavi.co.jp/b7awg5as0000/
上野駅から近く、テーブル席のほか、気軽な立ち飲み席も設けている。大切にしているのは食を通じた人間同士の温かなコミュニケーション。「人を良くすると書いて『食』。そこには食べ物を通じた交流という意味もあると思います」(田中氏)
入口に貼られた「紀州・和歌山フェア」ポスターが、ご当地メニューを味わえる店であることを印象付ける
店舗前に人気メニューをクローズアップしたボードを置き、道行く人にアピール。シンプルで勢いのある紹介文が食欲を刺激する
特にこだわっているのが牛肉や豚肉。神戸牛など外国人に人気の食材を使った料理もある。写真は「国内最高級和牛 黒コショウ焼き」(950円)
店長
中村 博明 氏調理とフロアを担当。5周年を迎えた「居酒屋 びびび」は、家飲みや実家にいるような感覚の心地よさを提供したいと話す。訪れた客が「ビビッ」とくる味と接客を心がけている

ぐるなびPRO厳選食材マーケット

http://pro.gnavi.co.jp/market/

食材にこだわるシェフ・飲食店へ、生産者とその厳選食材を紹介するサイト。食材を直接購入できるほか、問い合わせすることも可能。掲載食材に関する質問は、上記サイトまたは、ぐるなび担当営業まで。
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