大地の味が凝縮された有機野菜

温暖な気候で里山風景が広がる大分県臼杵(うすき)市野津町。この地で有機野菜を目指す栽培をする「ohana本舗」。その味に惚れ込んだのが、東京・三田の「びのぐらーちぇ」だ。

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株式会社ohana本舗 代表取締役社長
赤嶺 祐司 氏グループの母体企業で企画統括取締役だった赤嶺氏。2012年に“食”から健康を目指す有機野菜事業を立ち上げて代表に。「農業は我慢」とじっくり土と野菜に向き合う。
「ohana本舗」の水菜やルッコラ、宮崎産のカラーピーマンなど、有機野菜にこだわったサラダ。野菜本来の味をしっかり堪能してもらうため、ドレッシングは別添えで提供。塩で食べる人も多いという

「安全で栄養価が高く、新鮮」大地の味が凝縮された有機野菜

大分県臼杵(うすき)市野津町。温暖な気候で里山風景が広がるこの地に、土壌からこだわり、農薬や化学肥料を一切使わずにすべて有機野菜を目指す栽培をする「ohana本舗」はある。「食を介して健康を目指す」をモットーに、露地栽培6ヘクタール(ha/1ha=1万平方m=100m×100m)とハウス栽培2haの土地を使い、ルッコラや水菜、小松菜など年間60品目の野菜を栽培。野菜の約4割は「有機JAS認定」の有機野菜だ。「有機JAS認定は、農薬や化学肥料を栽培時に使わないだけでなく、種まきから遡って2年以上前から畑の土にそれらを使っていないかまで証明する必要があります。創業から1年間は土作りの日々でしたね」と代表の赤嶺祐司氏は当時を振り返る。0.1haあたり3トンもの有機堆肥を使うことで豊かな土壌に改良し、土の中に微生物を増やすところから着手した。

赤嶺氏は「大事にしているのは、『安全』『栄養価』『鮮度』の3項目です」と語る。有機JAS認定の生産条件の遵守はもちろん、自社のみで生産し、雨水などによる他の土壌からの汚染を防ぐために、高台に畑を持つほどのこだわりようだ。また、一部の葉物野菜以外は、いちばんおいしく育つ旬の時期以外は栽培しない。ハウスも加温はせず、あくまで防虫だけが目的だ。また、夏でも冬でも収穫直後から保冷車や保冷庫での温度管理を徹底し、クール便で配送。「うちの野菜を一度でも試してもらえば、一流シェフでも皆その味に納得して、使ってもらえますね」と赤嶺氏は自信をのぞかせる。全国への宅配を収益の軸としながら、昨年からは百貨店やスーパーでの販売のほか、福岡や東京などを中心に数十軒のレストランでも使われている。

東京・三田に店を構える「びのぐらーちぇ」も、その味に惚れ込んだ1軒。「以前、ぐるなびの『京都食材フェア』を実施したところ、『京たけのこ』や『京赤地どり』を使ったメニューの反応が非常によく、客層も変化しました。お客様は価値あるものを求めていると確信しました」と店長の高橋昇一氏。1月中旬から2ヵ月間実施している「大分・宮崎食材フェア」では、既存メニューの「有機野菜の山盛りサラダ」に、「ohana本舗」のルッコラや水菜を加えアレンジ。「水菜もルッコラも葉が柔らかくて香りもよく、本当においしいですね。このサラダのエース格です」と糸信シェフも太鼓判。オーダー率は90%を超える一番人気だ。

赤嶺氏が「今後はより販路を広げ、消費者への有機野菜の認知拡大を狙いたい」と語れば、高橋氏も「全国の価値ある食材を使い“あそこに行けばおいしいものがある”と思われる店にしていきたい」と意欲を燃やす。「よい食材を届けたい」。両者の想いは同じだ。

生産者
ohana本舗
大分県臼杵市野津町大字亀甲字上熊迫235番地の3(臼杵農場)
https://www.ohana-honpo.com/
2012年8月設立。最初の一年間は良質の野菜の栽培に欠かせない豊かな土作りに専念。現在は全国の家庭への宅配事業も行っている。生産する野菜の約4割は有機JAS認定を取得。2016年中に他のほとんども認定される見込みとなっている。
収穫後は即、畑に停めた保冷車に運んで10℃に保ち、鮮度をキープ。その後、4℃の保冷庫に移して出荷
一番人気はルッコラ。一年を通じて出荷できる野菜の1つだ
水撒きを限界まで控えるため、果物のように甘く、驚くほどみずみずしいラディッシュ
ニンジンは水分含有量が高く、味も濃い
土壌には、草木(8割)と豚糞(2割)を完熟させた「うすき夢堆肥」をたっぷり混ぜ込む
鮮度が落ちないように温度に気をつけながら袋詰めして梱包。全国へクール便で発送する
飲食店
おいしいお肉とワインのお店 びのぐらーちぇ
東京都港区三田3-2-1 101
http://r.gnavi.co.jp/rwb0d35a0000/
2015年2月にリニューアル。「ステーキがメインのレストラン」ながら、モーニングから、タパスとともに豊富なワインを楽しめるディナーまで、一日を通して様々な利用シーンに対応する使い勝手のよさが売り。今後の目標は多店舗展開。
福岡県産雷山豚(らいざんぶた)のロースは、上質の脂が美味と評判。看板食材の1つだ
「ohana本舗」のルッコラは、葉は柔らかいが味は濃く、甘みも苦みも感じられる力強い味わい
ステーキは朝から提供可能で、朝の散歩ついでにペロッと食べていく人もいる。牛と豚、いずれも柔らかさと肉質にこだわっている
オーナー
高橋 昇一 氏(左)
シェフ
多田 糸信(しのぶ)氏(右)店舗のリニューアルをきっかけに二人三脚で店を切り盛り。「メニュー開発が趣味」と語る多田シェフと和やかな高橋店長、2人の人柄が店の魅力となり、多くのファンを獲得

「産地フェア」で全国の食の魅力を発信!

http://r.gnavi.co.jp/foodfair/

テーマにあわせた各地の食材フェアをぐるなびが紹介する「産地フェア」。全国の“厳選食材”の生産者と飲食店を結び、ユーザーに提供することで、お店のファン獲得を狙うこの企画。実施エリアや開催スケジュールなどの問い合わせは担当営業まで。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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