「鬼(おに)く丼」
浅草 焼肉たん鬼(東京・浅草)
ランチ限定の提供で集客の目玉に。メディアでも話題沸騰
丼からあふれ出るように盛り付けられた国産黒毛和牛の薄切りレアステーキ。見た目のインパクトだけでなく食べた時のとろける食感で多くの人をとりこにしているのが、東京・浅草「浅草焼肉たん鬼」のランチの看板メニュー「鬼(おに)く丼」(2,800円)だ。
「浅草 焼肉たん鬼」は2017年11月、地下鉄・浅草駅から徒歩2分の場所にオープンした焼き肉店。A5ランクの国産和牛をメインに使用しており、味とコストパフォーマンスを重視したメニューにこだわっている。25日間じっくりと店内の冷蔵ケースで熟成させた「熟成たん」(3,278円)や、たん・リブ芯・フィレの3種をサイコロのような塊肉で提供するダイナミックなビジュアルの「鬼厚盛り」(6,600円)の人気が高い。
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店内に設置された冷蔵ケース内の「熟成たん」は、独自の温度管理と風量調節で25日間熟成。うま味が凝縮され、やわらかさが増す -
「鬼厚盛り」(Sサイズ6,600円)。(写真左から)たん、リブ芯、フィレの3種類を100gずつ、塊肉で提供。目の前でスタッフが焼き上げる
「鬼く丼」は、ランチの名物を作るべく、2019年に開発されたメニュー。丼に盛ったご飯の上に、A5ランクの黒毛和牛の希少部位、ランプ・ランボソ(ランプとイチボの中間にある部位)・イチボの3種のレアステーキを所狭しと敷き詰めている。「丼からはみ出す盛り付けは、インパクトにこだわるオーナーのアイデア。肉はローストビーフのように低温で焼き上げてから、スライスして盛り付けています」と、店長の伊藤大介氏は語る。
「鬼く丼」のバリエーションは当初、ご飯とステーキの間にたれを絡めた千切りキャベツを敷いた「たれキャベツ」のみだったが、2020年末からはキャベツの代わりに小松菜・もやし・ぜんまいを使ったナムルを敷いて中央に卵黄を置いた「黄身ナムル」もラインナップ。「肉には塩・コショウで下味を付けており、そのまま食べると肉の味をダイレクトに味わえます。また、自家製の焼肉だれとおろしだれに付けたり、テーブルの焼き肉用ロースターで炙るとまた違った食感と味が楽しめます」と、伊藤氏は笑顔を見せる。
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やわらかいレアステーキが、ぱらりとしたご飯と好相性。ご飯は約250gでボリュームはあるが女性でも一人で完食する人が多い -
中央の黄身をつぶすとコクがプラスされて新たな味わいに。タレともよくなじみご飯がどんどん進む
提供スタート当初から、華やかな見た目が来店客の心をつかみ、20~30代を中心に多くの人が写真を撮影するなどしてSNS上でも拡散。著名なブロガーやインフルエンサーが紹介したり、テレビなどでも取り上げられたことで、認知度が一気に高まった。「丼のふたを閉めて提供するのですが、ふたを開けると皆さん驚いたような表情をされます。これを目当てに行列ができるようになり、ランチタイムだけで4~5回転することもあります」と伊藤氏。
「鬼く丼」と「熟成たん」などの単品メニューを組み合わせて注文する人もおり、ランチタイムの客単価は提供前に1500円だったところ2800円と、およそ倍になった。さらに、ランチで店を知った人が夜に来店することもあり、現在は時短営業にもかかわらず好調を維持する原動力になっている。
東京都台東区花川戸1-5-4
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