更新日:2022.4.12
目次
事例1 セットにできる名物のふわふわスフレで、客単価アップ!
グランピング肉バル FUN SPACE DINER なんば(大阪・なんば)
事例2 “生絞り”モンブラン×台湾カステラで若い女性を獲得
スパイラル 渋谷パルコ店(東京・渋谷)
コロナ禍以降、食事メインで店を利用する人が多くなり、カフェタイムを含む昼間の営業やカフェ営業を検討する人も多いかもしれない。カフェ業態で1~2人で営業することを前提にすれば、「目標月商は100万円」といわれており、売上アップを狙うにはスイーツやカフェメニューの充実が不可欠。食事を提供する店であれば、スイーツとセットにできるメニューを提案すれば、売上アップにつながる可能性が高い。
そこで、スイーツやカフェメニューを充実させて成功している2店の事例を紹介。大阪・なんばにある肉バルでは、ふわふわのスフレをセットで提供し、客単価アップに成功。東京・渋谷のレストランでは、台湾カステラの上にモンブランクリームを絞る「カステラモンブラン」などカフェメニューをラインナップ。SNSにアップする利用客も多く、情報が拡散され集客につながっている。カフェメニューの充実や売上アップの参考にしていただきたい。
事例1 セットにできる名物のふわふわスフレで、客単価アップ!
グランピング肉バル FUN SPACE DINER なんば(大阪・なんば)
SNSやメディアでも話題になり、知名度向上にもつながる
住宅・店舗のリノベーションを手掛ける株式会社美想空間が経営する「グランピング肉バル FUN SPACE DINER なんば」。大阪・難波の南に位置する築70年の集合住宅を自社で改築し、2017年11月にオープン。肉バルとして20~30代前半の女性やカップルを中心に集客している。
オープン当初より提供している「スフレ」(800円~)は、以前営業していた系列のカフェで人気だったメニューを受け継いだもの。一番人気の「チーズスフレ」(800円)のほか、「チョコレートスフレ」(850円)や「キャラメルスフレ」(850円)など全5種類をラインナップ。チーズスフレは+500円、そのほかのスフレは+600円でランチに追加注文できるスフレセットも用意し、ランチタイムの単価アップにつなげている。「ふわふわな食感で、肉料理の後でも軽く食べられることから食後のデザートでオーダーするお客様が多く、約4割の方が注文されています」と料理長兼店長の前田博輝氏は話す。またディナータイム(現在は予約制で営業)では、スフレを目当てに2軒目使いで来店する人もおり、夜カフェ需要も獲得している。
スフレはオーダーが入るごとにメレンゲを立て、きれいに膨らませるために生地やココットの温度にも気を配る。「スフレは調理に手間がかかるため競合が少ないアイテム。流行の波がなく、安定した人気を得られるところも利点です」と前田氏。さらに2018年7月には、スフレを3段重ねた「びっぐなスフレ」(1,800円)の提供も始め、SNSで話題になったり、メディアに取り上げられることもあり、店の知名度アップにつながっている。「SNS映えを狙ってウエディングケーキをイメージして開発しました。特に若い女性に人気で、通常のスフレ3個分のボリュームですが、1人で注文する人もいるほどです」と前田氏は話す。
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また、ソフトドリンクで人気なのが自家製の「レモンスカッシュ」(540円)と「カフェラテ」(440円)。レモンスカッシュはレモンのシロップ漬けを炭酸水で割り、売りの肉料理にも合うよう甘さ控えめに。カフェラテはスフレと一緒に注文される率が高く、ホットはラテアートを施して提供。絵柄のリクエストにも応じ、好評を得ている。
今後は「スフレに代わる名物スイーツを生み出したい」と前田氏。デザートのバリエーションを増やすべく、メニュー開発に取り組んでいる。
大阪府大阪市浪速区日本橋西1-3-26
https://r.gnavi.co.jp/du14ygbs0000/
事例2 “生絞り”モンブラン×台湾カステラで若い女性を獲得
スパイラル 渋谷パルコ店(東京・渋谷)
注文ごとにマロンクリームを絞る動画映えの演出が人気
東京・渋谷の複合商業施設「渋谷PARCO」内に、2021年3月にオープンした「スパイラル 渋谷パルコ店」は、渋谷・円山町に本店を構えるオイスターバー。全国から取り寄せる生ガキを1ピース330円で提供するとともに、「牡蠣とミートソースのスフレオムレツドリア」(1,350円)やエスプーマのチーズをかけた「Cheese, Cheese, Cheese, パスタ」(1,350円)などの洋食を売りに、20〜30代の女性を中心に支持されている。
オープンから間もなく始めた「カステラモンブラン」(900円)は、柔らかな台湾カステラの上に専用の絞り機でマロンクリームを絞るデザート。「若いお客様にアピールできるよう、見映えも意識して開発しました」と店長の尾山裕樹氏は語る。フランス産マロンペーストを使用したマロンクリームは注文が入るごとに1つずつ絞り、ふわっとした食感が特徴だ。「フランス産マロンペーストはマロンの風味がしっかり味わえます。クリーム状にしたバターを加え、なめらかさを出しています」と、シェフの国仲達也氏は話す。
絞り機は当初キッチン内に設置していたが、来店客に見てもらうことで認知を高めたいと客席から見えるカウンターに配置。狙い通り、調理風景を見て注文する人や動画で撮影する人が増え、最近はSNSを見てこれを目当てに来店する人もいるという。
開始当初はインパクトを重視し、カステラを2つ重ねる「特大! カステラモンブラン」(1,650円)のみを提供していたが、注文客が食べ切れない様子を見て、ハーフサイズである現在の「カステラモンブラン」を設定することに。ランチでは「ミニデザートセット」(平日1,200円、週末1,500円)を提供しており、+500円でデザートを「カステラモンブラン」に変更することも可能で、多い時で1日合計で15〜20食ほど注文が入るという。「いずれはお客様の目の前で絞るところを見せられるようにしたいです」(尾山氏)。
そのほか、クレームブリュレのような「ロイヤルカスタードカタラーナ」(550円)や今年9月から提供を開始した「安納芋のバスク風チーズケーキ〜バニラアイス添え〜」(750円)も人気だ。また、酒類が提供できない時期にコーヒーメニューを拡充したところ好評で、10月からはカフェ利用やディナーでのデザート利用を促すため、各デザートに+200円でソフトドリンクが付けられるように設定。「カフェ利用の需要があると分かったので、今後はカフェタイムを設けたい」(尾山氏)と、一層の集客アップを図る考えだ。
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO7F
https://r.gnavi.co.jp/d5ec5h050000/
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