2022/12/13 特別企画

毎月3~7日の「さかなの日」で売りをアピール。集客アップのフック&店を思い出してもらう機会に!

魚の国内消費量を拡大させることを目的に、2022年秋に水産庁が制定した「さかなの日」(毎月3~7日)。飲食業界でも賛同店舗が増加しており、売りの魚料理をアピールするなどさまざまな取り組みが行われている。

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目次
水産物の国内消費拡大を目的に「さかなの日」を水産庁が制定
【賛同飲食店事例】「さかなの日」に合わせて、季節の魚や最高の魚を最高の状態で提供!「29(にく)の日」のような定着に期待

水産物の国内消費拡大を目的に「さかなの日」を水産庁が制定

 いくつもの海流がぶつかる日本の近海は、豊かな海産資源に恵まれており、地域ごとにさまざまな魚食文化が育まれてきた。一方で、近年は若い世代を中心に“魚離れ”が進んでおり、水産物の消費量は年々減少している。

 こうした状況を踏まえて、国内における水産物の消費拡大を推進するため、水産庁は2022年10月、“さかな×サステナ”をコンセプトに、毎月3~7日を「さかなの日」に制定。特に11月3~7日を「いいさかなの日」として、賛同企業などによる水産物の消費拡大に向けた活動の強化週間に位置付けた。

 賛同企業・団体は、スーパーやコンビニエンスストア、百貨店、食品メーカー、飲食店、専門鮮魚店、水産会社、メディア、ECサイトなど100以上を数える。株式会社ぐるなびも賛同企業に名を連ねており、魚介類を扱う飲食店などに向けて「さかなの日」に合わせたイベントの実施などを呼びかけ、多くの飲食店がこれに賛同し、参加店舗ではそれぞれ独自の取り組みが行われた。

【賛同飲食店事例】「おいしい干物と和酒専科めし屋」(東京・月島)

 その賛同店舗の一つが、東京・月島に店を構える「おいしい干物と和酒専科めし屋」だ。約50年前に創業した干物店が始めた居酒屋で、素材にこだわった干物を、最高の状態でリーズナブルに提供することをコンセプトに2002年オープンした。

 昼は干物をメインにした約20種の定食(900円~)や「いくら丼」(1,650円)など4種類の海鮮系の丼もの(1,050円~)、夜は干物や釣り物の魚などをつまみに酒を楽しめ、ビジネス層やファミリー、シニアなど幅広い層を獲得し、遠方から定期的に来店するファンもいる。

 干物は、長年付き合いのある東京・豊洲にある仲卸を通して仕入れる。「干物は魚種ごとに専門のメーカーがあり、仲卸が当店のために全国のメーカーに一番良いものを発注してくれます。メーカーも『干物屋には良いものを』と、なかなか出回らない最高の品を用意してくれます」と社長の奈良間孝朗氏は語る。また、知り合いのいる八丈島、小笠原などに自ら出向いて釣った魚や、九州の玄界灘から定期的に届く魚など、珍しい魚種もメニューに並ぶ。

  • メニューはほぼ魚料理で、昼も夜も定食を用意。アラカルトでも干物をメインに据えており、その時期だけ食べられる魚種を壁に掲示してアピールしている
  • 水揚げされた産地以外ではあまり流通しない珍しい深海魚・メヒカリ。日本酒に良く合う「丸干し」(4尾550円)で提供

 魚について知り尽くし、強い思いを持つ奈良間氏は、「魚は海が育む食材。プラスチックゴミなどで海が汚染されれば、それを魚が食べ、最終的には私たちの体に入る。今、人が海を汚し続けているが、このままでは天然魚が食べられなくなってしまう」という思いを持っていた。「さかなの日」の制定については、「魚を食べる人が減り、うまい魚を出す専門店も減りつつある中、魚に目を向けてもらう取り組みとして意義があると思います。今まで『肉(29)の日』はあるのに、魚の日はなかったので、『やっとできた』という思いです」と話す。

 ぐるなびから「さかなの日」について紹介されるとすぐに賛同。店内にはぐるなびが制作した「さかなの日」のポスターを掲示してアピールするほか、ぐるなびの店舗ページでは「さかなの日」の賛同店であることや、提供中のおすすめメニューを告知した。

  • ぐるなびが「さかなの日」に賛同する飲食店に配布したオリジナルポスターを目立つ場所に貼り「さかなの日」の認知拡大に貢献する
  • 12月の「さかなの日」でも、ぐるなび店舗ページのトップでアピールしている

 さらに、「うちのメニューはほぼすべて魚料理で、いわば、毎日が『さかなの日』。割引など価格でサービスをするのではなく、その時期にしか食べられない魚や、最高の魚を最高の状態で提供し、魚の本当のおいしさを伝えることで『さかなの日』を盛り上げたい」(奈良間氏)と、自店の強みを最大限にアピールする場として「さかなの日」を位置付けた。11月の「さかなの日」は、北海道産のブリや八丈島の釣物の赤ハタなどを煮物や刺身などで提供し、好評を得た。

 今後も毎月3日~7日は「さかなの日」としてアピールを継続する予定。12月の「さかなの日」では、ブリのほか、キンキ、本シシャモなどをおすすめの魚種としてアピールしている。

  • 11月の売りの1つ、八丈島近海の根魚「赤ハタ」を煮魚で提供。価格は大きさによって異なる(写真は「赤ハタの煮魚定食」2,400円)
  • 11月、12月のおすすめのブリは、北海道産の10㎏の天然物で脂が乗っている。塩焼きや照焼で提供(写真は「ブリの塩焼定食」1,700円)
  • 秋鮭より早い時期に獲れる時鮭(トキシラズ)。同店で使用しているのは水揚げして8kgの大物だ(写真は「時鮭定食」1,400円)
  • 12月のおすすめ、北海道産の本シシャモは子持ちのメスで、グレードを表す「得」が4つ付いた極上品。素焼きして1尾600円で提供

 「さかなの日」はまだ始まったばかり。認知を広めるには、賛同した加盟店それぞれの取り組みが大きな力になる。

 「『肉の日』のように定着して、『さかなの日』だから魚がおいしい店に食べに行こうと、店を探してもらえるようになったらうれしいです。今後も、「さかなの日」に関連したイベントなどがあれば協力したい」(奈良間氏)と期待している。

おいしい干物と和酒専科めし屋(東京・月島)
東京都中央区月島1-5-2 1F
https://r.gnavi.co.jp/mk54t4xm0000/

東京の地下鉄・月島駅8番出口からすぐのビル1階。約30坪の店内には、1枚板のカウンターに5席、テーブル席32席を備え、近隣住民やビジネス層、ファミリーなどを集客する。
有限会社奈良間 社長 奈良間 孝朗 氏
大学卒業後、会社勤務を経て干物販売を手掛け、百貨店にも出店。さらに渋谷で4席の干物の定食屋を始め、2002年に倉庫があった現在の場所に移転。地域に愛される店づくりを進める。

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