Vol.224
グアムで昔から団子などの材料として使われてきたウベやタロイモが、おしゃれなスイーツに取り入れられて人気を呼んでいる。前編の「ウベ」に続き、後編では「タロイモ」を活用したスイーツを紹介する。タロイモは、東南アジアにルーツを持つ少し薄めの紫色をした大ぶりなイモで、もっちりとした食感とほのかな甘みがある。また、食物繊維が豊富で、カロリーはサツマイモの3分の2程度。タロイモに含まれるアラビノガラクタンには腸内フローラを整える効果があるため、スーパーフードとしても注目を集めている。
ドリンクやカップケーキにタロイモを活用!
グアムの観光の中心地・タモン湾を見下ろすアッパー・タモン地区で2009年に創業した「インフュージョン・コーヒー&ティー(Infusion Coffee & Tea)」。大手のコーヒーチェーンが出店していないグアムで12店舗を展開する、島内で一番店舗数の多いカフェだ。
売りの一つが、タロイモを使った豊富なドリンク。中でも一番人気は、アールグレイの濃厚なミルクティーにタロイモペーストを加えた「タロラテ」(アイスまたはホット、3.75ドル=約394円)。「コクがありますが、甘さは控えめ。タピオカ(1スクープ0.50ドル=約53円)を追加するお客様も多いです」と、運営会社の副社長であるミカ・コールドウェル氏は語る。
また、ミルクの代わりにオーツミルク(オーツ麦から作られた植物性ミルク)を使った「タロオーツミルクティー」(3.75ドル=約394円)や、そこにタピオカを入れた「タロバブルオーツミルクティー」(4.25ドル=約446円)も好評。タンパク質や食物繊維などの栄養成分などが多く含まれるオーツミルクは、牛乳より味は薄めだが、タロイモペーストを加えることでまろやかな口あたりと濃厚な甘みがプラスされている。
ドリンク以外では、タロイモを使った「タロトリオカップケーキ」(1個2.75ドル=約289円)も用意。小麦粉とベーキングパウダーのほか、タロイモパウダーと卵、砂糖、バターを練り込んでスポンジケーキを作り、タロイモを加えたグレーズをかけ、タロイモ入りの生クリームをたっぷりトッピングした一品。「タロトリオ」の名の通り、3段重ねのスイーツで、タロイモのまったりとした味わいを堪能できる。
客層は10~50代と幅広く、男女の偏りもない。昔から親しまれてきたタロイモをおしゃれなスイーツやドリンクに生まれ変わらせたことで話題となり、次々と新たなファンを獲得している。
868 South Marine Corps Drive, Tamuning, Guam 96913
https://www.archwayinc.biz
パンケーキやフラッペをタロイモでアレンジ!
グアムの市街地から少し離れた幹線道路沿いにある「トゥリ・カフェ(TuRe’ Café)」。共同オーナーのマーク・メンディオラ氏とロキサーヌ・チャン氏が2010年にオープンした、ハガニア湾を一望できるカフェレストランだ。
2012年からタロイモを使ったドリンクやスイーツを販売しており、中でも人気が高いのが「タロフラッペ」(6.95ドル=約730円)。フローズンドリンクだが、氷のシャキシャキ感はあまりなく、濃厚なタロイモの風味とまろやかな口あたりが特徴だ。
また、「タロフラッフィーパンケーキ」(2枚12.99ドル=約1,364円)も人気。フラッフィーとは英語で「フワフワ」という意味で、パンケーキの生地にもタロイモとクリームチーズを練り込んでおり、その名の通りフワフワ&モチモチの食感。メープルシロップとホイップクリーム、裏ごししたタロイモなどで作る特製シロップをかけることで味だけでなく、見た目も特徴的な一品に仕上げている。
来店客の年齢層は20~70代と幅広く、地元住民のリピーターが多い。タロイモはヘルシーなスーパーフードで、見た目も鮮やか。ドリンクにもスイーツにも活用しやすいことから、ウベとともにますます注目を集めそうだ。
349 East South Marine Corps Drive, Hagåtña, Guam 96910
http://www.turecafe.com/gu/
取材・文/陣内 真佐子 (海外書き人クラブ) 撮影/Kristina Yamamoto
※通貨レート 1ドル=約105円
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