Vol.230
アメリカのグアムではポン酢やワサビ、七味唐辛子など、日本をはじめとするアジアの調味料と地元産の食材を組み合わせた創作バーガーやサンドイッチを提供する店が増えている。後編では、特にシーフードをメインにしたものを紹介する。
炙りマグロに黒コショウとワサビの辛みが効いたサンドイッチ
2013年、グアム・タムニン地区の幹線道路に面した場所でオープンし、2016年からハガッニャ地区の海が見える幹線道路沿いに移転した「モサズ・ジョイント(Mosa's Joint)」。ハンバーガーとサンドイッチのおいしさを競う地元新聞社主催の大会で連続してチャンピオンに輝いた人気店だ。グアムの郷土料理であるチャモロ料理と、メキシコやギリシャ、日本などの要素を取り入れたサンドイッチを提供している。
中でも高い人気を誇るのが、黒コショウをたっぷりかけてミディアムレアに焼いたマグロのハンバーガー「ブラックペッパー・クラッシュド・アヒ・サンドイッチ」(12.25ドル=約1,286円)。マグロのほか、ソテーしたタマネギ、キュウリのピクルス、トマト、リーフレタスなども挟み、ワサビ入りのアイオリソースで味付けしている。
また、サーモンフライを挟んだ「ファイヤークラッカー・フィッシュ・サンドイッチ」(13.95ドル=約1,465円)も好評。タイの激辛チリソース・スリラチャやココナツミルク、ナンプラーでエスニック風に味付けをしている。
他にも、照り焼きソースなどで味付けした豆腐と、特大のポータベラマッシュルームを炙って食パンに挟んだ「ポータベラ・トーフ・サンドイッチ」(時価)など、日本らしい味付けや食材を使ったメニューも提供。11.25~18.95ドル(約1,182~1,990円)と商品の価格帯が広いこともあり、老若男女、さまざまな層でにぎわっている。
9324 West Soledad Avenue, Hagåtña, Guam 96910
https://www.mosasjointguam.com
揚げた酢飯にマグロやカニカマを挟んだライスバーガー
2011年7月、グアムの中西部・タモン湾の最北端に位置するガンビーチにオープンした「ザ・ビーチ・レストラン&バー(The Beach Restaurant & Bar)」。フィリピン海の美しい眺望が楽しめるテラス席が売りのレストラン&バーだ。
2018年に就任したシェフ、マーロン・シンブラン氏の自信作「シェフ・マーロンズ・スシバーガー(Chef Marlon’s Sushi Burger)」(19ドル=約1,995円)は、パン粉を付けて油で揚げた酢飯をバンズとして使ったライスバーガー。具材は、グアム近海で獲ったマグロをしょうゆやドニ(グアム産の激辛唐辛子)などで漬け込んだツナポキのほか、スパイシーなアイオリソースで和えたカニカマとキュウリのサラダと、海藻と昆布が入った海鮮サラダ、レタス。揚げた酢飯は白身魚のフライのようなサクサクとした食感で、海鮮が中心の具材との相性も良い。
また、韓国のプルコギ風にしょうゆベースのたれで甘じょっばく味付けをした牛の挽き肉と紫キャベツ、スライスしたたくあんを挟み、キムチ風味のアイオリソースをかけた「プルコギ・バーガー」(16ドル=約1,680円)も人気が高い。
「自分の好きな食材を一つにまとめたら、ユニークなハンバーガーになった」と、シェフのシンブラン氏が語るように、先入観のない自由な発想から、新しいメニューが生まれた。近隣に住むファミリーやカップルのほか、アメリカ本土出身の軍人など、さまざまな層が来店。他では味わえないアジアンテイストのハンバーガーが話題となっている。
Gun Beach Road , Tumon, Guam 96913
https://www.guambeachbar.com
グアム 取材・文/陣内 真佐子 (海外書き人クラブ) 撮影/Kristina Yamamoto
※通貨レート 1ドル=105円
※価格、営業時間は取材時のものです。予告なく変更される場合がありますのでご注意ください。