上海より、「中国における食の今」をお届け!
2025年1月20日、株式会社ぐるなびの子会社である咕嘟妈咪(上海)信息咨询有限公司(以下「ぐるなび上海社」)は、日本外食産業の国際化を推進し、中国市場でのJIFA会員企業の活動を支援するための業務提携に関する覚書(MOU)を締結しました(※ニュースリリース)。日本産品の対中輸出プロモーションやビジネスマッチングなど、ぐるなび上海社はこれまで日本アウトバウンドや訪⽇インバウンドなど、日中関連のさまざまな事業に取り組み、その事業の幅を広げています。
今回は、ぐるなび上海社 総経理(社長)の刘 昊(リュウ コウ)が、さまざまな統計から読み解く最新情報「インバウンド集客戦略」と「中国の食トレンド」をリポート。
まずは、PART1:訪日中国人の外食動向から考察する集客戦略 からご紹介します。中国市場の動向を注視し、柔軟に対応することで、日本企業・飲食店も大きな成功を収めることができるでしょう。
飲食店のインバウンド対策に、”中国における食の今”は必読です。
【PART2の記事はこちら】
PART2:「中国の食トレンド」から考える、ビジネスチャンス 記事はこちら
GUDUMAMI(SHANGHAI) Inc.
https://www.gudumami.cn/
2005年に設立された株式会社ぐるなびの子会社。中国市場における日本産品のプロモーションやビジネスマッチング、訪日インバウンド事業を展開し、フードサプライチェーン分野の新サービス開発にも注力しています。さらに、一般社団法人日本フードビジネス国際化協会(JIFA)と連携し、日本外食産業の国際化推進を支援しています。
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PART1:インバウンド集客
目次
訪日中国人の外食動向から考察する
1.多様化・深化する「価値追求型」旅行
2.飲食店のインバウンド集客戦略
3.中日消費クロスオーバー:双方向影響の深化
1.多様化・深化する「価値追求型」旅行
2024年1~12月の中国人訪日客数は延べ698万1,200人(日本政府観光局/JNTO統計)に達し、前年同期比187.9% まで回復しました。訪日外国人全体の19%を占め、韓国に次ぐ 第2位となっています。この回復には、ビザ要件の緩和(電子ビザの優先処理)や、週20便の航空路線再開などが追い風となりました。
2024年の中国人インバウンドを振り返ると、消費構造が大きく変化し、従来の「爆買い」から 「体験投資」 へのシフトが鮮明になりました。
また、2024年1~12月の外国人旅行消費額は過去最高の8兆1,395億円に達し、中国人旅行者の消費額は1兆7,335億円(構成比21.3%)でした。平均旅行単価は24万円で、特に飲食・文化体験への支出が34%増加しています(国土交通省観光庁統計)。
トレンドを牽引する3大キーワード
①テーマ型個人旅行の台頭
※日本深度游:日本旅行を通じて文化や歴史に触れて学びを楽しみとする、観光旅行における新しい概念
②サステナブル観光の浸透
長野県白馬村のエコツアー(廃校リノベーション宿泊)予約の60%が中国人客です。JTBF調査では「環境配慮型ホテル選択」が40代層で58%に達しています。
③デジタルシームレス化
2. 飲食店のインバウンド集客戦略
中国人客の獲得には「デジタル対応」「文化理解」「体験価値創造」の三位一体が不可欠です。訪日中国人客の外食動向を踏まえると、重要なのは単なる「受け入れ」ではなく、「共創」の姿勢を持つことです。飲食店は日本食文化の真髄を守りつつ、テクノロジーを駆使した進化が必要です。
成功の鍵は、中国人客の声に耳を傾けながら、日本ならではの食体験をパーソナライズすることにあります。持続可能なインバウンド経営のためには、地域連携や業界横断的な取り組みが今後の課題となるでしょう。
①消費特性
・1人当たり平均支出額:昼食3,000円~5,000円、夕食5,000円~10,000円(JTBF調べ)
・78%が「日本独自の食体験」を重視(楽天インサイト調査)
・支払い方法:QRコード決済(Alipay、WeChat Payなど)が上位(SMBC信託銀行調べ)
・人気上昇メニュー:ラーメン、うなぎ、カニしゃぶ、和牛、寿司
・健康志向の高まり(低糖質・有機食材需要増)
・個室需要(家族連れの希望増)
【関連記事・訪日中国人は、どこを訪れ、何を食べる…⁉】
インバウンド獲得へ!「ぐるなび外国語版」飲食店トレンド解析
②情報収集パターン販促の施策
中国人が利用する人気のSNSランキング上位は、中国版Instagramと呼ばれる小紅書(レッド)、メッセンジャーアプリ・微信(WeChat)、口コミサイト・大衆点評(たいしゅうてんぴょう)。日本の飲食店は小紅書(レッド)の公式アカウント開設がまだ少ないため、現地インフルエンサーとのコラボレーションを積極的に進めることが重要です。
日本の飲食店は体験型サービスを提供し、動画撮影に適したコンテンツの充実を図るべきです。成功事例として、寿司握り体験教室(参加者満足度92%)、和食テーブルマナー講座(高単価客層の獲得に有効)があります。
③サービス改善施策
サービス改善の施策として、メニューの多言語対応・決済システムの導入・文化の配慮は必須といえるでしょう。最近では、AR QRコード(拡張現実クイックレスポンスコード)をスキャンすると料理が3Dで表示される「3Dメニュー」の導入で、注文率がよりアップしたという事例もでています。
QRコード式多言語メニュー(日本語/中国語/英語)
3Dメニュー導入
決済システム:
Alipay/WeChat Pay導入必須、QR決済端末の目立つ表示
文化配慮:
テーブル番号「4」の回避、お湯サーバーの設置
④地域経済への波及効果
金沢市の事例:
中国人の利用率が高い兼六園周辺民泊や、地元食材使用の「里山ステイ」プログラムが、地域活性化モデルに。ただし、京都では過密観光対策として入場規制強化が論争化しています。
3.中日消費クロスオーバー:双方向影響の深化
2024年の中日消費交流は、単なる経済効果を超え「文化の相互理解」へ進化しています。訪日客1人あたりのSNS発信影響力が従来の30倍に拡大(博報堂DY調査)する中、飲食業界は「体験の物語化」が競争力の核となっています。中国の外食デジタル化ノウハウと日本のきめ細かいサービス精神の融合が、新たなグローバルスタンダードを生む可能性が高いと考えられます。
①中国イノベーションの逆輸入
キャッシュレス決済:
微信支付が浅草仲見世通りでQRコード統合システムを試験導入。中小店舗の決済処理時間42%短縮しました。
資生堂が抖音(TikTok)中日同時配信で化粧品売上5倍増。訪日前の「バーチャル試着」機能が購買意向上昇に寄与しています。
②持続可能な協業モデルの模索
食品ロス対策:
セブン-イレブン・ジャパンが中国技術系企業とAI需要予測システムを共同開発。賞味期限1日前商品の値下げ率を最適化しました。
人材交流:
農林水産省が「和食PR大使」として中国料理研究家を起用。山西省老陳醋(サンセイロウチンス)と日本調味料の融合レシピ開発プロジェクト始動しています。
持続可能な成長のためには、過度な商業化による文化の画一化を防ぎつつ、テクノロジーを活用した相互進化モデルの構築が急務といえます。両国の消費動向は、もはや単なるマーケットデータではなく、東アジアの新たな生活様式を形成するプロセスそのものと言えるでしょう。
次は、PART2:参考に取り入れたい、中国の食トレンドです。
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