国際化が進む新潟市。受け入れ態勢の充実を目指す
2015年2月10日、新潟市と株式会社ぐるなびは「新潟市・ぐるなび地域活性化包括連携協定」を締結した。全国的に知られる新潟の清酒をはじめ、米、海の幸、山の幸など地元の食材を活かした食文化振興、そして地域に根ざす文化の発信や、外国人観光客(インバウンド)を受け入れる環境づくりなどの観光振興において、双方が持つ事業インフラやノウハウを活用し、連携して取り組んでいくというものだ。
この包括連携協定後の初の取り組みとして、2月18日に新潟市役所で「新潟市×ぐるなび 包括連携協定記念 インバウンド対策セミナー」が開催され、地元の飲食店関係者ら22名が参加した。新潟市は2013年に台湾の台北と新潟を結ぶ直行便が就航され、外国人観光客が増加。さらに今年、日・中・韓の3カ国で文化芸術による発展を目指す「東アジア文化都市」に選定され、2月から国際交流イベントもスタート。両国から観光客の増加が見込まれるため、受け入れ態勢の整備が求められている。
セミナー冒頭では、新潟観光コンベンション協会 事務局次長の横山 裕氏が「東アジア文化都市になったことをきっかけに、様々な国の人に新潟へ来てもらいたい。そのためには、新潟の食の魅力を伝え、楽しんでもらうことが大きなテーマ。今日はそういった取り組みのヒントになれば」と語った。
セミナーではぐるなび大学の担当者より、訪日外国人観光客数やその経済効果、実際のニーズなどを具体的な飲食店やホテルなどの事例とともに紹介。外国人観光客が旅行中に一番期待するものは「食」であるというデータから、飲食店の情報発信や来店客の満足度がいかに重要であるかが語られた。また、新潟県全体への外国人観光客の訪問状況は、スキーが盛んな冬季、特に上越・魚沼地区に集中しており、新潟市への誘引はまだまだ改善する必要があると解説。その一方で、訪れた外国人観光客に好印象を持ってもらうことができれば、口コミでそのよさが広がり、新たな集客が見込めると訴えた。
最後に、「外国人観光客の受け入れ態勢ナンバーワンの都市を目指しましょう」(横山氏)と、インバウンド獲得への意気込み高く、散会となった。新潟市とぐるなびでは、今後も様々な分野で地域振興を強化していく予定だ。