冬はノロウイルスによる食中毒に注意!

食中毒は冬にも注意が必要。特にノロウイルスによる食中毒が多発するのが冬だ。店のスタッフや来店客を守るため、ノロウイルスによる食中毒の予防法や感染の広がりを防ぐポイントを紹介。

URLコピー

食中毒は気温が高い夏場だけでなく、冬にも注意が必要。特にノロウイルスによる食中毒が多発するのが冬だ。店のスタッフや来店客を守るため、ノロウイルスによる食中毒の予防法や感染の広がりを防ぐポイントを紹介しよう。

ノロウイルスとは・・・

食中毒の中でも、特に冬場に流行する食中毒の原因となるウイルスです。

厚生労働省の食中毒統計調査(2010~2014年の平均値)によると、11~2月の4カ月間だけで、年間のノロウイルスによる食中毒発生件数の実に67%を占めます。また原因別食中毒患者数(年間)では、55%がノロウイルスによるものです。しかもノロウイルスは大規模な食中毒につながりやすく、食中毒1件当たりの患者数はノロウイルスが36.2人と、その他の原因の平均である13.7人を大きく上回ります。

食中毒を起こすと、店の信頼や信用を一気に失いかねません。これからの時期は特に注意しましょう。

※詳しい情報は、厚生労働省ホームページ 「ノロウイルスに関するQ&A」へ

ノロウイルスによる食中毒予防3つのポイント

① 調理をする人の健康管理

●ウイルスに感染しないように、普段から食べるものや、その状態、また家族の健康にも注意する。

●感染の症状があるときは、食品を直接取扱う作業をしない。

●感染の症状があるときに、すぐに責任者に報告する仕組みをつくる。

② 作業前などの手洗い

●洗うタイミング

  • トイレに行ったあと
  • 厨房に入る前
  • 料理の盛り付けの前
  • 次の調理作業に入る前

●汚れが残りやすいところをていねいに洗う

  • 指先、指の間、爪の間
  • 親指の周り
  • 手首、手の甲

③ 調理器具の消毒

●洗剤などで十分に洗浄し、熱湯で加熱する。または、これと同等の効果を有する方法で消毒する。

ノロウイルスの感染を広げないために!

食器・設備・リネン類などの消毒

●感染者が使ったり、感染者の嘔吐物が付いたりした物は、ほかの物と分けて洗浄・消毒。

●食器などは、食後すぐ、厨房に戻す前に塩素消毒液に十分浸して消毒。

●カーテン、衣類、ドアノブなども、塩素消毒液などで消毒。
※次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があるため、金属部(ドアノブなど)消毒後は十分に薬剤を拭き取ること。

●衣類や洗濯するときは、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いし、十分すすぐ。

  • 85℃で1分間以上の熱水洗濯や、塩素消毒液による消毒が有効。
  • 高温の乾燥機などを使用すると、殺菌効果がより高まる。

嘔吐物などの処理

●ノロウイルスは乾燥すると空中に漂い、口に入って感染することがあるため、患者の嘔吐物などは下記のようにすみやかに処理して二次感染を防止。しぶきなどを吸い込まないように作業をすること。

  1. 使い捨てのマスクやガウン、手袋などを着用。
  2. ペーパータオルなどで静かに拭き取り、塩素消毒後、水拭き。
  3. 拭き取った嘔吐物や手袋などは、ビニール袋に密閉して廃棄。その際、できればビニール袋の中で1000ppmの塩素消毒液に浸す。
  4. 作業終了後は、ていねいに手を洗う。

塩素消毒の方法

次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めて「塩素消毒液」を作る。家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用が可能。
※作り方は下表を参照。濃度によって効果が異なるため、正しく計測すること。

※製品ごとに濃度が異なるので、表示をしっかり確認すること。
※次亜塩素酸ナトリウムは使用期限内のものを使用。
※嘔吐物などの酸性のものに直接原液をかけると、有毒ガスが発生することがあるので、必ず「使用上の注意」をよく確認してから使用。
※消毒液を保管する場合は、誤って飲むことがないよう、消毒液が入った容器に消毒液であることをはっきりと明記して保管。