「京都料理芽生会」が「精進料理の世界へ」を開催

「日本料理の発展並びに伝統と格式ある京の食文化の振興に貢献すること」を目指す「京都料理芽生会」が、精進料理の今後の可能性を探り、次世代への継承を考える「精進料理の世界へ」を開催。-イベントリポート

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精進料理から次代の食を考える特別イベント

京の食文化の発展を目指す「京都料理芽生会」が創立60周年記念特別企画「精進料理の世界へ」を開催!

「精進料理を考える」と題したパネルディスカッション。左から、コーディネーターの中村元計氏、パネラーの髙橋英一氏、村田吉弘氏、髙橋拓児氏。含蓄のある発言とユーモラスな掛け合いで会場を湧かせた

参加者に精進料理を披露。歴史と未来を語る会も開催

京都の日本料理店約90店舗で組織される「京都料理芽生会」(会長/「木乃婦(きのぶ)」三代目・髙橋拓児氏)は、「日本料理の発展並びに伝統と格式ある京の食文化の振興に貢献すること」を目的に1955年に創立し、これまで様々なイベントを企画。会員相互の研鑽と親睦を図ってきた。株式会社ぐるなびは、同会の賛助会員に名を連ねている。

2015年に創立60周年を迎えた同会は、記念事業として、精進料理をとおして次代の食を考えるイベント「精進料理の世界へ」を企画。これは日本料理に大きな影響を与えた精進料理を、食材や調理法、味、考え方や作法を学びながら、今後の可能性を探り、次世代への継承を考える試みだ。京都の各寺院の協力を得て、同年5月の第1回「精進料理への挑戦」から回を重ね、歴史や技法など、様々な角度から精進料理の真髄に迫ってきた。

そして、12月8日には、締めくくりとなる第5回「精進料理を考える」が、京都市の南禅寺龍渕閣(りょうえんかく)で開催。定員の3倍近くの応募があるなか、会場には抽選で選ばれた約120人が来場。まず、パネルディスカッションを行い、「瓢亭(ひょうてい)」の髙橋英一氏、「菊乃井」の村田吉弘氏、「木乃婦」の髙橋拓児氏が、ユーモアを交え、精進料理について熱い話を繰り広げた。コーディネーターは僧侶の修行経験を持つ「なかむら」の中村元計(もとかず)氏が務めた。

髙橋英一氏は、精進料理に欠かせない保存食の調理法によって、味や旨みが増すことを紹介。さらに、京野菜の歴史と復活の意味を語った。村田氏は「ヨーロッパでは3割がベジタリアン」と述べ、食事に関して制限のある宗教への対応と合わせて、精進料理が持つヘルシーさは今後の世界的な料理ニーズに合致すること、日本でもベジタリアンのためのコース料理が必要になることなどを語った。また、髙橋拓児氏は、食材を無駄なく使い切るなど、精進料理の精神性を現代の料理に受け継がなければ、文化的な豊かさが失われてしまうと語り、「30年先の料理界を考えることの大切さ」を力説した。

続いて行われた食事会では、「京都料理芽生会」会員のなかの7店舗が共同で作った精進料理コースが、参加者にふるまわれた。先付を「菊乃井」、煮物椀を「なかむら」、八寸を「木乃婦」、進肴を「瓢亭」、炊合を「柿傳(かきでん)」、飯・香の物を「さいき」、水菓子を「竹林」が担当。それぞれの店舗の代表者が素材と調理法を紹介し、質疑応答も活発に行われた。

最後に、今回の企画を振り返って髙橋義弘氏(「瓢亭」)が挨拶。精進料理を継承する事業の継続を表明して、和やかな雰囲気のなか、散会となった。

閉会の挨拶をする髙橋義弘氏。料理の知識と技術に加えて「心」も継承する重要性に触れた
約120人が精進料理を堪能した食事会。素材や調理法に耳を傾け、終始、和やかな雰囲気に包まれた