大阪環状線ぐるなび 「山陰いいもの探県フェア」開催中!

島根・鳥取の両県が誇る優れた食材を使った料理を大阪環状線エリアの飲食店が提供し、店の集客とともに、山陰エリアの活性化に寄与する「山陰いいもの探県フェア」が、3月31日まで開催中だ。

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大阪環状線ぐるなび 「山陰いいもの探県フェア」開催中!

1月20日より、大阪環状線沿線の68の飲食店で、山陰(島根・鳥取)の食材を使ったフェアが行われている。店の集客と、エリアの活性化・情報発信を後押しする、特定の産地をテーマにしたフェアの意義や効果とは――。

各駅のスタッフが、駅周辺にあるおすすめの飲食店を紹介する「大阪環状線マガジン」も人気コーナー
大阪環状線ぐるなび

http://www.gnavi.co.jp/prt/jrwest/
ぐるなびとJR西日本が共同運営する、大阪環状線沿線のグルメ情報サイト。2013年5月に開設され、駅ごとに料理や目的・シーン別に店を探せる「レストラン検索」はもちろんのこと、料理ジャンルごとの「人気ランキング」や、「テレビに出た話題の店」からも飲食店を探すことができる。

山陰の優れた食材を大阪で! “産地フェア”が人を動かす

島根・鳥取の両県が誇る優れた食材を使った料理を大阪環状線エリアの飲食店が提供し、店の集客とともに、山陰エリアの活性化に寄与する企画「山陰いいもの探県フェア」が、1月20日~3月31日まで開催されている。

この企画は、株式会社ぐるなびと西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)、株式会社ジェーシービー、三菱UFJニコス株式会社が連携して行うもの。大阪環状線全19駅周辺のぐるなび加盟店から68店舗が参加し、期間中、山陰の食材を使った料理を提供。それにより、参加店の集客増と顧客満足度の向上を図り、同時に山陰の地域資源を観光資源として広く発信し、認知を向上させることを目的としている。

フェアは前半(1月20日~2月24日)と後半(2月25日~3月31日)に期間を分けつつ、大阪環状線を大きく東西に分割。「大阪~寺田町」間の店舗では前半は魚、後半は肉メニューを、「天王寺~福島」間の店舗では、反対に前半は肉、後半は魚メニューを提供する。また、期間中には、大阪環状線の各駅や駅併設の商業施設にポスターが掲示されるほか、車内の中吊り広告、フリーペーパーなど、積極的な宣伝活動も展開されている。

ぐるなびでは、これまでも全国各地の優れた食材を飲食店に紹介し、飲食店と生産者の橋渡し役として様々な取り組みを行ってきた。今回のフェアでは、JR西日本らと共同で、「食」を通した地域の活性化を担い、Webサイト「大阪環状線ぐるなび」でのアピール、産地直送の食材を販売するマルシェの開催などを通して、大阪環状線の利便性とイメージアップ、地域活性化も進めている。

大阪環状線各駅や、駅隣接の商業施設でもポスターやパンフレットでフェアをアピール!

参加店舗では、フェア事務局が用意した、各店ごとのフェア用メニューシートでアピール。写真上が「ながしろ」、下が「本陣」のもの
大阪環状線各駅や隣接する商業施設にはフェアのポスターが貼られ、駅にはパンフレットを置くなどして、フェアの開催をアピール

大阪環状線、全19駅の68店舗で山陰の“いいもの”を食べ比べ!

大阪環状線ぐるなび「山陰いいもの探県フェア」(2016年1月20日~3月31日)

参加店's VOICE (大阪駅)

本陣
大阪府大阪市北区曽根崎2-10-18
http://r.gnavi.co.jp/k603600/

「肉(畜産品)期間」に提供
鳥取和牛オレイン55の燻製と日替わり燻製の盛り合わせ 880円
「魚(水産品)期間」に提供
ノドグロSサイズの煮つけ 680円
店長 藤井将輝 氏
当店は創業58年。梅田の繁華街にあるので、幅広い年齢層にご利用いただいており、2015年にぐるなびの「高知食材フェア」に参加したところ、高知出身の新規のお客様が来てくださるようになりました。常連にも、普段は店で使っていない新しい食材の料理がとても喜ばれ、「産地」という切り口には様々なメリットがあると実感しています。

今回の「山陰いいもの探県フェア」では、以前から使ってみたかったノドグロをチョイス。毎日品切れになるほどの人気です。肉は鳥取和牛。大阪ではなじみの薄いブランドですが、試食したところ本当に素晴らしい肉質で、贅沢に燻製にしたらどうかなと考えました。自家製のチーズの燻製や、豆腐の燻製などと組み合わせて、目新しい一品に仕上げられたと思います。

このフェアを通じて、山陰には“いいもの”がたくさんあるとあらためて気づきました。新しい食材はスタッフにも店にも活気を与えてくれます。地域の魅力の発見にもつながるので、今後とも積極的に参加したいと考えています。

参加店's VOICE (野田駅)

やきとり有機野菜 ながしろ
大阪府大阪市福島区玉川4-15-9 マンションニュー富士1F
http://r.gnavi.co.jp/k472202/
「肉(畜産品)期間」に提供
鳥取和牛のローストビーフ 季節の彩り野菜を添えて 950円
「魚(水産品)期間」に提供
大黒しじみの赤だし 410円
店長 伴地太郎 氏
オープンから14年、地元密着で常連のお客様にいかに喜んでもらうかを大切にしてきました。例えば料理では、焼鳥業態ですがそれだけにこだわらず、毎週「今週の極めし」として、素材にこだわった特別メニューをリーズナブルな価格で提供しています。

特定の産地をテーマにしたフェアを店で実施するのは今回が初めて。使用する食材は鳥取和牛と大黒しじみ。和牛はサシの入ったおいしい肉で、イタリアンで修業した若手シェフがソースにもこだわって仕上げ、かなりの高確率でオーダーをいただいています。しじみは二日酔いに効くといわれ、お酒のあとのシメのスープとしても最適な素材。フェアのあとも継続できたらいいなあと思っています。

産地にこだわった食材は、食の安心・安全につながりますし、いい食材を使っている店というイメージもつくと期待しています。「面白いことに挑戦する活気のある店」として認知が広がれば、うれしいですね。

Special Interview:日本の原風景が息づく豊穣な山陰の地から、自慢の食材と食文化を、人々の想いとともに

5年前に山陰の地に赴任したJR西日本の内山 興氏は、山陰の魅力を発掘・発信して、地域の活性化を担ってきた。
ぐるなびとの共同企画「山陰いいもの探県フェア」の仕かけ人でもある氏に、山陰の魅力と同フェアへの期待を聞いた。

山陰いいもの探県隊
キャプテン
西日本旅客鉄道株式会社
松江支店長
兼 鉄道本部 営業本部
瑞風推進事業部 担当課長
内山 興 氏

島根・鳥取両県を擁する山陰エリアには、日本の原風景ともいえる魅力がたくさん詰まっています。

まず、食材。暖流と寒流が、島根県沖の隠岐諸島あたりでぶつかるため、日本一といわれる漁場があります。淡水と海水が混在している汽水湖として、しじみで名高い宍道湖も、魚の種類が実に豊富です。また、魚介に限らず、米、酒、野菜、肉などの豊穣な恵みもあります。いい土が取れ、磁器や陶器製作なども発達したことから、独特の食文化が育まれてきました。

また、昔ながらの自然や暮らし方が壊されずに残っているのも、山陰の特徴の1つ。日本で古くから行われてきた「たたら製鉄」(ふいごで風を送り込む初期の製鉄法)が今でも現役なのはここだけ。また、天然醸造の醤油蔵がこんなに集中している地域は、ほかにありません。私が「山陰には日本の原風景がある」というのは、単なる感傷ではなく、地理・歴史的に、合理的な裏づけがあってのことです。

問題は、こんな素晴らしい地域資源が十分に活かされていないこと。地元の人々もその価値に気づかず、廃れてしまう危険に直面しているのが現実です。鉄道会社としての生き残りも探るなか、「山陰の地域資源を守ることは、ひいては日本人の伝統と文化を守ることにつながる」と思ったのです。

そこで、狭い意味での観光資源に留まらず、日常の食べ物や暮らし方も含め、広く地域資源を発掘。さらに、その価値に正しく光を当て、情報発信することで、地域の活性化を図ろうと、2014年に「山陰いいもの探県隊」を発足させました。背景には、2017年春に運行を開始する寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」のコンテンツを、地域の人々と一緒に考えるための「ネットワークづくり」という狙いもありました。以来、私は「山陰いいもの探県隊」の“キャプテン”として、山陰の食、観光、文化、歴史、風土、自然に精通する隊員とともに、地元の人しか知らない「とっておきの資源」を発掘・発信する使命に全力で取り組んでいます。

とはいえ、一口に「地域資源の発掘と発信」と言っても、分野によって様々な知恵が必要です。特に食に関しては、私たちは素人。そこで、かねてから当社と協力関係にあったぐるなびに相談し、協力を得て、まず大阪駅で山陰食材のマルシェを開催しました。これがとても好評で、今まで「普通のもの」と思っていた食材が、「都会の人には珍しかったり、貴重だったりする」ことがわかり、出品した生産者も自信を深めました。その後も引き続いて山陰地域内外でのマルシェに取り組み、当初4~5軒だった出品者は、今では100軒を超えるまでに増えています。

今回の「山陰いいもの探県フェア」は、こうした活動を土台として実現しました。この機会に、山陰の食材の豊かさを多くの人々に知ってもらい、山陰の歴史と風土、生産者の思いを感じてほしいと思います。そして、次はぜひ、自分の足で山陰を訪れ、この地の食を楽しみ、歴史と風土を体感していただきたいのです。そうして山陰への誇りを育み、一層の活性化を実現していきたいと張り切っています。

Ko Uchiyama
1996年、東京大学法学部卒業。同年、西日本旅客鉄道株式会社入社。2011年、当時の日本全国最年少駅長として島根・松江駅長に就任。2014年に松江支店長(地域共生推進担当特命)となり、2015年6月より現職。学生時代には漫才師としてセミプロ活動経験もあり、持ち前の行動力と明るさで、「山陰いいもの探県隊」の“初代キャプテン”も務める。