「大阪市・株式会社ぐるなび 地域活性化包括連携協定」によるインバウンド対策セミナーを開催
去る8月3日、大阪市中央公会堂(北区中之島)にて、大阪市とぐるなびによるインバウンド対策セミナーが開催された。
大阪市とぐるなびは、「食」を通した地域活性化を促進するため、2016年6月14日に「大阪市・株式会社ぐるなび 地域活性化包括連携協定」を締結。協定内容のひとつである、観光振興に関しては、多言語対応のWebページ「ぐるなび外国語版」の構築・情報発信により、大阪市内の飲食店における外国人受け入れ環境づくりを促進していく。今回のセミナーはその一環として、大阪市内の飲食店を対象とし、年々増えている訪日外国人客(インバウンド)の受け入れノウハウをレクチャーするものだ。
セミナー冒頭の挨拶では、大阪市経済戦略局理事の芳田 隆氏が、大阪の「食」の魅力をさらに高め、国内外に発信していく意気込みを伝えたのに続き、元観光庁長官・内閣官房参与であり、大阪観光局 理事長(大阪観光局長)の溝畑 宏氏が登壇。「大阪市における訪日外国人観光客の実態と抱える課題について」と題して、訪日外国人観光客の現状や、日本の各地域における観光資源の活かし方などのほか、関西の観光政策のポテンシャルやビジョンを解説。「“大阪復権”の鍵を握っているのは飲食店。日本の健全な発展のために、再び大阪に『人・モノ・金』を引けつける力を持つことが重要」と訴えかけた。
続いて、ぐるなび 代表取締役社長・久保征一郎が、外国人の日本食へ対する期待の高さを紹介。外国人に気軽に日本食を楽しんでもらうために、「ぐるなび外国語版」のメニュー翻訳システムのメリットや使いこなし方、世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」と連携したサービスなどを説明した。
最後に、大阪の飲食店を代表して、お好み焼きの「千房」ブランドを展開する千房株式会社の専務取締役・中井 貫二氏が登壇。「訪日外国人観光客を『おもてなし』。大阪の飲食店が果たす役割とは」をテーマに、“大阪の飲食店”として、自社の訪日外国人観光客への考え方や対応策を説明。自社ホームページの刷新や、「ぐるなび外国語版」の使いこなしによる“環境整備”、台湾のブロガーと連携した“ブランディング”、「大阪らしさ」や「千房らしさ」といった“「らしさ」の追求”などを、細かく紹介するとともに、大阪の街全体で外国人を受け入れることを提言した。
セミナーには大阪市内の飲食店関係者ら約400人が参加し、熱心に耳を傾け、メモを取る姿もあちこちで目に付いた。年々増加する訪日外国人への対応に関して、様々なヒントを得る貴重な時間となったようだ。